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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#マイダネク

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(4):マイダネク博物館によるガス室の解説

マイダネク収容所には、ソ連による解放時に大量の遺体や骨などもあったことも知ってる人は知ってると思います。「Majdanek bone」などで画像検索すると大量に画像がヒットします。まー、否定派に言わせれば「疫病死体の骨だろ!」でお終いにされるのでしょうけど、こうした写真をたくさん見せつけられてしまうと、ほんとに八万人弱しか犠牲者がいないの? と思えてなりません。八万人弱でもものすごい数ではあるのですが、他の絶滅収容所は十万人は軽く超えているので、絶滅収容所と呼ぶ割りには少ない

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(3):マイダネク収容所の第7ガス室は実は存在しなかったという話。

マイダネク収容所を学ぶシリーズ、ではなく、アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を学ぶシリーズなのですが、マイダネク収容所に苦戦しております。何せ、図面などをの情報が少なく、出回っている図面を見てもどこに何があるんだかわからないレベルですので、とにかく少しでも理解を進めたいと思います。 今回は、マイダネクに関連した記事で最も翻訳したかったいつものHCサイトの記事です。この記事で取り上げられているのは、前回のマットーニョの記事にあったこれです。 マットーニョの記事では、この部屋Ⅶ

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(2):マイダネク収容所のガス室の謎〜否定論をまずは読む。

アウシュヴィッツ収容所の理解が割と簡単なのは、ルドルフ・ヘスの自伝や裁判での証言などで仔細に分かりやすく説明されているからです。アウシュヴィッツはホロコーストの象徴でもあって、ヘス以外からの情報も非常に豊富であり、また否認論もアウシュヴィッツばかり攻撃するので、その分、細いことまで多くの情報に溢れています。 それに引き換え、同じ種類の収容所であるはずのマイダネク強制・絶滅収容所については、議論でもほとんど名前すら出てきません。もちろんそれなりに否定論を目にすることはあります

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(1):マイダネク収容所の基礎と収穫祭作戦

ホロコーストに関しては、ナチスの強制収容所、あるいは絶滅収容所を色々と知る・語る・議論する、のは当然避けられないのですが、私などは数多くのホロコースト関連記事を作ってきて(大半は翻訳)いるというのに、その数さえ未だ知りませんし、アウシュヴィッツのことですら未だクレマトリウムのうちⅣとⅤはよく知らないくらいに、実際のところ全然わかっておりません。ですから、せめて主要な収容所程度は、ある程度は知っておかないといけないなぁと常々思っています。 そこで、今回から何回になるのか分かり

マイダネク収容所に「ガス殺遺体」はあったという報告書。

2022.1.5追記:末尾に追記があります。 ガス殺遺体は一体も見つからなかった、と言って憚らない人がいます。そりゃ、遺体は基本焼却処分して、骨は砕いて骨粉にし、アウシュビッツだと近くのビスワ河や池に捨てていたし、それらがないところでは近くの土地の上などに撒いていましたから、基本、ガス殺後の遺体など存在するわけがないのです。 ホロコースト否認論者はこれを分かっていて言っていると思います。何故なら、ホロコーストのことをよく知らない人を「え?」と思わせるネタに使えるからです。