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思いっきり遊ぶと学力が伸びる?!

「徹底的に遊ぶと、学力が伸びる」と聞いたらどう思いますか。

「そんなことをしたら、子供たちはますます勉強から離れて、学力が伸びることなんてありえないんじゃないか」と言う声が聞こえてきそうです。

しかし、実際は、思いっきり遊ぶ事は、学力と深い結びつきがあるようです。

例えば、英単語を覚える際に、机に座って覚えるよりも、歩きながら、体を動かしながら覚えた方が記憶の定着率が上がると言うリサーチを聞いたことがあります。これはあくまでも一例ですが、身体の動きが、脳を活性化すると言うのは今日では常識となりつつある考え方です。

しかし、私が言いたいのは、単に体動かせば頭がよく働くようになると言うレベルのことではありません。

徹底的に遊んで、遊んで、遊びまくることです。

私は、以下の記述を読んで衝撃を受けました。

「徹底的に遊び尽くして満足した子は、必ず学習意欲が高まるときが来る。そのときに、自ら授業を企画して学ぶと、通常の数十倍の効率で学習するという。つまり、クラスで座って勉強する時間は、ほんのわずかでいいというのだ。」(天外伺朗『「生きる力」の強い子を育てる』飛鳥新社)

これは、グリーンバーグの提唱したサドベリー教育を実践している学校を紹介している箇所ですが、驚くべきことに、「テストはおろか、授業そのものがないのだ。子どもたちは、徹底的に「遊ぶ」ことが奨励されており、自ら進んで何かを学びたいと決心したときだけ、先生と交渉して授業を企画することができる」と言うことなのです。

この学校は、40年以上の歴史を持っていますが、どんな子供でも15歳までには読み書きをマスターしたと言うことです。

当然ながら、遊びには様々な学びの要素が含まれていますので、遊びを通じて、自然とのコミニケーションや、人間とのコミニケーションを通じて読み書き以外の様々なことも学んだでしょう。それは、協力する力かもしれませんし、人間関係を修復する力かもしれませんし、自然を愛する心かもしれませんし、相手を説得する力かもしれませんし、話し合いでルールを作り出す力かもしれませんし、何かを創造する力かもしれませんし、目標を達成する力かもしれませんし、何らかの形で問題を解決する方法かもしれません。

こうした徹底的に遊ばせるという教育の根底には、子どもたちに対する信頼というか、人間の成長に対する信頼があるように感じました。子どもたちは本来、好奇心旺盛で、大人が強制しなくてもそのきっかけやタイミングが来さえすれば、誰でもきっちり学ぶものなんだということを私たちに教えてくれているように感じます。

以下にこの学校を動画でご紹介します。伝統的な工場型の学校の対極にある、文字通りの自己組織型の学校です。

オーストラリアより愛と感謝を込めて。
野中恒宏

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