ND4102

新薬の研究開発に関わる者として、患者様の利益の最大化のために今できることを考え続けています。患者様、ご家族、治療のために日々奮闘される医療従事者、製薬企業の研究開発者に向け有益な情報を発信していきます。製薬企業勤務, 博士, 臨床研究開発, データサイエンス

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新薬の研究開発に関わる者として、患者様の利益の最大化のために今できることを考え続けています。患者様、ご家族、治療のために日々奮闘される医療従事者、製薬企業の研究開発者に向け有益な情報を発信していきます。製薬企業勤務, 博士, 臨床研究開発, データサイエンス

マガジン

  • シリーズ:とっても簡単に医科学トピック紹介

    とっても簡単に医学系動画を紹介していきます。英語動画ですが、内容をあらかじめ読んでから動画を観ると、英語も聞き取りやすくなりますので、是非元動画もご参照ください。

  • シリーズ:よくある製薬企業でのビジネス英会話

    よくある製薬企業でのビジネス英会話を私が経験した実際のシーンを基に構成しました。

最近の記事

【よくある製薬企業でのビジネス英会話例2】

Smith: "Good morning, everyone. Thank you for taking the time to meet with us today. My name is Alex Smith, and I am here to discuss our collaborative project involving the testing." (皆さん、おはようございます。本日お時間をいただきありがとうございます。私の名前はアレックス・スミスで、検査を含む

    • 【よくある製薬企業でのビジネス英会話例1】

      Smith (Trial Coordinator): "Good morning, everyone. Thank you for joining our online meeting. Let's begin with an update on the preparations at our overseas trial sites." (皆さん、おはようございます。オンライン会議に参加していただきありがとうございます。まず、海外の試験施設での準備状況を確認しましょう。)

      • 【とっても簡単に医科学トピック紹介7】染色体の神秘:構造と機能の探求

        元動画はこちらです: 動画の概要※各専門用語の解説もこのセクションの後につけています。 染色体の外観 古典的な見方: 染色体は一般的にX字型の構造(中期染色体)として視覚化されます。 染色体の段階: 間期: 染色体は「ビーズとひも」のように見えます。 前期: 染色体がより密にパッキングされます。 中期: 染色体は特徴的なX字型を示します。 動的な性質: 染色体は細胞周期のさまざまな段階で異なる外観を示し、人間が時とともに外見が変わるのに似ています。 染色

        • 【とっても簡単に医科学トピック紹介5】WGCNAによる遺伝子共発現ネットワーク解析

          概要- WGCNAとはWGCNA(加重遺伝子共発現ネットワーク解析)は、遺伝子同士の関係を調べるための方法です。これを使うと、似たような動きをする遺伝子のグループ(モジュール)を見つけることができます。また、これらのグループと病気の状態などの外部の特徴との関係も調べられます。 例えば、同じモジュールに属する遺伝子は、同じような働きをしているかもしれません。これにより、新しいバイオマーカーや治療のターゲットを見つける手助けになります。WGCNAは主に遺伝子発現データに使われ

        • 【よくある製薬企業でのビジネス英会話例2】

        • 【よくある製薬企業でのビジネス英会話例1】

        • 【とっても簡単に医科学トピック紹介7】染色体の神秘:構造と機能の探求

        • 【とっても簡単に医科学トピック紹介5】WGCNAによる遺伝子共発現ネットワーク解析

        マガジン

        • シリーズ:とっても簡単に医科学トピック紹介
          8本
        • シリーズ:よくある製薬企業でのビジネス英会話
          2本

        記事

          【とっても簡単に医科学トピック紹介9】創薬に役立つトップファーマコゲノミクスデータベース

          はじめにファーマコゲノミクス(Pharmacogenomics)は、薬理学(Pharmacology)とゲノム学(Genomics)を組み合わせた学問分野です。この分野では、個々の遺伝子情報に基づいて薬物の効果や副作用を研究します。そしてファーマコゲノミクスデータベースとは、薬物応答における遺伝的変異の影響に関する情報を集約したデータベースです。これらのデータベースは、遺伝子発現、薬物応答、遺伝的変異に関する広範なデータセットを提供し、研究者が新しい薬物ターゲットを発見した

