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【日本vsマレーシア比較】歩いている女性と前から来た男性、よけるのはどちら?

以前に日本に一時帰国した際にショックだったこと、という話です。


タイトルの質問の答えは?


まずはタイトルの質問です。

道(外の歩道や、ショッピングモールやスーパーマーケットの通路など)を女性(私)が歩いていました。
前方から男性が歩いてきました。
お互いがそのままのスピードで歩き続けるとぶつかってしまいそう。
さて、先に避けるのはどちらでしょう?

回答:マレーシア編


マレーシアに住んでいる3年間、数日に1回はこういうことがありましたが(外はあまり歩かないので、主にショッピングモールやスーパーマーケットの通路で)、
100%、前方から来た男性がよけてくれました。本当に100%です。

こちらは子どもを連れていたり、海外サイズの大きなショッピングカートが重かったりして「あ、前から人が来る」と思ったときにパッとよけることができなかったりという感じだったのですが、
前から来た男性は必ず止まるかよけるかをして、女性や子どもを優先してくれました。

人種は、中華系、マレー系、インド系、どなたでもです。

「余裕あるなぁ」

紳士的なふるまいだな、と感じると同時に、周りを見る余裕や時間的な余裕があるように感じました。別に急いでいないし、自分の方が身軽だし、といった感じ。

また、お店の中の商品棚の間のせまめな通路でショッピングカートが通れなく、2~3台詰まってしまったときなども、

「It's jammed 笑(渋滞してる 笑)」
「Yes, jammed(ですね 笑)」

なんて笑顔を浮かべながらひと言ふた言交わし、後ろの人から順にショッピングカートをずらして脱出します。

また、これは男性ではなくシニア女性でしたが、
まだコロナでステイホームだったころ、スーパーマーケットでそのスーパープライベートブランドのポテトチップを買おうかな、と私が手に取っていると

「ねえ、それ美味しい?私も買ってみようかしら」

と中華系の女性が話しかけてきました。

「私も初めて買うけど美味しそうですよね。お買い得だし 笑」

と答えると、

「みんな家にいるからお菓子の減りが早くてね 笑」
「ですね 笑」

とそんなスモールトークをひと言ふた言。
(その女性もポテチ買っていきました w)

全体的に、気軽で、余裕ある感じ、なのです。


回答:日本編


さて一方。

あるとき、日本に一時帰国して、私は友人と話しながら友人宅近くの道路をコンビニに向かって歩いていました。
狭い歩道だったので横に並べず、前後に連なって、雑談をしながら歩いていると、ものすごいスピードで前からサラリーマン風の男性が歩いてきます。

車道に多少の車通りもある細い道。
あ、と思ったときには男性と私たちの距離はとても近くて、私はよける間もなく、その男性は私の肩にぶつかり、「チッ」と大きく舌打ちをしてそのままのスピードで去っていきました。

これが「日本の全て」、「だから日本は」のように大きな主語でいうつもりはありませんが、3年間住んでいたマレーシアで一度もなかったことが、ほんの短い一時帰国、帰国して数日目で、渋谷のスクランブル交差点などではなく住宅街でこれ、ということは少なからずショックでした。

余裕がない。
周りに合わせようとしないし、周りも見ない。

急いでいたのかもしれませんが、それであっても「すみません」のひと言くらいはお互い言えるはず。それなのに、舌打ちをして去っていくことしかできないということは、「ぶつかるのは相手が悪い・自分は正しい」もしくは「自分は正当であるから許される」という考えが根底にあるのだと感じました。

自分は正しくて、相手が悪い


「自分は正しくて、相手が悪い」
という考え方も、多様性のなさから来るのではないかな、と私は感じます。
多様性があると、「自分・相手」の二元的な思考にならないし、「正しい・悪い」の二元的な思考にもならないのです。

みんなそれぞれ違う。
違うから、分かり合えないから、(時間的・距離的に)余裕をもつように努める。
自分の事情も、相手の事情も、同じくらい尊重しようと努める。
お互い違う人間同士だから、うまくいくように敵意がないことを示す。

これから、ますます価値観は多様になっていくのだから、「自分 VS 相手」とか「正しい VS 間違い」の二択ではない柔軟な思考を身につけないと、ちょっと苦しいんじゃないかな、と思います。

自分の価値観と合わない人を無意識に「おかしい」「信じられない」「非常識」「直してあげなきゃ」等と思わないように気を付けたいものです。

今いるカナダでも、強い人・大きい人の方が道を譲る、(男性でも女性でも)後に人が続いているならドアを押さえて開けておいてあげる、などは日常的に行われています。

(そういえば、子どもが以前に通っていたイギリス式のインターナショナルスクールでは、後に続く人のためにドアを開けておくと、善い行いをしたとして「ポイント」がもらえたりしていました)

日本でももちろん、そのように行われている場所も少なからずあるのだとは思いますが、それは余裕のある恵まれた場所限定かな、という印象です。
周りが見えない人、二元的な考え方にとらわれている人が、私が経験している他の国よりも多いな、と感じるのです。

それってちょっと世界から見ると遅れている思考かも、と感じてしまった出来事でした。


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