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【MotoGP Rd.19 カタールGP🇶🇦決勝ハイライト】


Moto3

TOP3

毎度のごとく順位の入れ替わりが激しいMoto3。その激戦を潜り抜けトップでチェッカーを受けたのはポイントリーダーのジャウメ・マシア🇪🇸(Leopard)!
2位にダヴィド・アロンソ🇪🇸(GASGAS Asper)、そして3位にはジャンプスタート(フライング)によるダブルロングラップペナルティで後方に転落したにも関わらずまさかの怒涛の追い上げを披露したデニス・オンジュ🇹🇷(KTM Ajo)が入るTOP3となりました。

リザルト

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日本勢はチャンピオンを争う佐々木歩夢(Intact GP)がマシアとフェルナンデス🇪🇸のLeopard勢から執拗な妨害に遭い、最後はハイサイド未遂の姿勢を乱す場面もあり6位でフィニッシュ。鳥羽海渡(Squadra Corse)が8位、古里太陽(Team Asia)が14位、山中琉聖(GASGAS Asper)が21位という結果でした。

スタンディング

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マシアが優勝し佐々木歩夢が6位で終わった結果、2人のギャップは逆転不能な28ptまで拡大。これによりマシアの2023年Moto3ワールドチャンピオンが決定となりました。

佐々木は最後まで奮闘しましたが先にも述べた通りLeopardの2台から執拗な妨害を受けその度に後退(マシアはレース中に警告が出てました)。それでもその都度トップグループへ浮上し力強い走りを見せてくれました。

今回のマシアとフェルナンデスのLeopard勢による走りには日本だけでなく世界中からプロアマ観客問わず様々な声が上がっており、正直僕個人的にもLeopardの走りには気分が悪かったです。しかし思い返せば、佐々木は過去に取れたはずのポイントを逃したり前戦マレーシアではチームメイトのヴェイヤーが初優勝とは言え佐々木から勝利をもぎ取ってしまったりと、広い目で見ればこの状況に持ち込んでしまった佐々木にもそれなりに原因はあったように思えます。

そして誤解のないように頂きたいのは、マシアは間違いなく実力のあるライダーです。今回のようなライディングがなくても佐々木を負かす力はあるライダーです。実際今シーズンここまで佐々木は勝ち星0に対してマシアは今回を除いても3勝を挙げてます。そのマシアが今回のような走りをしたのは、佐々木が非常に手強い相手だと認めている証でもあるんじゃないかなと思います。

応援してた様々な人たち、そして誰よりも佐々木歩夢自身にとってこの敗北は非常に悔しいものになりましたが、この悔しさをバネに次の最終戦で思う存分暴れてマシアに結果でやり返して、気持ちよく来年Moto2に上がってほしいですね。

Moto2

TOP3

Moto3と打って変わってなかなかオーバーテイクの難しいMoto2。そのレースを見事な走りで後続を引き離しトップチェッカーを受けたのはフェルミン・アルデゲル🇪🇸(SpeedUp)!前戦マレーシアGP🇲🇾から連勝となりました。
そして2位争いは僅か0.009秒差の大接戦の末、マニュエル・ゴンザレス🇪🇸(VR46)が2位、アロン・カネット🇪🇸(Pons)が3位に入る表彰台となりました。

リザルト

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日本勢は小椋藍(Team Asia)が表彰台まであと一歩、4位でフィニッシュ。羽田太河(SAG)が25位、野佐根航汰(VR46)は残念ながら12周目転倒でリタイアとなりました。

スタンディング

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ロペス🇪🇸(SpeedUp)が8位へ後退、ゴンザレス🇪🇸(VR46)が7位へ昇格した以外は上位陣に目立つ変動はなし。但し3位ディクソン🇬🇧(GASGAS Asper)と4位アルデゲル🇪🇸(SpeedUp)の差が7ptとなり、逆転の可能性も見えてきました。小椋藍はロペスに対して1.5pt差まで来たので最終戦でもう1つランキングを上げてシーズンを終えれるように頑張ってほしいですね。

MotoGP

TOP3

チャンピオン争いが佳境を迎えたプレミアクラス。その決勝レースを制したのはなんとファビオ・ディ・ジャナントニオ🇮🇹(Gresini/Ducati)!後続を2.7秒引き離す圧倒的な走りでキャリア初優勝を遂げました。
2位はフランチェスコ・バニャイヤ🇮🇹(Ducati)!連覇に向けて非常に貴重なポイントを積み上げました。
3位はルカ・マリーニ🇮🇹(VR46/Ducati)!決勝レースでは第3戦アメリカGP🇺🇸以来の表彰台となりました。

リザルト/ハイライト

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今回のレースで驚きだったのはマルティン🇪🇸(Pramac/Ducati)の突然の失速。前日のスプリントで勝利を収め非常に自信を持っていたはずでしたが、スタートから蹴り出しが非常に悪く後方へ転落します。一方でポイントリーダーのバニャイヤは4番手グリッドから見事なスタートダッシュでホールショットを奪います。

