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【十三機兵防衛圏】このゲーム、面白い【ネタバレなし】

もりにくぱです。

みんな新作ポケモンに夢中のところ、なぜ私はこれにハマってしまったのだ。すごく…すごく面白いんだ…!!!!!語らせてくれ!!!!!!

【何がそんな面白かったの】

端的に言います。
●グラフィック
●操作性
●シナリオ・世界観
●没入感
●おまけ バトルモードのやりこみ

全部私の中で★4.5~5くらいの評価です。
とにかくすべてに言えるのは「作りこみが丁寧」
順番に語ります。

【グラフィック】

私的評価 ★★★★★5
まず最初に感じるのは圧倒的グラフィック。

町や学校の背景がものすっごい。
光の描写が丁寧で、背景の描きこみが細かすぎる。

 夕日がさす教室の明るいところと暗いところのコントラストが素晴らしい。

 キャラクターが柱などの影の位置に立つと、キャラもちゃんと影の中に入る。キャラも暗くなる。目の前の光に当たっているキャラは明るくて、影に入っているキャラは暗い。当たり前のようだけどその加減が絶妙。見ただけでエモーショナルな気持ちでいっぱいになります。


 巨大な機兵が町にドーーンと現れるシーンがあるんですが、びっくりして振り向くのは主人公たちだけでなく周りにいたモブはもちろん、背景に小さく映る人影も衝撃にびっくりして屈むんです。機兵の方向を見て驚いてるんです。ゲームを普通にプレイしていると気づかないくらいの小さな描きこみもめちゃくちゃ丁寧。一体何枚絵を描いているんだ!?って何度も驚かされます。

 そういった絵の作りこみとしては、本作2Dなんですが、2Dとは思えないほどキャラの動きがぬるぬるだし、動作がすっっっっっごく細かい。

 従来のゲームであれば、例えばキャラが驚く仕草をするときに、棒立ちのキャラをそのまま少しぴょんと跳ねさせて頭の上にびっくりマークをつければ「キャラが驚いてる」という動作が分かるようになっているのが多いです。しかし機兵では、口元に手を当てる、手がポケットから出る等、キャラの個性に合わせていちいち動作の絵を用意しています。その動作全部上げると一体全部で何枚絵を描いたの?ってくらいキャラの動きがとにかく多い。

 とにかく妥協が無いなと思いました。
 どこを見ても目が充実するというか…これが眼福ということでしょうか。CGで迫力満点の映像を見ているというよりも、すっごく細かくて丁寧に描かれたアナログ絵を見ているような気分。絵や映像で見ても楽しいゲームだと思います。

【シナリオ・世界観】

私的評価 ★★★★4.5くらい
今作は王道的なSFです。

 SFって難しそうな言葉や科学的な話があってついていけなくなるようなイメージですが、苦手な人でもギリなんとかついていけるかな…?ってレベルだと思いました。
 最終的にクリアしてみると、なんかこんな話見たことあるなって思えたくらいなので、悪く言えばありがちな結末なのかも。
良く言えばSFの良いところを沢山詰め込んで綺麗にまとめてくれたなと思います。

 13人の主人公というのも良かった。
それぞれの視点から謎を解き明かしていく進め方は、まるで立体パズルを組み立てていくような感覚で真相が明らかになっていくので面白い。
 今作はいつどのパートからやっても大丈夫なように設計されていて、Aパートをやった後にBパートをやると、Aの裏で何が起きていたのかが理解できてその都度「あ"~~~~~~~」と唸ってしまうということを沢山繰り返しました。

 ゲームやってて推しキャラって一人や二人出てくると思うんですけど、推し視点のパートが終わっても、他キャラパートの意外な場面で推しの真相が明らかになっちゃったりするんで、どこからやっても話が繋がるし、無駄なパートが無いので全パートが面白く感じます。
このシナリオやるのだるいなーって感じるのが私はひとつもなかったです。

 そんな感じで「この先どうなっちゃうんだろう」「ここのモヤモヤを早く解決したい」と思っているうちに徹夜でゲームし2~3日で全パートクリアしてしまいました。

 あと、最初に今作はSFだと言いましたが恋愛要素もかなり濃いめです。
プレイヤー対美少女とかではなくキャラ同士の恋愛ですが、その青春物語を見るのも面白い。複雑な関係性で終始ドキドキしちゃいました。

