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ウガンダ外務省へ表敬訪問。心臓の奥がグワッて揺れる瞬間があった。

農村部への派遣前に、首都で外務省への表敬訪問がありました。
誰と会ったのか等明確なことは伏せますが、
外務省にお勤めの3名の方へご挨拶と対談をしました。

外務省ですし、相手方にとってもJOCVの訪問は定期的にあるでしょうから、
形式的なご挨拶と、一般的なアイスブレイクレベルの会話になるかなと想像していました。


まずは自己紹介。
私はコロナ前に何度か来て活動をしていたことを話すと、
こうしてまたウガンダに来たことを歓迎してくださった。

その日は雨季の雨空で、朝から強く降っていた雨がようやく
小雨になってきたところだった。
「アフリカでは、雨は幸を運ぶ現象と捉えられていて
今日の天気はみなさんを歓迎している雨です。」

と職員の方が緊張をほぐす言葉をくださった。


自己紹介とひと通りのアイスブレイクのあと、
職員の方々からいくつか質問を投げかけてくれた。

「何があなたたちを、JICAボランティアの活動へと突き動かすのですか?」
「そうしてウガンダに来て、来る前と来た後とで、印象が変わったことはありますか?」

私は、初めてウガンダへ来た年のこと、そしてこれまでの心境の変化を
心のなかで振り返って(これまで何度も振り返ってきたことを、改めて頭の中で整理して)
丁寧に伝えられるよう、慎重に、緊張もしながら答えた。

自分は初めてウガンダへ来るとき、ウガンダは当時世界で3番目に多くの難民を受け入れている国だと知って来ました。
それなので、正直に言うと、ウガンダでは多くの困っている人に出逢うのだろうと想像していました。
でもウガンダに着いてから、多くの人が、
より良い生活/次のステップのための『挑戦』を常にしようとしている、そういう姿に出逢った。
そういうポジティブなエネルギーに触れるとは予想していなかったので、
驚いたし、ウガンダの印象が、ポジティブなエネルギーが沢山ある国だという印象に変わりました。

外務省の方々は最後まで静かに耳を傾けてくれて、
「それは良かった」と答えてくれた。そして

「アフリカの多くの国が、歴史的な民族構成や居住地域を無視して国境が引かれた。

そういった背景を持って今日に至っている今、政策上、身分証明等の
手続き上、ある人たちを「refugee(難民)」という呼び方をしているが、
実際の暮らしの中で私たちは ”難民居住区” と ”ホストコミュニティ” との境界線をはっきりと分けているわけではない。

分けられるものではない。
ウガンダは北から南スーダン、ケニア、タンザニア、ルワンダ、コンゴ民、と接しており、多様なコミュニティが生きてきた土地。そういう繋がりを持った人と人が暮す土地なんだ。
皆、ウガンダに暮らす一市民として一緒に社会を構成していく関係性を持っている。

というお話しを返していただいた。

国の政府機関に勤めるあるひとりの方からの、直接の言葉。
そういう捉え方をしているんだ、と、ドンっと心に届いた。

最近の東アフリカ諸国の外交ニュースを見て、東アフリカが団結しようとしている気概を感じていたこともあるのかもしれない。

外務省という場所もあって、形式的な、政策的なお話しを想像していただけに、
こんな風に人間の体温を感じるような、静かな熱みたいなものを感じられて
心臓の奥がグワッて揺れた。


本当に貴重な機会でした。
JICA海外協力隊としてこの国に来たから体感できたことだな、と
感謝した日でした。

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