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算数はMathなの?Mathsなの?? インターナショナルスクールの算数事情【インター校よもやま話Vol.1】

我が家の子供たちはインターナショナルスクールに通っているのですが、算数のことをMathと言ったり、Mathsと言ったり、どちらも出てきます。

Mathsはsが付いているだけに、まとめて言うときとか、大きなくくりで言うとき?なんて思っていましたが、オンライン英会話CamblyのC先生が雑談ついでに言っていたところによると、(C先生については、前回記事参照)

「アメリカ英語ではMath、イギリス英語ではMaths」

なんですって。どちらも「同じモノ」を指すようです。

アメリカはMath、イギリス&その他はMaths

一応調べてみると、

こちらによると、アメリカ・カナダでだけMathといい、
イギリスをはじめ、他の英語圏の国ではMathsというそうです。
上記サイトにも、ロジカルな違いはない、と書かれていますね。

使い分けているわけではないのですね。
あースッキリした。

ちなみに、「インターナショナルスクールの算数は簡単」ってよく言いますよね。
あれって本当なのでしょうか。

インター校の算数は日本人なら楽勝、ってほんと?

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日本人が通うインターナショナルスクールと言えば、主に「アメリカ式」か「イギリス式」になると思いますが、この2つでいうと、

「アメリカ式」は、日本に比べると「簡単」。
例:友人の子どもは「算数は全く得意じゃなかったけど、アメリカの一斉テストみたいなのを受けたら、学校でかなりの上位、全国平均でも上位10%に入っちゃった」だそうです。

「イギリス式」は、日本に比べると「同じくらいか、ちょっと難しい」。
例:日本と習う順序が違うので、日本の学校からイギリス式のインターに転校すると、日本で中1でやるような内容を小5でやったりするので、難しく感じる。

という感じです。

算数トレンドは、シンガポール式

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しかし、インターナショナルスクールの算数でいまトレンドなのは、「シンガポール式」算数。
イギリス系の学校でも、全体的なカリキュラムはイギリス式(ケンブリッジ式)だけど、算数だけはシンガポール式、というところも多いです。
我が家の子供たちが通っている学校も、数年前から算数は「シンガポール式算数」になりました。

「シンガポール式算数」と「日本の算数」を比べたときに、ここが大きく違う、と感じるのは、「シンガポール式算数」が「マルティプル・アプローチ」を大切にしている点。
答えにたどり着くための方法を、たくさんたくさん、出すのです。

そのため、計算をするときに、指をつかってもOK。それも一つの方法だから。図形の長さを測るのに、ブロックも使えたし、定規も使えたし、計算することもできた、Excellent! …って感じです。

3つのキャンディが入った袋が5つあったら、3×5でも、5×3でもOK。どちらも答えが出るから。両方思いついてスゴい!…という感じ。

日本では、指は使っちゃダメ! 繰り上がる足し算ではサクランボ方式で!「かける数」と「かけられる数」は明確に区別! まだ習ってないやり方でやっちゃダメ…という感じなので、だいぶポイントが違い、ちょっと戸惑いますね。

しかし、しばらくの間、オンライン授業で「イギリス系の学校でのシンガポール式算数」をやっている姿を見てみましたが、深さを目指しているのはわかるけど、絶対的な演習量が足りないというか、習ったことが定着するまでやらせていない印象です。

ローカルのママ友(チャイニーズマレーシアンで、自身はシンガポールで教育を受けた)も、「学校のシンガポール・マスはまだまだ甘い。本当のシンガポール・マスは、もっともっと深く考えさせるもの」と言っています。「でも、アメリカ式よりはいいかな。アメリカ式は、計算機使っちゃうから」と笑って終わるのが話のオチ。

アメリカの「SAT」、イギリスの「IGCSE」の算数は?

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アメリカでは高校生の最終の試験のSATでは、計算機の持ち込みOKだし、出題範囲も日本の高校生で習う微分積分は出ず、三角形の図形とか角度とか三角関数あたりとなっています。
アメリカ式はアメリカ式で難しい部分もあるのだとは思いますが、概ね「日本より簡単」といって差し支えなさそうです。

イギリス式の中等教育カリキュラムにおいても、アメリカ式での高校卒業試験であるSATのような「中等教育修了を認定する試験」があり(GCSE、もしくはIGCSE)、それの算数は、チラッとみた限りでは「日本の高校生くらいの問題を英語でやっている」感じの印象でした。ひねったひっかけ問題よりも、素直で基本的な問題が多いような印象です。

(このへんの試験の話は、細かくいうといろいろあるので、まぁざっくりとした「そんな感じ」という話としてご理解ください)

マレーシアでは、中華系の学校、インド系の学校などもあり、それらも算数は強いんじゃないかな、と思います。実際、うちの子供たちの通う学校でも、中国からの留学生の子は算数が得意な子が多い印象です。というか、算数に限らずなんでも猛烈です。チャイニーズってすごい。
なにせ、中華系の学校では、ムチでたたかれますからね!(ほんとです※)
チャイニーズ系ママ友の家にも、ムチがありましたよ!(ほんとです※※)

※ムチが出てくるのは本当ですが、むやみに先生の気分でたたかれるのではなく、明確な基準があるそうで、実際にたたかれるのは稀だそうです

※※発破をかけるために見せるのがメインの用途で、実際にたたくのは稀だそうです

算数は、英語よりも「強みになる」

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というわけで、日本人が欧米系カリキュラムのインターナショナルスクールに通うなら、算数だけは日本式で勉強し続ける方がいいと思います。
すでにインターに通っていて英語が優勢で、日本語ではなく英語で算数を勉強させたい(複雑な算数用語を、英語と日本語の両方で覚えるのが困難)なら、英語でできるシンガポール式算数の塾に通うとよいんでは、と思います。やっぱり欧米系の学校だと、授業だけでは頼りないんじゃないかなぁ。

そんなわけで、我が家では、上の子は日本式の勉強をスタディサプリ(動画教材)と日本のドリルで、
下の子は、日本の勉強はスマイルゼミ(通信講座)で、算数はシンガポール・マスの塾とアプリで補完しています。

我が家が使っている、シンガポール式算数使っているアプリはコレ。英語さえちょっとわかれば、すっごくいいです。
使用料も月額数百円と、内容に対してとっても安い。


その他、2人ともにさせているのは、YouTubeの「とある男が授業をしてみた」です。

この教育系YouTuberの葉一さん、声も話し方もすごくよくて、本当に教え方が上手です。普通の小学校の先生がオンラインで教えるくらいなら、このYouTubeチャンネルを授業で使う方がいいのでは?と思うくらいです。

あとは、おっぱっぴー小学校もいいですね。


「アジア人は算数が強い」と、欧米の学校で言われます。
英語は、生まれたときから英語で育っているネイティブにかないっこないので、アドバンテージをとりやすいものといえば算数。
インターナショナルスクールの「ゆるい算数」に染まらずに、「東アジアの厳しい算数」「反復しまくって定着させる算数」を続けておく方が、将来「SAT」か「IGCSE」を受けるとなった場合でも武器にできるんではないかなぁ、と思っています。

うちの子供たち、まだ小学生なので、先は長いですけどね。


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