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【カヌーポロ】基礎練習 その2

前回は2対1のオフェンスの話を書きました。オフシーズンにオススメの練習だという話をしましたが、2対1のオフェンスはとても大事な練習なので冬場に限らず日頃からやるべき練習です。
さて、今回は応用編。人数を増やして3対2の練習について解説します。

3対2の練習をやる意味とは?

2対1では、パスの出し方・出すタイミング・もらうタイミングなどディフェンスを引き付けて空いたスペースの使い方を練習しました。
極論を言えば自分がシュートを撃つか、もう一人にパスを出して撃つか2択です。とてもシンプルな練習です。
では、3対2の場合はどうでしょうか。
基本的には同じく、スペースの使い方の練習ですが、3人になることでプレイの選択肢が増え、少し戦術的な要素が加わります。

3対2

ディフェンス側の視点で言えば、2対1の場合は、ディフェンス1人で2人の攻撃を防がなければいけませんでしたが、3対2になったことでディフェンス2人で3人の攻撃を防ぎます。単純計算でディフェンス1人当たり1.5人を見ればいいのです。ディフェンスは2人になったことで連携して守備をします。ポジショニングでスペースを狭くしたり、マークする選手を2人の間で引き継ぐことでスペースが空いている時間を少なくしたりするでしょう。とはいえ、オフェンスの人数が多い事実は変わりません。

実は2対1?

2対1×2

3対2のオフェンスを分解してみると2対1が2ヶ所できている事ことがわかります。真ん中の選手が掛け持ちしてはいますが、ディフェンス1人に対し2人で攻める形ができていますね。これをよく覚えておいてください。
これさえ理解できていれば4対3、5対4と人数が増えても考え方は同じです。
次の章では、この色分けを使いながら3対2のオフェンスを見ていきましょう。

オフェンスパターン① ラグビーパス

まずは最もシンプルなパターンです。

3対2①

左から右へ、1個ずつパスを出すだけの戦術です。ラグビーのパス回しに似ているので、通称ラグビーパスと呼ばれています。ボールを持っている選手にディフェンスが引きついたら隣の選手にパスをつなぎます。1人のディフェンスに対し、2人いるので常にシュートorパスの選択肢があります。最後まで上手にパスが繋がったら成功です。

オフェンスパターン② サイドチェンジ

今度は少し違うシチュエーションです。

3対2②

左側の2対1を阻止すべく2人のディフェンスが左側に寄ってしまいました。
2対2の状況となってしまい、これでは数的有利の状況を作れません。
しかし逆サイド(一番右側)に目を向けるとガラ空きです。
図の3枚目のように大きくサイドチェンジをすることで、今度は反対側に2対1の状況が出来上がります。この時、ディフェンスの頭上を越えるロブパスの精度がとても重要です。

オフェンスパターン③ 中央からのスタート

次は応用編。これは少し難しいです。

3対2③

スタート時にボールを保有する中央の選手を軸に、左右両サイドで2対1の状況が生まれています。ディフェンスの2人としては、どちらの選手が中央をマークすべきか悩ましいところ。とはいえ、ど真ん中の選手を放っておくわけにもいかずどちらかの選手が寄ってきます。
寄ってきたということは、スペースが生まれたということ。それを見極めて空いた選手にパスを出すというものです。
このオフェンスの難しいところは、スペースを瞬時に見極めなければならないということです。①②のオフェンスでは、明確に「この選手を引き付けよう」と意識して動くのに対し、この③のオフェンスの場合は、引き付ける本人もどちらの選手が寄ってくるか、その場にならないとわからないのです。また、相手が寄ってきたのがわかってからパスを出すため、タイミングや精度が求められるため上手く決めるには相当練習しないといけません。普通のオフェンスが上手にできるようになったらチャレンジして欲しいオフェンスです。

まとめ&次回予告

今回は3対2のオフェンスについて解説しました。前回の2対1のオフェンスに引き続きスペースの使い方と、人数が増えたことで戦術が加わり、いよいよカヌーポロらしい練習になってきました。
しかし、いざやってみたらこんな風に思うかもしれません。
「あれ!?解説の通りやっても全然上手くいかないぞ・・・嘘つきやん!」
次回は、3対2のオフェンスの続きと、もう一つのスペースの作り方「ジョッスル」について触れていきたいと思います。


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