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【カヌーポロ】得点力の話

昨年、世界選手権ネタの連載しようと思っていたのですがお蔵入りしてしまい、①だけしか書けなかった苦い過去があります。。。
今回は、そんな中で供養しようにもしきれなかった話を書こうと思います。

理想的な得点力とは?

非常に曖昧な見出しですが、理想的な得点力を探ろうという話です。
みんなが均一に高い水準で得点力がある、というのが理想ですがなかなかそうはいきませんよね。エースが1人いて、第2エースがいる場合が多いです。中には3番手までというケースもありますが、
昨年の世界選手権の男子カテゴリの総得点と選手ごとの得点数の内訳を出してみました。(別にヒマだったわけじゃありません・・・)

一番左端の縦列はランキング。横列の最上段は、背番号を表しておりその下は各国のその背番号の選手の得点を記しています。ALLは総得点数、Aveは平均値、1st,2nd,3rdは国ごとの得点の多い選手の総得点に占める割合を示しています。
例えば13位日本で見てみましょう。5番の木村選手の得点数が27得点で1番。日本の総得点のうち51.9%が彼の得点です。2番手で19.2%ですから大きく開いており、かなりエース依存度が高いことがわかります。
各国のデータを集計してみると大体の国はエースとサブエースが存在し、その2人の合計で50%程度の割合を占めていることがわかります。
こうしたデータを大会中に随時解析することで、対策を立てることに可能となります。2人の得点源の柱がいるのならば、どういう形を作ろうとしているのか、どこを封じると攻めにくくなるのか、そんなことが見えてきます。

世界最強の国

では見てください。1位のドイツを。総得点66点とトップなのですが、問題はその内訳。上位4人が14,13,12,11と誤差の範囲内と言えるような僅差です。5,6番手も7得点と決して低いわけではなく、総じて高い得点力があるということがわかります。残る2選手は極端に得点が低いですが、①完全な控えか②ゴールキーパーか③ディフェンス専門職のいずれかだと思います。全員が得点できるということはディフェンス側からしてみれば非常に守りにくいのです。
同じように均一に得点している国はニュージーランド、ウクライナがありますが、総得点や試合内容をみれば全然質が異なることがわかります。

1人エース型の国

前述のとおり、日本はドイツとは真逆の1人の得点に依存度が高いチームです。こうしたチームが他にないのかと言えばあります。1つ上の順位の台湾、20位の香港と同じアジア勢では似たような傾向があります。
ただし、台湾にしろ香港にしろ昨年の世界選手権での勝利数はともに1回のみという成績です。だとすると、このスタイルは間違いなのかと言えばそうとも言えません。5位のデンマークについては総得点は33点と決して高くありませんが、1番得点している選手は18得点で54.5%、日本よりも高い割合を占めています。また、この18点という成績は大会得点ランキング1位の木村選手に続く2位です。総得点数は日本より劣るもののデンマークは過去最高の5位という成績を収めました。
全部真似すれば良いというわけではありませんが、もしかするとここにヒントがあるかもしれません。

まとめ


今回は理想の得点と、得点の内訳から見るチームの分析について考えてみました。
理想と現実というものがあり、マイナースポーツでは人材が豊富ではありません。全体を底上げするというのは長期的な強化・育成という観点では重要だと思いますが短期的な目標達成、例えば半年後の大会で優勝するにはどうすべきかと言うと、理想を追いかけるだけでなく限られたリソースでどうしたら最大の効果を得られるかということを考えなければいけないと思います。

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