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#6 今週の「名言とことば」

 本投稿では、『広辞苑 第七版』より語釈の引用をさせていただいています。しかし、ツイートの字数制限の問題から広辞苑の語釈を時に大幅に削らせて頂く事がありました。
 そこで今週より、せめて略された痕跡を残せたらと、語釈が複数ある場合の「🈩」「❶」「①」などは、その取り上げた語釈の階層上の物についてのみ、記す事にしました(よく分らない文ですみません。自分にもよく分りませんが、ほかにいい表現が思い浮かばないのです)。まぁどうでもいい事とは思いますが、「これはそれか」と頭の片隅に置いていただけたら。

#25「知る者は言わず、言う者は知らず」―老子

ろうし【老子】道家の祖。中国、春秋時代の人物とされる。史記によれば、姓は李、名は耳、字は聃(たん)または伯陽。楚の苦県(こけん)厲郷(れいきょう)曲仁里(河南省)の人。周の守蔵室(図書館)の書記官。乱世を逃れて関(函谷関または散関)に至った時、関守の尹喜(いんき)(関尹子)に乞われて「老子(書)」を著したという。

『広辞苑 第七版』

 知ったかぶりをする人は、いつの時代にもいます。
 しかし、その大半の人に「もっと詳しく教えて」と聞いてみても、帰ってくる答えは「自分で調べれば?」とかではありませんか?

 対して、いつも休憩時間に隅で黙々と本を読んでいる人に「へぇ、それってどういうものなの?」と聞いてみると、(時に面倒臭がられながらも)大抵は驚くほど詳しく、それについて教えてくれるものです。

 この違いは、それを「理解」しているか。
 知ったかぶる人は大抵、それについて対して理解もしないまま見聞きした表面的な知識を単に言いふらすだけでしょう。
 「言う物は知らず」。対して、「知る者は言わず」してその知識を黙々と蓄えていっているのです。

#26「おもしろき こともなき世を おもしろく 住みなすものは 心なりけり」―高杉晋作

たかすぎ-しんさく【高杉晋作】幕末の志士。長州藩士。名は春風、字は暢夫、号は東行。変名、谷梅之助。久坂玄瑞とともに松下村塾の双璧。江戸に遊学。藩校明倫館都講。藩命で上海を視察。この頃より攘夷論の急先鋒。帰藩後、奇兵隊を組織。四国艦隊下関砲撃事件では和議の交渉に当たる。のち保守派(俗論党)に藩政を握られたが、これを破って藩論を倒幕に統一。一八六六年(慶応二)第二次長州征討の幕府軍を潰敗させた。(一八三九~一八六七)

『広辞苑 第七版』

 これについてはちょっと、語釈を略し過ぎざるを得なかった部分がありますので、上記部分の全文を記しておきます。

こころ【心】(禽獣などの臓腑の姿を見て、「こ(凝)る」または「ここる」といったのが語源か。転じて、人間の内臓の通称となり、更に精神の意味に進んだ)❶人間の精神作用のもとになるもの。また、その作用。③気持。心持。

『広辞苑 第七版』

 人間の脳という物は、誰よりも自分の言葉を信じてしまうと言います。
 冷静に見れば面白いものも、「なんでぇこんなもの」という目で見ればいきなり詰まらないものになってしまう。
 しかしそれは、逆に言えば詰まらないものでも「何これ頗る面白い!」と言う目で見ればいくらでも面白いものになりうるという事です。

 その世界を面白いものにするのか、詰まらないものにするのかは、あなた次第です。

#27「語りえぬものについては沈黙しなければならない」―Ludwig Wittgenstein

ウィトゲンシュタイン【Ludwig Wittgenstein】オーストリア生れの哲学者.
ケンブリッジ大学教授。ラッセルの下で数学基礎論を研究し、写像理論を主張。後に言語ゲーム論などの言語分析の手法を探究。哲学の役目を言語批判による思考の明晰化に見るその思想は、二〇世紀以降の哲学全般に大きな影響を与えた。著「論理哲学論考」「哲学探究」。(一八八九~一九五一)

『広辞苑 第七版』

 これは、上の「知る者は言わず、言う者は知らず」にも共通する点があるように思いますね。
 自分の知らぬことについてまで、無理に話す必要はありません。
 よく理解をしていない人の話は、話に筋が通りづらい。聞いたことをそのまま伝えることはできても、そこからより深い解説を加えることはできません。
 そして、うろ覚えの事について話せば、時に相手に間違った情報さえ伝えてしまいかねない。

 知らないことについては、知っている人に任せましょう。
 それを話すために、自分が勉強して「語りえる人」になるのもいいかもしれません。

#28「何を手に入れたいかを決めること、これが人生で一番大事な決断なのです」―Dag Hammarskjöld

ハマーショルド【Dag Hammarskjöld】スウェーデンの学者・官僚。第二代国連事務総長。中東の動乱に際して活躍。内戦調停のためコンゴへ向かう途中で飛行機事故死。死後ノーベル平和賞。(一九〇五~一九六一)

『広辞苑 第七版』

 「中々昇進できない!」「志望校の合格判定が!」そんな人々には、それぞれ「昇進する」「合格する」という目標があります。
 目標に届かないのは時によってつらい事ですが、実はもっとつらい状況があります。
 「目標がない」ことですね。

 やりたいことが無い人は、毎日毎日の日々をただただだらだらしてのほほんとのんびりのんびり過ごしていくだけ…というのは言い過ぎかもしれませんが。

 人は、目標があるから成長できます。
 如何に成長するかは、如何に目標を立てるかにかかっているのです。

#29「涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の味は分からない」―Johann Wolfgang von Goethe

ゲーテ【Johann Wolfgang von Goethe】ドイツの詩人・作家・劇作家。青年期の抒情詩や戯曲「ゲッツ」、書簡体小説「若きウェルテルの悩み」で疾風怒濤期の代表者となる。ワイマール公国での政治家生活のかたわら、イタリアで美術を研究。以後古典主義に転じ、シラーと親交を結び、自然科学の諸分野でも研究の成果を上げた。戯曲「エグモント」「ファウスト」、小説「ヴィルヘルム=マイスター」「親和力」、叙事詩「ライネケ狐」「ヘルマンとドロテア」、自伝「詩と真実」、「イタリア紀行」、詩集「西東詩集」など。(一七四九~一八三二)

『広辞苑 第七版』

 正直言って、このことばは自分にとって消化不良なところがあると承知しています。
 なぜ消化不良が残ってしまうかと言えば、それは自分がまだまだ未熟物だからでしょう。つまり、自分はまだ「涙とともにパンを食べた」ことが無いのです。

 よって、これについて自分如きがとやかく言う事はできません。
 皆さんお一人お一人が自分なりの解釈を膨らませて、結果的に皆さんの中で大切なことばとして心に残してくださればと思います。


 今週分は以上です。
 ここまでお読みいただきまして、どうもありがとうございました。
 このうちどれか一つのことばについて来週一週間じっくりと考えてみると、何か新しい発見もあるかもしれませんよ。
 今週もどうも、ありがとうございました。

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