紫金山-ATLAS彗星(C/2023 A3)〜宵の陣〜
「〜明けの陣〜」とか張ってしまったからにはあきらめるわけにいかず, 用事があって見られなかったり曇ったりで気をもみながら, 何とか夕方の彗星を迎え撃つことができました.
宵の陣#1
最初のトライは10/13. 晴天に恵まれて三瓶の西側斜面の星見スポットへと向かうが, ちょうど彗星のところを隠すように動かない雲に阻まれて惨敗TT
カメラと双眼鏡を出して日没を待っていると, 日曜日だったこともあり, 地元のオリンパスマニアのおじさんやら, 家族連れ何組かも来られて, ちょっとにぎやかになりました.
金星とアークトゥルスの中間のちょい下に彗星は居るはず… ということで, 皆でかたずを飲んで見守りますが, この嫌な感じの雲は一向にどいてくれる気配なく, かえってじわじわと広がって来ます. 金星でさえ一瞬見えただけ, アークトゥルスもしばらく見えて雲に呑まれて行きました.
まあ, そんなことで「残念でしたね〜」の挨拶とともに撤収し, 「さんべ荘」さんの温泉(日帰り入浴650円, 市内の温泉よりリーズナブル)に浸かって引き上げました.
宵の陣#2
2日ほど曇やら雨やらが続き, 「お帰り紫金山-ATLAS彗星! 歓迎撮影会」の構図が期待された15日も過ぎましたが, 16日に天気が回復してここら辺りの人たちがソワソワと動き出す気配が伝わってきます(笑). この日もスッキリ快晴とはいかず, SCWの雲予報を見ながら雲が少なそうな場所を探して, 結局, 日御碕道路沿いの某駐車場へ.
おひとり先客がいらっしゃって, 赤道儀に載った望遠レンズとか, タイムラプスのコンデジ(?)とかが立ってました. さらに, 京都から観光で(?)お来しの方も夕陽を撮りに来たところで私たちに遭遇し, 彗星に参戦.
夕焼けの朱がだんだん薄らいで行く中, 18時過ぎに双眼鏡とカメラで金星と彗星を確認!
ちなみにこの「紫金山-ATLAS」という名前, 国際的には「Tsuchinshan-ATLAS」, 「ツーチンシャン・アトラス」という感じになります.
幸い彗星の辺りは青空ですが, 周りに不穏な雲もあるので, とりあえず一部始終を連続撮影すべく35mm(標準レンズ)でインターバル撮影を仕掛け, 本命の180mm望遠をトラッカー(星を追いかけるヤツ)に載せて撮影を開始.
結果はこのように :-)
動画(標準レンズのタイムラプス, 望遠レンズのタイムラプスと仕上がり画像)はこちら↓
動画の最後に出てくる望遠レンズによる仕上がり画像はこちら↓
撮影を初めて5分くらいで雲が襲ってきたので, それまでの4分ちょっとで撮れたものをスタックして調整したものです. 右端の少しボウっと広がったかたまりはへび座にある球状星団M5. 彗星の頭から尾と反対の右側に細い筋が出ているのは「アンチ・テイル」と呼ばれ, ダストの尾が曲がって流れ, 地球から見て彗星の頭の方へ突き出して見えているものです. この画角の横が7.5°で双眼鏡の視野くらい. 8倍の双眼鏡でも視野いっぱいに見えました.
カメラのファインダ(EVF)でハッキリと尾が伸びた姿が視認でき, 肉眼でも見られました. 2020年7月のNEOWISE彗星(C/2020 F3)以来の大彗星, 肉眼等級の彗星ということになります.
こちらは↓2020/7/20に多岐海岸で見られたNEOWISE彗星. 今回と同じレンズとカメラで撮ってました.
今後またしばらく曇天が続きそうだし, 17日が満月でしばらく宵の空が明るくなってしまいます. 20日ごろになって天気も回復すれば, 月が出る前の暗い空に彗星が見られるかも. だんだんと太陽から離れて東へ動いていくので, 彗星の明るさは暗くなりますが時間に余裕を持って観測できるようになります.
そうなると望遠鏡などもう少し長い焦点距離で腰を落ち着けて撮影ということになるでしょう.
「宵の陣」ひとまずこれにて閉幕 m(. .)m
【了】