OLDIES GOODIES #46_映画「卒業」
ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!
ばんばん)はい、始まりました「オールディーズ・グッディーズ」、ばんばひろふみです。
大幸)長戸大幸です。
ばんばん)今わりと、コロナでステイホームとか言われててね、家でテレビを観る時間とかがみんな増えてて、例えば配信のNetflixとかHuluとかがすごく加入が増えてるという事で、映画を観る時間も増えてきてると思うんですけど、大幸さん最近この映画はいいぞみたいなのあります?
大幸)最近ではないですけど、ちょっと前にあった「COLD WAR」っていう、これはなかなかこう〜大人の恋愛というか。
ばんばん)うん。あの、僕は一番最近観たのは、アレサ・フランクリンの「アメイジング・グレイス」観て、なかなか感動したんですけど、大幸さんアニメっていうのはどうなんですか? あんまり好きじゃない?
大幸)いや、嫌いでもないですが、そんな好きでもない。
ばんばん)あ〜、僕もアニメってあんまりよくわからなかった。
大幸)僕らどうしてもアニメって聞くと漫画っていうイメージがあるから。
ばんばん)でも、今すごいじゃないですか。あのあれは観ました?「鬼滅の刃」?
大幸)はい。観ましたけど。
ばんばん)どうでした?
大幸)まあ悪くはないんだけど、まあ大正時代ですからね。
ばんばん)あ〜、ストーリーがね。僕「最後泣くで!」とかってみんなに言われて期待して行ったら、あんまり泣かなかったから、「あかんのかな?」とか思ってね。
大幸)はい(笑)。僕もそんなに。もう僕らも大人だからあんなもんでは泣かないでしょ。
ばんばん)泣かないですよ、なかなかね。
二人)(笑)
大幸)もうおじいちゃんだから。
ばんばん)今日ご紹介するのは、泣いた映画ですね、これは。
大幸)そうそう、そうですね。
ばんばん)「卒業」。
大幸)はい、皆さんが観てたと思うんです、僕ら世代は。だからこれのテーマソング であるサイモンとガーファンクル「The Sound of Silence」。
ばんばん)はい、いきましょうか。
大幸)この映画、1967年か68年公開でしたっけね。
ばんばん)うん。
大幸)実はこの曲、その2年前に全米で1位になってるんですよ。
ばんばん)あ、先にね、そうでしたね。
大幸)先に、フォークロックとして。
ばんばん)これあの、元々のアルバムっていうのはアコースティックだけだったでしょ?
大幸)そうそう。
ばんばん)で、シングルでヒットしたのは後から、ドラムとか入れてね。
大幸)そうそう、後からプロデューサーが勝手にドラムとベース入れたんですよね、エレキギターと。という話らしいですよ。
ばんばん)あ〜そうなんですか、ふ〜ん。
大幸)だから本人たちは知らずに。
ばんばん)でもそれがかえって良かったん?
大幸)そうそう、だから、まずそのドラムとエレキベース、エレキギターが入ってない「The Sound of Silence」聴いてみましょうか。
ばんばん)こうやって聴き比べると、あとでドラムとかつけた方が時代に合ってましたね。
大幸)はい、そうですよね。ちょうどこの映画が出た後くらいからSONYになってるんですけど、実は僕らが知ってる時のサイモンとガーファンクルはCOLUMBIAだったんですよ。
ばんばん)あ〜、レーベルが違うかったんですか?
