見出し画像

2021年度版人気記事ランキング一覧(ホロコースト関連のみ)

なぜこの記事が、他の記事を完全に思いっきり出し抜いて一位になってるのか、私自身はその理由がわからない……などとダッシュボードの閲覧数をぼーっと見ていて、今回はそれを紹介しようかなと思いました。大晦日に短い記事ですけど、どーぞ。

第一位:年間閲覧数3,871

この記事は、本来は私自身訳す気は全くなかったのです。「ナチスの人間石鹸」などには興味は少しはありましたが、ホロコースト否定とはあまり関係がないと見做していたことと、この元記事自体の内容が、人間石鹸なら人間石鹸それ自体のことを論述したものであり、どのようにして話が広まっていったのかについてはあまり詳しい記述がないからです。例えば、日本語Wikipediaの「人間石鹸」の項目には2021年12月30日現在、次のような記述があります。

ただし、実際にナチスが収容者を脅すために流したという主張は根拠が無く、むしろ、親衛隊の最高責任者のハインリヒ・ヒムラーはこのような噂が広がるのを嫌がっていた。最初に噂を事実として捉えたのはユダヤ団体の「アグダト・イスラエル」である。

どうしても、反否定論ばかりやってると、こうした記述には政治性を感じてしまいます、「ナチスを擁護してユダヤを悪者にしようって魂胆か」みたいな(笑)。

実際、巷の否定派は、ユダヤ人石鹸だって嘘だったんだから、ホロコーストも嘘だってよく主張します。そのイメージにこうしたユダヤ団体が広めたんだ、みたいな主張が加わると、それこそホロコーストに関連づけられて、ホロコーストもユダヤ人の嘘に違いない、となるのは当然かと思います。石鹸話の原点は第一次世界大戦での偽情報だった「死体工場」にあると思ってますが、歴史的事実としてもっと詳しく噂の広がり方を知りたいなぁとは思ってました。ただ、情報を求めるとなると欧米の情報を調べる必要があり、ハードルが高いので自分で調べるのは諦めてます。

でもこの記事が、どうして飛び抜けて一位なのか、よくわかりません。この続きの2もあるのに2はこれの十分の一以下の閲覧数しかありません。不思議です。

第二位:年間閲覧数1,817

これは確か、アインザッツグルッペンというかソ連でのホロコースト関連の記事を訳し続けていたときに、色々と写真を検索している最中に見つけた記事だと思います。虐殺の写真はかなりたくさんありますが、この記事で取り上げている写真は見たことがなく、しかも銃殺のまさにその瞬間を間近で捉えた珍しい写真だと思いました。それで調べていると、記事になっていることがわかり翻訳した次第です。可能なら、この記事にあるウェンディ・ロウアーの著書『THE RAVINE』を読めればいいんですけどね、私は英語は全く読めないと言っていいレベルですから、洋書を購入しても宝の持ち腐れみたいなものです。ウェンディ・ロウワーは結構有名なホロコースト研究家さんであることを後で知りました。邦訳本は一冊だけあるようです。

面白そうではありますが、あれもこれも興味を示してたら時間も金も無くなってしまいます。いまだに読めてない本が何冊もあります。

しかし、この私が翻訳した記事、本の冒頭らしく、具体的な事実に関する情報はあまりありません。なのになぜ人気があるのか? これもまた不思議です。

第三位:閲覧数1,039

これは、今年公開されたこちらの映画に関連してるからだと思います。

サムネになるトプ画画像をわざわざ映画の画像にして、映画タイトルもそれっぽくつけてあります。でも、記事翻訳時には映画のことは知らなかったのです。色々とホロコーストに関する情報を知識として得ていくうちに、ヴルバとヴェッツラーの名前がなんとなく気になり出した時に訳したって感じです。映画を知ってから画像を変えたのです。

レポートは翻訳してみてビックリで、そこまで細かいことをよく覚えてたなぁと感心しました。特に、囚人番号とその内容をそんなに正確に覚えてたなんて、ちょっと信じ難い気もしました。図面などが誤っているのは既に知っていたのですけど、これほどの内容の充実した報告書ならば、そりゃハンガリーからのユダヤ人移送が停止させられたのも理解できます。

