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正しいとは

『ねえ、カナ。正しいってなんなのかな?』

学校帰りにふたりで寄る、馴染みの喫茶店。
ミホはいつも、私にいろんな疑問を投げかけてくれる。

世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。

今日もちょっぴり難問みたい。けどそれが最高に嬉しい瞬間でもあるの。

『正しいってのは・・・、1+1が2ってことじゃない?』

『あー。そうだね。まあ、数学的にはそうだけど、田んぼの田ってこともあるじゃん?』

『わぁーそれ、なつかしいね。まだその問題あるの?』

『うん。姪っ子がこないだ言ってたよ。でさ。その時の姪っ子にとっての正しいは、田んぼの田だし、私が、2が正しいんだよなんて言うのは正しくないと思うんだよね』

『はは。それは、そうだよね。正しいは時と場合によって変わるってことでしょ』

『うん、そう。でもさ、それだと絶対に正しいものってこの世の中にないよね?』

『そうだねー。いろんな状況に応じて正しいを判断しないといけないし、その時に最善だと思った正しいだって、いろんな見方によって変わっちゃうよね』

『そうなんだよねー。じゃあ、結局、正しいってなんなのかなって思ったら、なんかよくわかんなくなっちゃったんだよね』

『それはさ。正しいか、正しくないかのどっちかで考えるから、そうなっちゃうんじゃない?』

『えー、じゃあどうするの?』

『すべては正しくもあり、まちがいでもある。そういうことじゃない?』

『わぁー。それ、誰の言葉?』

これはね。私の言葉なんだ。

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