「プロDD・M」というオタクが書いた物語の主人公になった。

先日、知り合いのオタクが書いていた小説(ラノベ的なやつ)が完結した。完全なる趣味でこのご時世にmixiにて書いて無料公開されているものではあるが2021年1月から約1年で300話を超す超大作である。その物語で主人公、厳密には主人公のモデルになったのが僕だった。

作者は当初別の物語を書こうと構想していたらしいがTwitterでアンケートをとったところ、ネタ枠で僕の名前を入れたら1位になってしまったらしく仕方なく(←)主人公として当初の構想とは別の物語に改変したとかしてないとか。

内容はザックリと言うと異世界バトルファンタジーである。登場人物のほとんどが実在のオタクがモデルになっていること以外は普通のラノベのノリだ。実在のオタクのほとんどはアイドルグループじゅじゅのオタクでありじゅじゅに通っているオタクをよく知っている人であればクスッとしてしまうネタや展開も散りばめられておりオタク内でかなりの読者がいたらしい。なんなら一部のアイドルも見てたとか見てないとか。

作者がオタクをネタにしまくるため、オタクデスノートとかオタク超人予言書とも一部では言われており2021年のじゅじゅオタについて知りたければこの書(ネット小説)を読むといい。

異世界ファンタジーとは言ったが、世界観としてはじゅじゅ4人のメンバーをモデルとした女神の加護を受けた4つエリアの勢力からなる呪いの島というところで進行し、各オタク(をモデルとした登場人物)は4人の誰のオタクであるかによって登場する勢力が変化するという具合である。

連載開始当初は、オタクは実在のオタクほぼそのままの名前で登場するがアイドルは色んなものに気を使って出さないという指針だったようでかなり表現をぼかして書かれていていた。

バトルファンタジーということで、オタクの戦いの中での能力の一部は推してるアイドル(主にじゅじゅ以外)をモチーフとしたものが登場する。連載開始当初はそのおかげで「なんとかの女神(←アイドル)の加護を受けた能力」という伝わりづらい能力バトルだった。漫画ならまだしも小説では表現しきれないというか、ネタ元を知ってる人にしか伝わらないものだった。

ちなみにパロディ満載、どこかで見た漫画やアニメの展開満載でありそのネタ元が分かるかどうかでも読み応えは変わってくる。作者と僕は同世代ということもありネタ元もかなり見覚えがあったことで面白かった。一部のオタクは漫画やアニメの登場人物をモチーフとしたキャラに仕立て上げられており、作中での強さやキャラの立ち位置を分かりやすくしていた。

おかげでイマイチキャラが薄い一般人の僕(をモデルとした主人公)はかなり空気の様な存在だった。必殺技も地味で活躍してる片鱗はたまに見せるが基本的にはストーリーテラーどころか「知っているのか雷電!」(←こういうネタが沢山ある)にすらなれていなかった。

そんなある時から物語に変化が起きた。作中で強キャラの立ち位置にいるオタク達が他のアイドルに関連した分かりやすい技を使い始めたのである。過去にこの僕のnoteでも書いたけどじゅじゅのオタクは他現場楽しみまくりなのでじゅじゅのオタクの話なのに他現場のアイドルに関連した何かがめちゃくちゃ出るようになった。

中でも強キャラ達(のモデルとなったオタク)が通ってた現場に関連した技はよく出るので、群青の世界とNILKLYの曲名(をモチーフとした技)は何回出たことか。かなりのオタクが群青の世界の曲名を覚えたんではなかろうか。他にもマニマニ、Ringwanderung、payrin's、シンダーエラとかじゅじゅオタがよく通う現場に関連した技は色んなオタクが使っていた。そして主人公も遂にそれっぽい技を使い始めた。NightOwlとババババンビである。

これによって何が変わったか?読者の反応である。Twitterに最新話の投稿がされたとき、読んだオタクが反応が大きくなっていた。Twitterでのリアクションは無くても現場で会ったオタク達がこのプロDDの物語のことを会話してたりする。

30年近くジャンプを読んでる僕としては、この変化はスラムダンクから黒子のバスケくらいの変化だと思う。技術的な細かいことは分からなくてもなんだか凄そうな技名と原理はよく分からないがなんかそうなるという技の説得力ある?説明が一般読者に刺さったのだと思う。

銀魂でどれだけカッコイイ戦闘シーンを展開しても派手な技名の名乗りが無いからゲーム化しにくいからなんか付けろと言っていたバンナムさんの気持ちがよく分かる。卍解って叫んだり写輪眼みたいな個別の必殺技あった方がわかりやすいもん。

そんな訳で敵キャラ達が必殺技を放ちまくって散々インフレしたところで主人公はDDという性質を活かして数々のアイドル関連のワードを必殺技としてこれまでの空気感を払拭する様に後半で活躍を見せることになるのだ。


そんな物語が300話を超す超大作として完結した。主人公として不人気のまま打切になってしまっては寂しいので作者にも担当編集のごとくご意見したこともあるのですが最終的に人気作(じゅじゅのオタクには少なくとも話題になった)として完結してくれて安堵している。作者にはお疲れ様と酒の1杯でもおごろう。

もしこのnoteを読んで気になった人はTwitterで【# プロDD・M】と検索して読んでみて欲しい。娯楽なので多分何も得られない。強いて言うなら、群青の世界のとババババンビやNightOwlの曲名にちょっと詳しくなるくらいである。

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