科研製薬、NM26抗体の成功で収益拡大
科研製薬は2024年11月11日に、2025年3月期第2四半期(2024年4~9月)の決算説明会を開きました。売上高は513億7200万円で前年同期比42.0%増、営業利益は195億7900万円で同255.2%増、純利益は142億8600万円で同251.2%増となりました。これらの増収増益の主な要因は、米Johnson & Johnson(J&J)社に対する多重特異性抗体NM26の導出です。科研製薬はスイスのNumab Therapeutics社と共同開発していたNM26をJ&J社に譲渡し、契約一時金として129億円を受け取りました。
主力製品の動向としては、爪白癬治療薬「クレナフィン」の売上数量は増加しましたが、薬価改定の影響で売上高は前年同期と同等でした。関節機能改善薬「アルツ」は競合品の終売により市場が拡大し、売上が増加しました。一方、癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」の売上は前年同期と横ばいでした。
開発中のパイプラインについては、米CymaBay Therapeutics社から導入した原発性胆汁性胆管炎を対象にしたセラデルパーの国内第3相臨床試験を開始しました。また、難治性脈管奇形を対象に開発中のKP-001は、米国で第1相臨床試験を完了し、第3相臨床試験の実施に向けてFDAと相談を開始しました。
2025年3月期通期の連結業績予想としては、売上高885億円(前年同期比22.8%増)、営業利益208億円(同118.6%増)、純利益142億円(同76.9%増)を見込んでいます。
このように、科研製薬は多重特異性抗体NM26の導出により大幅な増収増益を達成しました。今後も新薬の開発や市場拡大に注力していく予定です。
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