大幸)はい、当時はねCBS COLUMBIAだった。
ばんばん)あ〜そうか。
大幸)それがこの1968年くらいにCBS SONYに変わって。
ばんばん)分かれたんやね。
大幸)はい。最初のヒット曲の時はCOLUMBIAで、映画も最初はCOLUMBIAだったけど、すぐにSONYに変わっちゃいました。その時代なんです。
ばんばん)は〜、なるほど。
大幸)で、やっぱりこれはどう考えても似てるなと思ったのは「夜明けのスキャット」ですよ。
ばんばん)そうですね、はい(笑)
大幸)まあちょっとこれも聴いてもらいたいと思います。
ばんばん)今週の「オールディーズ・グッディーズ」、映画『卒業』を中心にお送りしています。由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」、まあこれ〜そうですよね、「The Sound of Silence」。
大幸)これね、僕この当時聴いてたんですけど、たしか最初歌になってなかったんですよ。
ばんばん)これ、なんでスキャットだったんですかね?
大幸)いや、最初からスキャットだけだったんです、たしかラジオ番組かなんかのテーマかなんかで。
ばんばん)あ〜そう。
大幸)CMかなんかで、全く、その〜、歌になる予定じゃなかったと。
ばんばん)あ〜そうなんですか。
大幸)はい。で、ラジオかなんかのテーマソングで、こればっかりやってたらこれがすごい評価を得て。
ばんばん)あ〜、僕はあの〜、これが流行った時にすごい不思議でしたね。どうして歌詞が無いんかなと。
大幸)だからサイモンとガーファンクルを知らない人たちが世の中にいっぱいいて、その人にとってはすごいこの曲いいからっていうんでワーッと広がった。
ばんばん)なるほどね。それでまあ由紀さんの声もすごいヒットしたんですね。
大幸)はい。この時に「Mrs. Robinson」という曲、これたぶん映画のロビンソン夫人。
ばんばん)うん。
大幸)映画はミセス、ロビンソン夫人との恋愛遊戯だったんで、たぶんサイモンが書いたんだと思うんですが、まずその「Mrs. Robinson」をちょっとかけてみてください。
大幸)それでやっぱりサイモンとガーファンクルというとやっぱり「明日にかける橋」。
ばんばん)これはもう大ヒットですよね。
大幸)はい、ただもうこの頃からあんまり二人、仲良くなかったんじゃないかなと。
ばんばん)そう二人の不仲っていうのは有名ですもんね。
大幸)そう、有名。で、日本でたぶん発売された僕が買ったレコードジャケットにはサイモンしか写ってないんですよ。
ばんばん)え! ガーファンクル写ってないんですか?
はい。
ばんばん)これ、でも歌ってるのは?
二人)ガーファンクル!
ばんばん)ですよね。
大幸)これをね、後々サイモンが本当にガーファンクルに歌わせたくなかったって言ってるんですよね。
ばんばん)そうなんですか(笑)? でもピッタリな歌声だと思ったんですけど。
大幸)そうそう、だからサイモンが歌いたかったんでしょう、これ大ヒットしたんで。
ばんばん)うん、あ、今ジャケットを見てるんですけど、これはポール・サイモンだけですね。
大幸)はい。
ばんばん)へえ、これはあれですか、日本の?
大幸)もちろん日本でしょうね。
ばんばん)日本!
大幸)はい。ただまあサイモンとガーファンクルって書いてあるにしてはサイモンしか写ってないんで、なんか妙だなとは思ってはいたんですけど。
ばんばん)そう(笑)でも売れたんだ。一番売れたんじゃないですか。
大幸)そうそうサイモンとガーファンクルで一番売れたし、一番評価されましたよね。
ばんばん)う〜ん。
大幸)ではサイモンとガーファンクルの「明日にかける橋」。
ばんばん)なんかそういう話を聞いて聴くと皮肉なもんですね。
大幸)はい。あとサイモンとガーファンクルでは「The Boxer」っていう曲がある。
ばんばん)これも大ヒットしましたね。
大幸)はい。大ヒットしましたね。この「The Boxer」、エレベーターホールを使ってドーン!バーン!という音を出していたという。多分エレベーターの、例えば8階とか10階からバシーン!となんか叩いた音を下で録ったとかそういう感じ、その逆かもしれない。いわゆる反響音が欲しかったと。それで話題になったと思うんですけど。
ばんばん)へえ〜、そうですか。
大幸)最後の方ですけどね、「The Boxer」の曲の最後の方に出てくるんですよ。
ばんばん)それ、サウンドバックを殴る感じが欲しかったんですかね。
大幸)ですね。それをバーン!っていうのを全部どうやってどこで録ったらいいかっていうんで、色んなところ試した結果エレベーターホールで、と。
ばんばん)大幸さんなんかもいろいろレコーディングやるじゃないですか。そういう、ひとつのエフェクトですよね?