【操作性】

私的評価 ★★★★4.5
ロードがほぼほぼない。やることがシンプル。快適すぎる。

 近年オープンワールドが流行っているのでそういうのと比べると場面切り替えは多いとは思いますが、ロードは全く気にならないくらい早いです。

 その上よくできてるなーと思った点が2つ
 ①プレイヤーに求められる技量が少ない
 ②ひとつひとつのセリフが短い
 ②1度見た会話やキャラが移動する場面は早送りできる

 ①近年のゲームだと、特に対戦ゲームであれば複雑なコマンドや画面の見方など要求されることが多いですが、このゲームにおいてはシンプルすぎるくらいにやることが限られています。逆転裁判やダンガンロンパとかに近いと私は思ってます。キャラとの会話の中で情報や証拠を集めて物語を進めていくだけです。
 ただこのゲームの快適さでいえば、メニュー画面を開く行為すらほとんどしないです。「持ち物」を見るのにXボタンを押して持ち物画面に切り替えて~ってならずに、「持ち物」も「情報」も全部キャラを動かしたまま表示することができます。いちいち場面がストップしないのが快適にプレイする工夫として表れていると思いました。

 ②例えば「そうだな、今日は○○君いないようだし、あきらめて帰ろうか」というセリフがあるとする。普通ならこのくらいのセリフは一括りのセリフ枠で全部表示されると思うんですが、このゲームだと「そうだな」「今日は○○君いないようだし」「あきらめて帰ろうか」くらいの感覚で区切られます。
 その都度Aボタン押す方が大変じゃない?って思いそうですが、この短さが逆にちょうどいいテンポを生み出していると感じました。

 というのも、フルボイスだと全部セリフを聞く前に目で先に読めてしまうため、飛ばしたい気持ちと声で全部聞きたい気持ちがぶつかることよくあるんですが、このくらいの短さだと目で追うスピードと声のスピードが大体同じくらいなので気持ちいいテンポで進めることができます。 
 その上「そうだな」と「今日は~」の間でひとつキャラ動作が加わってたり、会話の中の動作が細かく組み込まれているのでキャラの表情がよく見えます。

 ③必要ないところは早送りで飛ばすことができるのが良かったです。
「このシナリオをスキップしますか?」「はい/いいえ」じゃなくて、本当にビデオの早送り。一度見たシーンや会話は好きなタイミングで好きな分だけボタン一つで早送りできます。キャラが退場してこの後場面切り替えするなーって時に便利。
ちょっとした待ち時間のイライラも全部解決してくれてる。どんだけ親切なんだこのゲームは。

【没入感】

私的評価 ★★★★★5
止め時を作りつつも止め時が見当たらない。

 世界観に浸る工夫がたくさん組み込まれています。
 そもそもストーリーとバトルパートを完全に分けたのもその工夫のひとつ。バトルパートも面白いんですけど、それをいちいちストーリーに組み込んでしまうとテンポ悪いです。ストーリーが複雑すぎる内容のため、いちいちバトルしてると色々忘れちゃいそうなのでこの分け方は良いと思いました。

 先ほどまでの話とも被るんですが、いちいち話の流れがストップしない快適さが段違いすぎます。
 「持ち物画面の切り替えが無い」「必要ない描写を早送りできる」「ロードがほぼない」「テンポのいいセリフ送り」「バトルパートとの区分け」「すきなパートから始められる」
 そこにグラフィックの素晴らしさが加わり、濃厚なストーリーを損なわないように工夫されているので世界観に浸りやすさが半端ないです。

 それを生み出しているのがやはり「丁寧さ」だと思います。作り手の丁寧さがいたるところで感じられるため良ゲーだったと思います。

おまけ【バトルモード】

私的評価 ★★★★4
人によっては評価下がるかも。私は好きです。

 バトルパートはタワーディフェンスゲームなので、好きな人は好きだけど、「なんだタワーディフェンスなのか」って思ってしまう人もいるかと思います。3Dで機兵を動かしたい人や、主人公たちのキャラを操作して闘いたかった人達には微妙かもしれません。せっかくの機兵や怪獣のデザインも小さいアイコンとして表示されるだけなので勿体ないなぁとも思いました。
 ただここが唯一のやりこみ要素でもあり、好きな人はどっぷりハマっちゃうモードだと思いました。

 ここからあくまでクリア後要素の話です!ストーリーを進める上で必要なバトルは初心者でも簡単に突破できる難易度になっているので安心してください。

 私も少々バトルモードをやり込んでみようと思いプレイ時間45時間くらいまでやったのですが、全く終わる気配がしません!
 調べてみたら、クリア後に挑戦できるステージ(wave)が9999階まである(しかももし難易度別に全部クリアしたいならカジュアル・ノーマル・ストロングの3つ×9999階…さすがにそこまでやらないと思うけど…)
 全部のキャラを完ストするのに必要な経験値数は503496000×5×13=32727240000(当社調べ)300憶…?これプラス各キャラのスキルを強化するための経験値もあるので途方も無いです。
 ステージは100まで、キャラのレベルは100までと思ってプレイした人はあまりの桁違いにひっくり返ったと思います。

