他の対戦相手はなかったのか?ムルシア0−2セビージャ

セビージャのプレシーズンはすでに始まっていたが、火曜日には練習試合で、2部Bのムルシアと対戦していたセビージャ。
しかしセビージャには同じく2部Bに所属するセビージャ・アトレティコがあり、そのチームと同じカテゴリーのムルシアとの試合は、相手との差がありすぎて、練習試合の意味がなかったように思えた。
後半、2得点目が入るまで試合を見ていたが、後半はアマドゥ以外全員を代え、前線は若手選手が揃っていた。7月26日に行われる今シーズンの公式戦初戦、ヨーロッパリーグの予選に向け、先発出場する可能性の高いメンバーが前半に起用されていたはずだ。そう考えると後半に出場していた、サラビアやコルシアがサブ扱いとなる。

ムルシア戦前半のメンバー、システムは次の通り。

システムは1−3−4−3だが、攻撃時は1−3−4−2−1、守備時に1−3−4−3となる。
後方からビルドアップをするが、DFは斜めのロングボールをWBに蹴る場面が何度も見られたため、それにより相手が1つのサイドに寄ったところでできる逆サイドのスペースを狙っていく。さらにそのロングボールにはトップ下が必ずサポートに入るようにしている。

ただこれ以外の攻撃の形は、基本的なレベルの違いから、簡単なワンツーやボール奪取により、セビージャがムルシアを上回った。アラーナとコレアは基本的にサイド一杯まで開いている。そしてベン・イェデルを軸に、サイドとCFの間のラインをトップ下のペヒーニョとノリートが使うが、彼らはサイドを変えてプレーすることもあった。前線の3人は細かいショートパスを使って相手DFラインを崩しにかかる。バスケスはロケ・メサとダブルボランチを組み、自陣ではシンプルに2人でビルドアップに参加し、相手陣地では一人が高い位置を取れば、もう一人はバランスを取っていた。

ムルシア相手とは言え、圧倒的ボールポゼッションを維持したわけではないし、守備においては課題が残った試合とだった。相手ののビルドアップにおいて、セビージャはDFラインを高くし、前線からDFラインの距離をコンパクトにしていた。そして前3人が高い位置からプレスをかけることで、確かにショートカウンターを作り出していたが、このプレスがヨーロッパリーグ、さらにリーガの試合でできるとは思えない内容だった。

しっかり連動してプレスをかけないと、サイドでボールを持たれた時、青と黄色のスペースを残していた。これはボランチの一人が相手のMFの一人を捕まえ、さらに自分のサイドであれば、高い位置まで付いていったからだ。特に中盤中央において、ロケ・メサが引き出された時、バスケスだけが後方に残っているのは不安だったが、エンゾンジが移籍をしなければロケ・メサとのダブルボランチで問題ないが、彼が移籍をするとなると、このダブルボランチに誰を起用するかは問題となりそうだ。誰が出るかは別として、サイドから一旦後方にボールを動かし、そこでダブルボランチの一人が前に出ていたら、相手は中央のスペースを利用してくる。実際にこの試合でもそのスペースを作られていた。さらにボールがオンの状態でもDFラインは高かったので、その背後を上手く使われると、一気にゴールまで近づけてしまう。

しかしこの公式戦まで1週間と少しという状況で、2部Bのチームしか対戦相手は見つからなかったのだろうか?せめて2部のチームと対戦できれば、今のチームがどういう状況か、この試合よりは見てとることができたと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?