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帰国困難者支援活動ー'21年8月

本事業は「赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成」を受けて活動しております。

蒸し暑い名古屋の夏。

山の上にあるお寺は、麓に比べると1,2度涼しくなりますが、雨が降ると蚊が大量発生するのが悩みの種です。蚊取り線香ぐらいではまったく気にしないようで、服の上からでもブスッとやられてしまいます。

今年の夏は滞在者が少ないので、運動会などの大規模イベントはできませんでしたが、そのぶん、一人ひとりとじっくりお話することができました。

ある元技能実習生の方は、関東の建設業者に所属し、毎日東北の作業現場まで車で移動。朝7時には家を出て、帰宅は夜11時ごろ。そのうち3〜4時間の移動時間は給料に含まれず。ただ、これは業界の”常識”で、法律違反ではないそうです。

技能実習1号から2号に移行するための試験勉強は一切行われず、当然、受験しても不合格。再受験でも合格できず、これで帰国を余儀なくされることに。来日前に背負った借金を半分も返せないままでは、到底帰国できません。何のために日本に来たのか。

コロナの影響で帰国便が出ない中、「特定活動」に資格変更して滞在延長。ただし、実習期間は満了していたため、その間の収入はなし。それでも家賃や生活費などの出費はかさむ一方なので、1年で貯めたわずかなお金も底をつきそう。

たまらず、職場と組合の許可を得てお寺にやってきたとのことでした。


この話を聞いてから、組合を通じて実習先に離職票を発行してもらい、ハローワークで失業給付の申請をしました。また、ご本人の希望で組合に相談し、「特定活動」でも「就労可」の資格に変更していただき、日本で就職活動しながら「特定技能」への資格変更を目指すことになりました。

この方の来日目的は、一定期間にまとまったお金を稼いで、母国の家族の暮らしを少しでも楽にすることでした。遊びに来たわけでもなければ、技術を学びに来たわけでもありません。ただその一つの目的が、達成できなかったことが残念です。今後、時間はかかっても、少しでもそこに近づくことができればと願うばかりです。

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お盆明けぐらいから、また少しずつ入居希望者が増えてきました。

中には、お腹に双子ちゃんのいる若いカップルも。

ベトナムも再びロックダウンになっているようで、いつ帰国できるかはわかりませんが、1日も早く政府による緊急帰国便が飛んで、無事に母国で出産できるとよいのですが。


8月27日、愛知県に4回目となる緊急事態宣言が出されました。

ワクチン接種率も少しずつ増えているようですが、さまざまな感染防止対策が効果をあげていくよう、私たちも十分注意していきたいと思います。

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