 発売から3年経ったゲームなので既に完全クリアした人はいらっしゃるようでYouTubeに動画も上がっていました。興味のある方は検索してみてください。
 ここまで来ると途方もない作業ゲー感が否めないので、それが好きな人は好きだし、そこまでは…っていう人はやらないと思います。あくまでおまけのやり込み要素って感じですね。
 超巨大ミサイルでドデカい花火打ち上げるのが最高に気持ちいい…。

【どういう人にオススメか】

★こんな人にオススメ

・ノベルゲーム、ミステリーのような物語を読んで推測しながら楽しみたい人
 とにかく物語が複雑に絡まっていて、それを少しずつ色んな角度から紐解いていく感じがたまらなく面白いです。

・SFが好きな人
 冒頭でも言ったように王道SF感満載です。舞台は学校でありながら最終的には宇宙規模の話に繋がっていきます。

・ロボット・重機が好きな人
 機兵が好みのデザインかどうかは人によると思いますが。機兵や重機の描きこみとデザイン設計がすっごく細かいんです。特典のシークレットブックに設定資料が載っているのでメカ好きは見て損は無いかと思います。いつかスパロボに出られますように…。

・キャラ同士の関係性を見るのが好きな人
 思ったより恋愛要素強めでした。そんな関係にまで発展しちゃう!?ってくらい。少女漫画のヒロインのような恋をする子から、エロゲの主人公かな?みたいな恋愛に発展する子もいれば、BLや百合も楽しめるので好きなカップリングを愛でたい人にはオススメ。しかも関係がそこまでドロドロになることもないのでストレスもそんな感じませんでした。

★逆にオススメできない人

神ゲーって言うからやってみたら「思ってたのと違うな…」ってならないように。今作すっごくゲーム性がシンプルが故に複雑なアクション性やマルチタスクを求めている人には物足りないかもですね。

・派手な動き/謎解きのような要素が欲しい人
 ストーリーモードはサウンドノベルゲームに近いものがあります。ひたすらキャラ同士の会話を聞くだけになりますので、敵を倒しながら進めるとか、パズルのような謎解きで進めるとかそういう要素がありません。強いて言えば必要なワード集めや調べるポイントが謎解き要素かもしれませんが、考え無しでも全部調べていけば絶対たどり着けてしまうのでゲームとしての物足りなさを感じる人もいるかもしれません。

・対人戦やマルチプレイがやりたい人
 完全一人用ゲームなので誰かとコミュニケーションを取りながらやるゲームではありません。バトルモードもひたすらCPUのザコ敵処理をさせられる感が虚無だと感じる人にはオススメできません。

・先が気になりすぎてネタバレ読んでしまう人
 このゲーム、この先の展開が気になるっていうワクワク感と話が繋がった時の快感が素晴らしい作品なのでネタバレ無しでやった方が良いです。私は結構攻略サイトとか見ながらプレイしちゃうタイプだし、ゲームしながらpixivやTwitterとかで二次創作見て楽しんじゃうんですけど、今回グッと堪えました。クリアした後記憶消してやりたいくらいなので、ぜひまだプレイしていない人はまっさらな状態でプレイしてください。

【まとめ】

 私は発売前に先行体験プレイ動画を見てこのゲームを知りました。やりたいなぁと思ってたんですがPS4もsteamも無いので諦め数年。すっかり忘れた頃2022年11月にswitch版を購入。3日ほどでストーリークリア、1週間くらいでオール100%達成しました。
(バトルパートは45時間プレイでWAVE24…し…死ぬ…)

 大体のレビューも神ゲーって言ってるし私も神ゲーだと思っているのですが、神ゲーかどうかはそれぞれの感性次第だと思っているので断言はしません。むしろ神ゲーと聞いてハードル上げてやるより、なんとなーく買ってやってみたら宝の山だったくらいに、まっさらな気持ちでプレイして貰えたら嬉しいと個人的に思います。私も記憶を消してもう一度やりたい…。

 カービィやスマブラで有名な桜井政博氏が絶賛していたほどのゲームなので、人類一度はやるべきかと…(宣伝)

最後に、私は三浦くんが好きです。

これは初めて見るハンバァグに心躍りつつも皆が揃うまで我慢する三浦の図

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