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だから、空気を大きく吸い込んだ。〜学生最後の旅〜

2020年3月の大学卒業を控え、学生最後の旅としてウガンダとルワンダへ行ってきました。

今回の旅は、往復の航空券代をPolcaで募り、沢山の応援を頂き無事に実行することができました。改めまして、Polcaで応援くださった皆様、本当にありがとうございます。人生の中の、「大学生」という時間が一区切りつくこのタイミングに、こうして仲間のいるウガンダへ行くことが出来た事、本当に幸せに思っています。

実現させてくださり、ありがとうございます。

そんな色んな想いが乗った旅の日程が、終わりを迎えようとしています。この旅で行ったことと、考えたことをまとめたいと思います。

材料の生産地を巡る。

現在NPO法人コンフロントワールドで、ウガンダ女性たちが手作りで作る小物を日本で販売しています。Eti Labという名前でオンラインストアやポップアップストア などの場で販売しています。

⬇︎Eti Labオンラインストア

⬇︎事業について

今回の旅の一番の目的だった、「製品の材料が持つ、地域経済活性化への可能性を探ること」を実行するべく、製品の生産者と材料の生産者の元へ行き、対話をしてきました。

材料が栽培・販売されているのは、生産者の暮らす場所からバイクで約1時間かかる別の村でした(同じ県ではある)。

家の数が少なく、より広い畑が広がっている場所です。そこではバナナともう一つ、ワトという植物を育て、葉を切って乾かし、束にして販売しています。

素晴らしい点が、植物を乾かした後に、硬い部分と薄く柔らかい部分に割いて分け、硬い部分はまた束ねてほうきを作っていました。本当に、隅から隅まで有効活用する知恵に感銘を受けます。やはり、加工されることで価値をいくつも生み出すことができる地域資源その物の可能性と、加工する能力がある住民の持つ可能性を、改めて感じました。

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[バナナの繊維に、染色済のワトを巻いている]


隣国ルワンダへ行って。

ルワンダでも、同じように植物性のカゴを取り扱う会社を訪ね、生産地を見て歩くツアーに参加しました。(ウガンダは3回目ですが、それ以外のアフリカの国は初めてです!)カゴ製品に使われていた植物は、ウガンダ事業で使うものとは別のものですが、同じようにその土地で採れる植物を乾かし、染色し使用しています。

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隣国でも、同国内でも、同じような手芸品は多く存在する。競合より多く売るという視点も勿論大切ですが、果たしてそれらが満遍なく安定的に売れたとして、材料の産地である地方の暮らしが変わらないのはどうしてでしょうか。

発生した資本が、暮らしが変わるために必要なインフラ(ハード、ソフト共に)の向上に繋がるよう投資されたり、村に還元されるシステムになっていないから、だと思います。

コンフロントワールドでは、ブタンバラ県で小物の生産と同時に、貯水タンクやろ過フィルターの建設をする事で水と衛生環境の向上を図るプロジェクトを行なっています。村に住む現地人NGOが、住民を引率し建設を行います。

日本で販売をする私たちが、販売で発生した資本を作り手の収入分とは別に、水の施設建設の為にまた村に流す。村の資源で生まれたお金が、村のインフラを構築することに貢献する仕組みは、地域住民が暮らしへ恩恵を受けられるサイクルを生む一端になり得るかもしれません。


この土地を離れる前に。

約1週間という限られた滞在期間の中で、技術的・経済的に何かを進めることはできませんが、

上のような私個人の考えや想いと、現地人パートナーの日頃からの考えを共有し合う時間を持ったことで、これからを建設的に進める土台を引けたように思います。彼らと、活動地の学校の先生や生産者たちと、そんな風に未来の話しをする時間は、とても刺激的でわくわくしました。未来を創っていける。


この旅での時間を、自己完結の幸せにするんじゃなくて、たった1人でもいいから自分以外の人にとっても価値が生まれるように繋げる。あと数時間後にアフリカ大陸は離れるけれど、繋げられるまで、この旅はまだ ”終わり”にはなりません。

きっとこの土地にまた戻ってくる、そう思うので、帰国を目前にして滞在国を離れることへの寂しさが全く無いです。とっても新鮮で、とっても爽やかな気持ちです。(そんな気持ちに出会えていること、贅沢だなぁ。)

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ただ一つだけ寂いのは、この爽やかな気持ちも、帰国し時間が経つにつれて少なからず上書きされて行くということ。またこの土地に戻ってきて、同じ景色を見たとしても、感じる美しさはきっと別物であるだろうということ。


ある感情を、後から振り返って100%思いだす事は無理だと思っているし、むしろ上書きされるくらいどんどんと新しい出会いや道に繋げて行くほうがいい。

それでも、この感謝と刺激と、清々しい気持ちが尊くて、それだけがちょっとだけ寂しい。

この土地を離れる前に、せめて、少しでも多くこの気持ちを思い出すきっかけを掴んで帰りたくて

温度も音も匂いも、全部体に取り入れていきたくて

空気を大きく吸い込んだ。


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