大幸)はい。
ばんばん)そんなん、こだわるんですか?
大幸)いやもう、当時はね。ドラムのいい音がね、どこまでやっても出ないんですよ。
ばんばん)ふ〜ん。
大幸)ドラムってめちゃくちゃいい音してるのに、録音するとドラムの音がしょぼいんですよね。
ばんばん)うん、そうか。スタジオで生で聴いてる音が録れない。
大幸)はい。それで散々考えた挙げ句、自分の耳だとかっこいいじゃないですか、目の前で聴くと。
ばんばん)そうですね。
大幸)だから自分の耳の形をゴムで作って、そこにマイクを置いて、で、耳で聴こえるように撮ったりしたんですけど。
ばんばん)(笑)それは結果はどうだったん?
大幸)いやあんまり良くなかった(笑)。ミキサーの力がなかったのかもしれない。あとはその倍音っていって、ここでドラムを叩いてもやっぱり天井が高い方がいい音するんで。だから、5、6m上にある講堂みたいな所へ行ってドラムを叩かして、その一番上にマイクを吊ってそのエコーを録ったりとか。あとウチのスタジオは狭かったんですけど、通路をずっと隔てて行くとトイレがあるんです。そこにマイクを置いてそこで録ったりとか。
ばんばん)ほう、うん。
大幸)ちょっと遅れていくじゃないですか、こう。
ばんばん)うんうん、ディレイが。
大幸)反響音とか色んなものを試しましたけどね。
ばんばん)色々やってるんですね。
大幸)いやいや、当時はね。まあその頃に、ポール・サイモンが、あっエレベーターホールそうか!と思ってたんです。
ばんばん)じゃあ、それが「The Boxer」に入ってるわけですね。
大幸)はい、是非聴いてください。
大幸)では、ポール・サイモンで「You Can Call Me Al」っていう曲があるんですけども。
ばんばん)うん。
大幸)これがどうも小沢健二さん、これも似てたんではないかな。
ばんばん)あ〜好きだったんですかね?
大幸)うん。そういう影響を受けた感じだと思うんですけど。まずはポール・サイモンの「You Can Call Me Al」を聴いてください。
大幸)では、小沢健二さんの「ぼくらが旅に出る理由」を。
ばんばん)このポール・サイモンの「You Can Call Me Al」ってあまりヒットしてないですね。
大幸)そうですけど、まあ、いわゆる小沢健二さん風ですよね、元々がね。
ばんばん)は〜、でもポール・サイモンが大好きだったんでしょうね。
大幸)いや、彼はね、もっとソウルフルなものが意外と好きですよ。
ばんばん)あ、そうなんですか。
大幸)はい。だからこの曲もそうだと思うんですけど。まあ、サイモンとガーファンクルって、元々エヴァリー・ブラザーズのコピーバンドなんですよね。
ばんばん)あ〜なるほどね。
大幸)エヴァリー・ブラザーズのコピーをしていたところ、まあ売れなかったと。エヴァリー・ブラザーズが売れたのはロカビリーの時代なんで。結局それをやって売れなかった内に時代がフォークになってきて、それで今度フォークソングから出てきたという。
ばんばん)あ〜はいはい、そうか。
大幸)よくある話ですよ、その頃。やってるうちに遅れてしまって次の時代に行こうという。
ばんばん)うん、フィットしたわけですね。
大幸)はい。だからまず、サイモンとガーファンクルがそのエヴァリー・ブラザーズの大ヒット曲の「Bye Bye Love」を歌ってたんで、その「Bye Bye Love」を聴いてもらいたい。
大幸)これを聴くと、さだまさしさんの「関白宣言」を思い出す。