          【とっても簡単に医科学トピック紹介9】創薬に役立つトップファーマコゲノミクスデータベース

          FRONTEO、第一三共とDrug Discovery AI Factoryを活用した毒性情報の最適化および解析業務に関する契約を締結

          株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏)は、第一三共株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼COO:奥澤 宏幸)と、Drug Discovery AI Factory(DDAIF)を活用した毒性試験データベースおよび毒性試験報告書の解析業務に関する契約を締結しました。(2024年11月12日発表) この契約により、FRONTEOは第一三共の毒性試験データベース上で毒性解釈を簡便に確認できる仕組みを導入し、毒性試験報告書の解析を通じて新たな

          FRONTEO、第一三共とDrug Discovery AI Factoryを活用した毒性情報の最適化および解析業務に関する契約を締結

          科研製薬、NM26抗体の成功で収益拡大

          科研製薬は2024年11月11日に、2025年3月期第2四半期(2024年4~9月)の決算説明会を開きました。売上高は513億7200万円で前年同期比42.0%増、営業利益は195億7900万円で同255.2%増、純利益は142億8600万円で同251.2%増となりました。これらの増収増益の主な要因は、米Johnson & Johnson(J&J)社に対する多重特異性抗体NM26の導出です。科研製薬はスイスのNumab Therapeutics社と共同開発していたNM26をJ

          科研製薬、NM26抗体の成功で収益拡大

          【医学系ニュース】脊髄損傷回復の新たなバイオマーカー クリングルファーマと慶應大が共同研究契約を締結

          クリングルファーマと慶應義塾大学の共同研究 脊髄損傷とは? 脊髄損傷は、背骨の中を通る神経の束である脊髄が傷つくことです。これにより、体の一部が動かなくなったり、感覚がなくなったりすることがあります。脊髄損傷の治療は難しく、回復には時間がかかります。 研究の目的 この研究の目的は、脊髄損傷後にどのくらい回復するかを予測するための「バイオマーカー」を見つけることです。バイオマーカーとは、体の状態を示す目印のようなもので、血液や髄液(脊髄の周りの液体)に含まれる特定の物質

          【医学系ニュース】脊髄損傷回復の新たなバイオマーカー クリングルファーマと慶應大が共同研究契約を締結

          【とっても簡単に医科学トピック紹介4】RNA-Seq解析とは何か?

          元動画はこちらです: RNA-SeqとはRNA-Seq(RNAシークエンシング)は、遺伝子発現解析の分野で革命をもたらした技術です。この手法は、サンプル中の全ての遺伝子の発現レベルを網羅的に解析することができ、研究者にとって非常に貴重なデータを提供します。 まず、RNA-Seqは特定の条件下でどの遺伝子がどの程度発現しているかを詳細に把握することができます。これにより、細胞や組織の状態を正確に理解し、病気のメカニズムや治療法の開発に役立てることができます。また、RNA-S

          【とっても簡単に医科学トピック紹介4】RNA-Seq解析とは何か?

          【とっても簡単に医科学トピック紹介3】COPD(慢性閉塞性肺疾患)におけるタイプ2炎症の役割

          本記事の元動画はこちらです: 動画の概要COPDとはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、主に長期間の喫煙や有害物質の吸入によって引き起こされる肺の病気です。COPDは、気道や肺胞に炎症を引き起こし、気流の制限をもたらします。これにより、息切れ、咳、痰の増加などの症状が現れます。 COPDの主な特徴: 気流制限 : 気道が狭くなり、空気の流れが悪くなる。 肺胞の破壊 : 肺胞が破壊され、酸素と二酸化炭素の交換が効率的に行えなくなる。 進行性 : 症状は徐々に悪化し、完全

          【とっても簡単に医科学トピック紹介3】COPD(慢性閉塞性肺疾患)におけるタイプ2炎症の役割

          【とっても簡単に医科学トピック紹介2】見えない世界を解き明かす:メタゲノミクスの魅力

          元動画はこちらです: メタゲノミクスとはメタゲノミクスでは、環境サンプル(例えば土壌、水、腸内など)から直接DNAを抽出し、そのDNAを解析します。この方法により、微生物の全体像をそのままの状態で解析することができます。具体的には、次のステップが含まれます: サンプル採取: 環境からサンプルを採取します。これには土壌、水、人体の一部(例えば腸内や皮膚)などが含まれます。 DNA抽出: サンプルからDNAを抽出します。これには、微生物のDNAだけでなく、他の生物のDNAも

