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大川橋蔵・主演 銭形平次 第143話「いれずみ者」(1969)紹介と感想

原作:野村胡堂『銭形平次捕物控』シリーズ
脚本:浅井昭三郎
監督:佐々木康


あらすじ

由松という男が島帰りという理由で木場政の男達にリンチを受けていた。
刃物でやり返そうとした由松だったが、平次から諭される。
ある日、多くの人間を不幸にしてきた強欲な高利貸し・勘兵衛が殺され、多くの不幸から由松が疑われる。
しかし、平次は由松が犯人だと決めつけることはせず、冷静に事件を調べて行く。
厳しい平次の視線の先には、一体何が見えるのか……。


紹介と感想

仕出し屋の仙造があまりにも怪しすぎて良い味出している物語は、島帰りの男の苦悩と、男を信じたい平次の心情が描かれていました。

休みに真面目にお静の手伝いをする平次。泥棒みたいなマスクのつけ方がキュートです。
しかし、事件が起こると一気にかっこいいキメ顔をたくさん見せてくれました。

物語の最後、羽織袴に紋付も持っていないと話す平次とお静のエピソードが、殺伐としたエピソード後の人情話としてしんみりとさせてくれます。


今回、最初に容疑者になるのはまさかの為吉。
勘兵衛に給金を払って貰えず悪態をついている所を万七と清吉に見咎められ、勘兵衛が殺された際には万七に捕まってしまいました。
為吉相手なら強気に出ることが出来る万七と清吉に、久しぶりに初期の嫌なライバル感が出ていました。


因業高利貸しを殺したのは、負けず劣らずあくどい人間達でした。
しかし、平次の鋭い眼は、悪党共の話す嘘に惑わされることはないのです。

島帰りの兄を思う妹の心も合わせて描く、平次の厳しくも優しい視線が印象的な一篇でした。

※2024年8月16日11時頃まで東映時代劇YouTubeチャンネルでも観れます※

アマプラの東映オンデマンドでも観れます。


キャスト

ゲスト
   
由松/三上真一郎
   
お照/東山明美
山根作次郎/尾上鯉之助
   仙造/鮎川浩

大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
 銭形平次/大川橋蔵
  八五郎/林家珍平
   お静/八千草薫

   万七/遠藤辰雄
   清吉/池 信一

   お弓/鈴村由美
   為吉/神戸瓢介

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