ばんばん)はははっ(笑)、そこへ飛ぶんですか。
大幸)いや飛ぶっていうかね、なんかニュアンスが似てるんですよ。
ばんばん)あ〜そうですか、へえ。
大幸)はい。まあ、取ったとかそういう意味じゃないんだけど。
ばんばん)今、さだ君とサイモンが結び付いてこないですけどね。
大幸)あ〜そうですか。ちょっと聴いてみてください。
ばんばん)しかしよくそこに類似点を見ましたね。
大幸)いえいえ、ちょっと。多分これヒントにはなってるとは思うんですけど。ではその元のエヴァリー・ブラザーズの「Bye Bye Love」を聴いてもらいたいんです。
ばんばん)はい。
ばんばん)こっちの方が、なんか類似点がよくわかります。
大幸)あ〜、はいはい。
ばんばん)でもやっぱり、さだ氏の、あの言葉の凄さ、あれでこういってますね。
大幸)もちろん歌詞の世界なんで、歌詞のバック的なイメージでこれだったんじゃないかなと思うだけで。
ばんばん)ですよね。エヴァリー・ブラザーズって、すごいやっぱり、色んな人に影響与えてますよね。
大幸)そうそう。
ばんばん)僕あの〜、ニック・ロウ好きでデイヴ・エドモンズっていう人と、ロックパイルってバンドやってる時に、ライブでそのエヴァリーだけ歌ってるCDが付録に付いてた(笑)
大幸)あ〜、そうですか(笑)。で、あの〜、ジャクソン5の有名な「I’ll Be There」っていう曲。ベリー・ゴーディー・ジュニアっていうモータウンの社長も作曲に参加している有名な曲がありますよね。はい、これをちょっと聴いてみてください。
大幸)マイケル・ジャクソンの幼い頃です。
ばんばん)ですね。
大幸)この曲がね、あのエヴァリー・ブラザーズの「Let It Be Me」に似てるんですよ。
ばんばん)あ〜。
大幸)この「Let It Be Me」って別にエヴァリーの曲というよりも、元々はフランスの曲だったと思うんですけども、これは英語バージョンがいくつか色んな人が歌っていて、僕ら高校1年か2年くらいの時にバンドで出てる時この曲意外とみんなやってたんですよ。
ばんばん)あ〜そうなんですか、へえ〜。
大幸)だから、ジャクソン5出てきた時に、あれ?と思ったんですけども。
ばんばん)あ〜そうかそうか。
大幸)はい。その「Let It Be Me」のエヴァリー・ブラザーズ版を。これ1960年くらいでしたかね、59年か60年かなんかの時の曲なんですが聴いてみてください。
ばんばん)エヴァリー・ブラザーズで「Let It Be Me(恋の願い)」のシングルジャケットが手元にありますが。
大幸)まあ昔のレコードジャケットなんで顔も写真も何も出てこないんですけども。
ばんばん)そうですね。という事で、なんだかんだ聴いているうちにそろそろお別れの時間でございますが、次回は?
大幸)次回はですね、若手の映画俳優だったジェームズ・ディーンだとか、
ばんばん)ジェームズ・ディーンね、一世を風靡しましたよね。
大幸)当時のロバート・レッドフォードとかあの辺の感じですかね。
ばんばん)あ〜、はい。
大幸)その辺のイケメン系を。
ばんばん)特集したいと思います、という事で、「オールディーズ・グッディーズ」、お相手はばんばひろふみと、
大幸)長戸大幸でした。
ばんばん)それじゃあまた来週まで、ご機嫌よう。
二人)さようなら。
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