シンプル イズ ベスト

電車に乗っていると、目の前に、シンプルな見た目のカップルと乗り合わせていることに気がつく。

彼等はそんなこと微塵も気にしていないように愛し合い、幸せそうに見つめ合い、小声で2人だけの世界を楽しむ。

たった一瞬電車に乗り合わせただけの私にも伝わってくる。2人だけの世界が、彼等にはどれだけ美しく見えているのか。

到底私には、縁が無いのだろうか。

シンプルな見た目から入ると、性格が良かったり優しかったりするとプラスポイントになって、相手をどんどん好きになる。

美しく目立つ見た目から入ると、優しくても、何か裏があるのか？企んでいるのか？といわれがちで、好きはもっぱら、はじめがピークのパターンが多い。

そうして大体は、騙されたなどと、詐欺師のように扱われるのだ。

人間が人間らしくあるためには、できるだけ見た目に表さず、シンプルに、ちょびっとダサく、見せた方が良いのかもしれないと、ふと思う。

直接的な外見は変えられなくても、見栄や自慢をひけらかさないようにするだけで、少しは違ってくるのかもしれない。