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ブリュノ・クレメール主演 メグレ警視16「メグレと老婦人」(1994)


基本情報

 原作:『メグレと老婦人 Maigret et La Vieille Dame』(1950)
 脚本:カトリーヌ・ランベール、ダヴィド・デルリュー
 監督:ダヴィド・デルリュー
 本編:102分
視聴日:2023年11月15日(水)

ジュール・メグレ/ブリュノ・クレメール
ヴァランティーヌ/オデット・ロール
   アルレット/ベアトリス・アジュナン
    カスタン/オリビエ・クリュベイエ

感想

ドラマシリーズ中でも長尺にあたる102分もあるため、観る前は長すぎないか若干不安でしたが杞憂に終わりました。

ストーリーは原作に忠実であり、基本はメグレが順番に話を聞いていくだけですが、普段と違う舞台をメグレ自身が動き回っている事もあるのか、間延びすることなく集中を切らさずに観ることが出来ました。

ブリュノ・クレメール版は独特のゆったりした空気感が、上手く雰囲気を出している時と、間延び感が強い時がありますが、今回は良い方向でした。

地方が舞台の作品は、映像で観ることで原作のイメージの保管もできるので嬉しい。

以下、観ながらメモした原作との違いなどの覚書(ネタばれあり)。

原作通りレギュラーメンバーは出ないが、夫人に電話する場面あり。
カスタンが独身に変更となり、アルレットに興味がある様子をみせる。
原作と違いエトルタへ着いてすぐにシャルルの家で面談する。そのため、実際に妻や子ども達も登場。また、シャルルや妻から家族の情報を聞く形になっている。
時間の余裕があるためか、スーレ嬢も実際に登場し、原作にはいない庭師にも話を聞きに行く(アルレットの夫は登場無し)。
最後の場面には原作と違いシャルルの出番はなく、アルレットが駆けつける。
メグレは原作で観られるように謎解き前に怒りを顕にするが、酒瓶は割らない。

映像化作品

ルパート・デイヴィス主演シリーズ(英)
 シリーズ1 第5話「The Old Lady」(1960) ※日本未紹介

ジャン・リシャール主演シリーズ(仏)
 第44話「Maigret et la dame d'Étretat」(1979) ※日本未紹介

原作感想(読書メーターより)

メグレ長編35。ヴァランティーヌという老婦人がメグレをエトルタへと連れてきた。彼女の誕生日には家族が集まることになっており、それぞれに彼女を嫌っているテオ、シャルルの義理の息子二人と、娘のアルレットがやってきた。その日の夜に、ヴァランティーヌが残した睡眠薬を飲んで女中が死んだ。地元警察カスタンの協力のもと、メグレは関係者と対話を重ねていく。
事件関係者は少ないが、それぞれが弱さ故に歪んだ行動を止められない人物たち。エトルタの風景や郷愁を誘われているメグレの描写も良く、パリの事件とは違う雰囲気を存分に味わえる佳作。


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