          【とっても簡単に医科学トピック紹介2】見えない世界を解き明かす:メタゲノミクスの魅力

          【とっても簡単に医科学トピック紹介1】慢性副鼻腔炎と鼻ポリープにおける鼻上皮の役割と治療

          元動画はこちらです: 動画の概要用語サイトカイン:細胞から分泌される低分子のタンパク質で、生理活性物質の総称です。これらは細胞間の情報伝達を担い、免疫応答や炎症反応の調整など、さまざまな生理機能に関与しています。 ナイーブT細胞:T細胞(Tリンパ球)は、免疫系で重要な役割を果たす白血球の一種です。T細胞は、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺で成熟し、特定の抗原を認識して免疫応答を開始します。ナイーブT細胞はそのうち、まだ特定の抗原に遭遇していない未成熟なT細胞です。これらの

          【とっても簡単に医科学トピック紹介1】慢性副鼻腔炎と鼻ポリープにおける鼻上皮の役割と治療

          【とっても簡単に医科学トピック紹介6】PD-1/PD-L1阻害剤と他の治療法を組み合わせたリンパ腫の臨床研究 ~論文概要と基礎知識~

          元論文はこちらです:Katsuya, H.; Suzumiya, J.; Kimura, S. Clinical PD-1/PD-L1 Blockades in Combination Therapies for Lymphomas. Cancers 2023, 15, 5399. https://doi.org/10.3390/cancers15225399 こちらの記事もご参照ください。 PD-1とは?PD-1は「プログラム細胞死タンパク質1」と呼ばれ、主にT細胞と呼

          【とっても簡単に医科学トピック紹介6】PD-1/PD-L1阻害剤と他の治療法を組み合わせたリンパ腫の臨床研究 ~論文概要と基礎知識~

          【持田製薬決算説明会】バイオマテリアル事業で新規部署設立 ライセンスとデバイス開発を加速

          持田製薬の2025年3月期第2四半期の決算説明会の詳細を以下にまとめました: 売上高と利益 売上高: 510億9600万円(前年同期比3.3%増) 営業利益: 37億9300万円(前年同期比4.0%減) 減益の理由: 薬価改定と円安による原薬・製剤の輸入価格の上昇 医薬品関連事業 売上高: 475億5500万円(前年同期比2.7%増) 好調な製品: リアルダ(メサラジン): 74億円(前年同期比4%増) トレプロスト(トレプロスチニル): 19億円(98%増

          【持田製薬決算説明会】バイオマテリアル事業で新規部署設立 ライセンスとデバイス開発を加速

          革新的AAVベクター:JCRファーマが中枢送達と肝毒性回避を両立 ~脳に効率的に遺伝子を送達する新技術を開発~

          JCRファーマは、J-Brain Cargo(JBC)技術を応用し、治療用遺伝子を脳に効率的に送達し、肝臓への毒性を回避できる新しいアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを開発しました。この技術は、中枢神経系(CNS)の疾患に対する遺伝子治療の開発や技術提供を目指しています。 JBC技術とは: JBC技術は、血液脳関門(BBB)を通過して脳に薬を届ける方法です。BBBは脳を保護するバリアで、通常は薬が通過しにくいですが、JBC技術ではトランスフェリン受容体という特定の受容体を

          革新的AAVベクター:JCRファーマが中枢送達と肝毒性回避を両立 ~脳に効率的に遺伝子を送達する新技術を開発~

          膝前十字靭帯再建に革命:CoreTissue BioEngineeringの臨床試験が始動

          スタートアップ企業のCoreTissue BioEngineering(CTBE)は、2024年11月6日に、膝前十字靭帯(ACL)損傷に対する新しい治療法の臨床試験を開始すると発表しました。この治療法は、ウシの組織を使って作られた人工靭帯を用います。 CTBEは、2026年内に臨床試験を完了し、承認申請を目指しています。また、将来的には肩や肘の靭帯損傷にもこの技術を応用する計画です。 このように、CTBEの新しい治療法は、従来の方法に比べて患者に優しいアプローチを提供す

          膝前十字靭帯再建に革命:CoreTissue BioEngineeringの臨床試験が始動