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【カヌーポロ】身長の話

多くのスポーツは男女の性別によるカテゴリを分けています。その理由は単純に生物としての身体機能に差があるので、男女混合では上位が男性ばかりになってしまうということと、歴史的にみると男性だけがスポーツをしていて、あとから女性の進出があったからということもあるようです。
カヌーポロもご多分に漏れず男女カテゴリが分かれています。体格差や性差というのは肉体を駆使するスポーツにおいては重要な要素です。

身長差

人種や男女の性差による身体的特徴の一つに身長差が挙げられます。平均身長のデータを基に検証してみましょう。
日本人平均身長 男子171
        女子158 -13㎝

世界全体      男子172.9㎝
          女性160.4㎝ -12.5㎝

意外なことに世界の平均身長と日本人の平均身長は男女ともあまり差がないことに驚きました。
しかし、カヌーポロの強豪国が集中する欧州と比較すると、南欧(フランス、イタリア、スペインなど)地域は男女とも+5㎝程度平均値が上昇します。さらに北欧、中欧、東欧(ドイツ、オランダ、デンマークなど)に至っては8~10㎝程度平均身長が上昇します。

カヌーポロにおける身長

カヌーポロにおいて身長は非常に重要な要素です。また身長が高ければ必然的に体重も増えます。コンタクトスポーツであるカヌーポロ においては体重はパフォーマンスに大きく影響します。欧州がカヌーポロの強い国が多い理由の一つと言えるでしょう。
高さのみにフォーカスして考えてみましょう。タテ1m×ヨコ1.5mのゴールの底面が水面から2mの位置に設置されているため、ゴールの最高位は3mの高さに達します。ジャンプができないカヌーに乗りながら、この高さを守備するには身長(座高)や腕の長さが重要で、足りなければ長いパドルを使うしかありません。

女子の身長

性差の話でいうと、女子平均身長が最も高いデンマークで168㎝。1番であっても日本の男子平均よりも低いのです。
バレーボールは、男女でネットの高さを変えることで身長差に対応してるのですが、カヌーポロ現状そうした話は出てきていません。高さによる有利不利が如実に出る競技であるにもかかわらず。
つまり男子以上に女子はゴールの上部を守るのが難しいのです。

単純に考えれば、女子カヌーポロ競技において、ゴール上部は最も隙のある場所です。
そう考えると女子の場合は、一生懸命スペースを作ってパスを通してようやくゴール下でキーパーと1対1で勝負するよりも、遠くからでも上部を狙う方が得点できる確率が高そうだと思いませんか?

山なりな軌道であっても近場のシュートよりパドルにはかからない可能性が・・・

女子の試合を観ているとミドルレンジのシュートが決まるケースは意外にも多く、決して速くないシュートでも決まっています。
もしミドルレンジ主体のオフェンスとなると、戦術の組み立て方も変わってきます。いかに妨害なくシュートを撃てるか。つまりシュートコースにキーパー以外のカットがないor少ない状況で撃てれば得点力は上がる。無理にインサイドにパスを通すよりも簡単だと思いませんか?
これが上手くいっているケースを見てみましょう。

たまたま良いコースに飛んだだけ、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、注目すべきはシュートを撃っている状況です。これまた、偶然かもしれませんが、見事にマークやカットするディフェンスの選手がいない状態ができています。これを意識的に作り、徹底的に上部を狙うというのはそれはそれで非常に有効な戦術だと思います。
特に格上に対しては 力で勝負しない、懐に飛び込まないため、カウンターのリスクが少ないといったメリットがあるでしょう。
如何にまともに組み合わず成果を上げるか自分たちの武器を、どうやって相手の弱い部分にぶつけられるかを考えると面白いかもしれません。

まとめ

今回は体格について、とりわけ、身長にフォーカスしてみました。わたし自身、練習や試合でゴールキーパーに入った際に上に届かず悔しい思いをする場面を何度も経験しました。体格の小さい女子は男子以上に苦労することでしょう。
体重は増やせたとしても身長はなかなか伸ばせるものではありません。自分や相手の体格を今一度見つめることで上達の近道にしたいですね。


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