くりかえしを楽しもう
『ねえ、カナ。くりかえしって素晴らしいよね』
ミホは道端で拾った、木の葉を嬉しそうに見つめながら、私にそう言った。
『くりかえし?葉っぱの命のこと?』
『うん。今ね、私、くりかえしの素晴らしさに注目中なんだ』
『へー。でも、葉っぱの命はくりかえしじゃなくて、生まれ変わりだよね』
『そうそう。くりかえしってどんなに似ていても、必ず新しいものなのよね。この葉っぱも世界にひとつって思うとまた違って見えるなーって』
『うん。くりかえしって同じに見えて、いつも新しいよね。私たちのこの会話だって、くりかえしているようで、ちゃんと新しい今日なんだよね』
『そう考えると、くりかえしってなんだか神秘的じゃない?くりかえし季節が巡るのも、くりかえしおはようって言えるのも、それから・・・くりかえしおんなじ話をするおばあちゃんだって』
『はは。でもさ、ミホ。悲しいことのくりかえしは、どうなのかな?』
『あ、そっかー。悲しいことや苦しいことのくりかえしに出会ったら・・・それに変わる新しいチャレンジをくりかえせばいいんじゃないかな』
『わお。ミホの発想はいつも素晴らしいよね。くりかえしに見えて新しいチャレンジ。私も、素晴らしいくりかえしに注目してみようかな』
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