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ブリュノ・クレメール主演 メグレ警視1「メグレと消えた死体」(1991)

原作:『メグレと消えた死体 Maigret et la grande perche』(1951)
脚本:クロード・ゴレッタ
監督:クロード・ゴレッタ
本編:95分


あらすじ

昔、メグレが逮捕したことのある女・エルネスティヌが、17年ぶりに会いに来た。
泥棒である夫・アルフレッドが、一昨日ヌイイで盗みに入った際に、血だらけの女性の遺体を発見したとの訴えだった。その後、アルフレッドは逃げ出して、今は隠れているらしい。

メグレは、アルフレッドと知り合いであるボワシエ刑事に話を聞き、二人でヌイイへ向かう。

アルフレッドが盗みに入ったと思わしき家は、セール家という歯科医の家だた。
中年の息子と、その息子を溺愛している母親が二人で住んでいる。
セールには女房がいるらしいが、母親によると、彼女は一昨日出て行ったらしい。
家の中からは死体が見つからず、盗みに入られた事も否定される。

警察に敵意むき出しの息子と、警察署まで訪ねてくる協力的な母親。
メグレは、この家族には何か秘密が隠されていると考え、捜査を始めるのだった。


視聴記録

ストーリーは原作に沿っており、原作が好きなので、ドラマの物語も面白く感じました。

しかし、話の殆どを占める尋問の場面が、演出の問題なのかあまりにも地味すぎて、物語の真ん中辺りで集中が続かない場面がありました。

話の後半に行くにつれて物語自体に緊迫感が出てくるので、徐々に入り込んでいけて良かったです。

観終わった後の満足感はシリーズの中でも比較的高い方でした。

原作通り、警察署の自分の部屋へ夫人を招き入れる警視が可愛くみえます。原作の印象的なラストシーンがないのは残念でした。

また、第1話だからなのか初期の準レギュラーが揃っています。
しかし、原作では途中までしか出ないボワシエが、ドラマでは最期までメイン相棒となっていました。


キャスト

ジュール・メグレ/ブリュノ・クレメール Bruno Cremer

セール夫人/ルネ・フォール Renée Faure
セール/ミシェル・ロンダール Michael Lonsdale
エルネスティヌ/Elisabeth Macocco

ボワシエ/Philippe Fretun
ジャンヴィエ/Jean-Claude Frissung
トランス/Serge Beauvois
メグレ夫人/Anne Bellec
モリス/Pierre Baillot


同一原作の映像化

ルパート・デイヴィス主演シリーズ(英)
 シリーズ1 第3話「The Burglar's Wife」(1960) ※日本未紹介

ジャン・リシャール主演シリーズ(仏)
 第25話「Maigret et la grande perche」(1974)※日本未紹介

愛川欽也主演 東京メグレ警視シリーズ(日)
 第18話「警視と消えた死体」(1978)

マイケル・ガンボン主演シリーズ(英)
 シリーズ1 第2話「メグレと泥棒の女房」(1992)


原作感想(読書メーターより)

長編38。メグレが昔逮捕した事のある女・エルネスティーヌが十七年振りに会いに来た。泥棒を生業としている夫が忍び込んだ家で死体を見つけたとの話だった。
現場となった家へ向かってみるが、死体は見つからず、盗みに入られた事も否定する。しかし、メグレはその家の住人であるセール母子が何かを隠していると感じ、捜査を始める。

物語の殆どを盗みも殺人も否認する母子との対決に使用しており、最後にはメグレが怒りを見せる。登場人物もかなり限定されており、ほぼ容疑者との対話で進む話だが、最後の文章に至るまで好みの内容で面白かった。
捜査の途中で機嫌が良くなったり、自分のオフィスまで夫人を連れて行ったりするメグレも良き。


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