「少数精鋭ではなく、精鋭少数です」
豊田章夫
自動車業界で常にトップを走る”トヨタ”。トヨタというとトヨタ自動車が編み出した独特の生産管理手法である「ジャストインタイム」に代表されるものづくりが思い出されますが、実は、人の管理面でもかなり綿密な取組みが行われているようです。
トヨタのものづくりでは、安易に機械や設備を導入する前に、人間の知恵を重視する考えが古くから定着しています。例えば、ものづくりの基本である限りなくムダを排除して、改善活動を続けていくためには「知恵を限りなく発揮して働く人」を育てる必要があるからです。ですから、何事も「良い改善=良い人づくり」がベースで、上司にも「部下自身に考えさせる」とか「自分で考えさせる」ための指導力が強く求められており「仕事の中にムダは無限にあるのだから、仕事において改善することは永遠の課題」という思想があらゆる面で徹底されています。
同じく、同じ生産ラインで汗を流したり、また、机を並べて議論を交わしたりする仲間は「家族のようなものだ」と章夫社長は説いています。つまり、サッカーで「11人のベストプレーヤーを集めるのではなく、11人でベストになるチームをつくる」ように、チームの和を大切に心を合わせてものづくりをするのがトヨタ式のめざすことで、それは「少数精鋭」ではなく「精鋭少数」を目指しているという事です。(参考文献:「トヨタの新現場主義経営」朝日新聞出版刊)
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