1周目を終えた段階でバニャイヤトップに対しマルティンは8番手。もちろんMotoGPは抜きつ抜かれつが激しいのでそこから挽回を見せることも珍しいことではありませんが、今回のマルティンはどことなく走りにキレがありません。

マルティンのチームメイト、ザルコ🇫🇷はマルティンのチャンピオンに少しでも加勢すべく、わざとコーナーを大きく回りマルティンを前に出します。1ptでも、今は貴重なポイントです。

さらにマルティンはM.マルケス🇪🇸(Repsol HONDA)をパスし6位へ浮上。
後のインタビューでM.マルケスは今のマルティンにとってこの1ptが大切なものだと分かって走っていたとコメント。チームメイトだけでなく他のライダーからの力も借りて前に進みます。

しかし、そこから先は遠く、マルティンから前のマリーニまでは1.5秒のギャップがありなかなか迫ることが出来ません。

そうこうしている内にマルティンの背後のM.マルケスにヴィニャーレス🇪🇸(Aprillia)が迫ってきます。マルティン非常に苦しい展開です。

ヴィニャーレスはM.マルケスをパスし、マルティンも交わしていきます。そしてマルティンの状況も分かっているM.マルケスも流石にこれ以上は守りきれなかったかマルティンの前に出ます。明らかにマルティンのマシンはグリップしてくれてません。

一旦はM.マルケスからポジションを奪い返したマルティンでしたが、今度はクアルタラロ🇫🇷(YAMAHA)が迫り先行されます。

パワーが足りないのか、走りながらマルティンは不満をあらわにします。

一方で優勝争いはバニャイヤとディ・ジャナントニオの一騎打ち。付かず離れず、ディ・ジャナントニオはタイミングを伺います。

マルティンは後方で苦戦が続き、バスティアニーニ🇮🇹(Ducati)に抜かれとうとう10番手まで後退。今回は我慢のレースです。

残り4周となった17周目、ついにトップが動きます。ディ・ジャナントニオがバニャイヤを交わしてトップへ浮上!ディ・ジャナントニオにとっての初優勝がついに見えてきました。

バニャイヤは抜き返しにかかりますがコントロールを誤ってオーバーラン。これで一気にディ・ジャナントニオとのギャップが開いてしまいました。
一歩間違えれば接触転倒してポイントを失い、マルティンにランキングで詰め寄られる、非常に危ない場面でした。

その後ディ・ジャナントニオは危なげない走りで残りの周回をこなし、待ち侘びたプレミアクラスキャリア初優勝を遂げました!
どのライダーであれ、初優勝はファンでなくても非常に喜ばしい瞬間になりますね。見事な22周でした。

一方でマルティンは我慢の走りで最後は10位でフィニッシュ。のちにリアタイヤの感触に問題があったことをコメントしてました。通りでフィニッシュ直後にリアタイヤを気にしてたわけですね。
モータースポーツにおいてタイヤは最も大事なパーツの一つ。そこに信用がなければ飛ばしたくても飛ばせません。無理をせず確実にポイントを持ち帰ったのは流石ではないでしょうか。

なお、日本勢の走りはと言うとYAMAHAはクアルタラロが7位と健闘、モルビデリが16位と惜しくもポイント圏外。HONDA勢はM.マルケスが11位、ミル🇪🇸(Repsol)が14位、中上貴晶🇯🇵(LCR)が19位、レクォーナ🇪🇸(LCR)は1周目で転倒リタイアを喫してしまいました。
M.マルケスは本当はもっと前に行けたと思いますが、最後までマルティンをなんとか前でフィニッシュさせようと堪えてましたね。

スタンディング

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チャンピオン決定は最終戦まで持ち越されはしたものの、バニャイヤとマルティンの差は21ptに広がり、バニャイヤにかなり有利なギャップとなりました。とは言え何が起きるか分からないのがMotoGP、モータースポーツ。最後の瞬間まで、見届けたいところです。
ベッツェッキの3位、ビンダーの4位は確定。一方で5位ザルコから8位ヴィニャーレスまでが12pt差と大混戦。この4台は最終戦で順位がシャッフルされる可能性もあるため非常に注目ですね。

次戦

さて、次戦はいよいよ最終戦。舞台はヨーロッパに戻りバレンシアGP🇪🇸サーキット・リカルド・トルモ。
Moto2、Moto3はチャンピオンが決まりましたがMotoGPはこの最終戦でチャンピオンが決まります。果たしてバニャイヤが逃げ切りM.マルケス以来の連覇を決めるのか、それともマルティンに逆転のチャンスが巡ってくるのか?
最後の瞬間まで、見逃せません。


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