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【ビジネスの話・冷凍ピザ販売編③】

 オンラインでの販売に関してはライブ配信やSNSである程度の成果を上げられることが分かった。そこまでに至る道筋が運良く歩いてきた道に落ちていただけなんだけど。

 次に考えたのは全国の北海道物産展に出店してみることだった。むしろそれが最初に思いつくべき販路なのだけど、実演ありきでそれに関しては考えていたから、そこにいきなり乗り込むことはしなかった。
 すでにその業界に足場を持っている友達がいたから試してみる気になったけど、そうじゃなかったらただ飲食店をやることに固執していたと思う。

 紹介された地方の百貨店からまずはスタートしてみることにした。その頃は実演をメインとして、あくまで冷凍ピザはおまけ的なポジション。販売方法も稚拙でマーケティングもクソもなかったのが本当のところ。
 3枚1組のセット販売のみとかだったからね。間口狭すぎだろ。

 地元の百貨店で昔見たようなイタリア展的なイメージでスタートしたから、即売だけってのは全く考えていなくて、実際にやってみてから即売の効率の良さには気がついた。
 1枚1000円のピザをその場で焼いて提供するのはあまりにも非効率だと初っ端で気がついただけまだマシか。

 冷凍ピザの即売だけで売上を上げるためにまず行ったのはテンプレート的ないわゆる試食販売。
 食べてもらえば商品のクオリティが伝わると本気で信じていたけど、タダで食べられるモノのクオリティなんてそもそもどうでも良いんだなってことに1年かけてたどり着いた。

 結果、試食販売を止めたのには2つの理由がある。
 1つは無料で食べてそのまま去ってく人たちの食べた分を誰が払っているのかということ。それはけっきょく価格に転化されることになるから、試食して買ってくれた人、試食せずに買ってくれる人たちが払っていることになるんじゃないかなと。ただ食べるだけで買う気のない人たちの分を買ってくれるお客さんが払っているという現実に気がついて、それは違うんじゃないかなと思ったから。
 2つ目は例えば上等なフレンチを食べにいくときにドアを開ける前にフォンドヴォーの試食をするかというとこ。
 まずはランチを食べてみてからディナーに行ってみるってのはよくあることだけど、少なくともその時にはランチ代を払っているわけで、飲食店的な感覚からすると、無料でまず食べてみようってのは違和感しかない。

 そこに至ってからまず食べてくださいという新規の呼び込や値下げ的なものは捨てた。それはおそらくリピーターに繋がりにくい新規の取り方だと思ったからだ。そういうマーケティングの末路は飲食時代に散々見てきていたから。

 求めている人にいかに届けるか、それが大事。

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