で、私が翻訳している記事はどれも大体そうですけど、敢えて言えばウルバ・ヴェッツラーリポートの日本語版はこれしかありません。自慢です(笑)。

第四位:閲覧数1,035

これも、なんで人気があるの?と理由がわかりません。この記事のトピックスは、マットーニョが自説の火葬能力の根拠として考えているコークスの量に関して、辻褄が合わなくなるので止むを得ず野外火葬を認めた点にあります。普通は否定派はアウシュヴィッツ・ビルケナウで野外火葬があったことを認めたがりません。否定派は火葬能力を低く見積もって「100万人の遺体処理など不可能」と主張したがるのですが、野外火葬を認めてしまうと否定派としては困ったことになるのにいいのかなぁ?と思いました。

もう少し細かく説明すると、まず第一に、マットーニョら否定派は、ユダヤ人絶滅がビルケナウであったことを絶対に認めません。収容所での死亡者は登録囚人に限られるという説を取ってます。この登録囚人の死亡者数については、冷戦後にソ連からアウシュヴィッツの死の本と呼ばれる死亡者リストデータが見つかったのです。それによると、欠落期間があり完全ではないものの、およそ6万9000人程度の記録を得ることができます。それとは別に、コークスの納入記録もある程度は見つかってるそうです。他に、参考データとしてマウトハウゼン強制収容所の衛星収容所だったグーゼン収容所のデータがあり、それによると火葬一体あたりのコークス使用料は30kgなのだそうです。これらのデータから、実際のアウシュビッツ・ビルケナウ収容所の火葬数を計算できると、マットーニョは仮定したのです。ところが、これを実際にやってみると、コークス納入量と死亡者数の相関が取れないのです。見事にバラバラ。その原因は推測するしかありませんが、誰が考えても死の本のデータ以外に死者がいたからだ、つまりガス室で絶滅され記録もされていない犠牲者の存在が要因の一つであると思いつく筈です。そこでマットーニョは一部死者は野外火葬に回されたからだ、と辻褄合わせを強いられたのです。ところがその野外火葬が行われていた根拠となった情報源を辿ると、なんと否定派が偽証とするルドルフ・ヘスの証言にあったというオチです。以上のように、否定派の用いる「科学」は、その実態はグダグダなのです。絶滅論者の言うとおりにガス室で絶滅が行われていたとさえ仮説すれば、スキッと理解できるのに、それを否定するものだから理屈を捻りまくらなければならなくなるのです。

第五位:閲覧数676

アインザッツグルッペンは、日本ではあまり関心が持たれていないように思われます。『ホロコースト論争』なるYoutubeやニニニコ動画にある否定論動画シリーズでも、アインザッツグルッペンの話はないようであり、動画主は2021.12現在、マットーニョのアインザッツグルペンの本を利用して、研究中のようです。ともかくも、日本では特にホロコーストと言えばガス室でありアウシュヴィッツであるようで、ソ連でのユダヤ人虐殺が実はかなり大きな割合を占めているという事実認識はあまりなされていないように思われます。

この記事を翻訳した当時も、今でもそうですけど、アインザッツグルッペン関連の知識は私も薄いです。それで、ホロコースト歴史プロジェクトサイトにあった比較的短い文章量でわかりやすく書いてあるこの記事を見つけたので翻訳したのです。ありがたいことに、この記事はGoogleで「アインザッツグルッペン」と検索すると、比較的上位に表示されるようで、おそらくそれでそこそこの閲覧数があるのかなぁと推測しています。アインザッツグルッペンに関する日本語文献はほとんどないようで、もっと詳細なことも知りたいと思ってはいるのですけど、今のところはなかなか難しいです。なお、Youtubeやニコニコ動画にアインザッツグルッペンの動画があり、クリストファー・ブラウニングなどの歴史家による解説や目撃者の証言、当時の映像なども豊富に入っていて、割とおすすめかもです。

以上手短に、ランキング五位までを紹介しました。閲覧数がそんなに上がるとは思えないテーマですけど、それなりに見てくださる方もいるのだなぁと感謝しております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?