蘇生~ミスチルも生まれ変わる

2002年5月10日に発売されたアルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」(以下、「ワンダ」)に収録されている「蘇生」の話。

アサヒ飲料「WANDA」CMソング(2002)、映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」主題歌(2011)、花王「アタック」CMソング(2017)と、歌詞の通り何度も蘇り、タイアップされている楽曲ですよね。

この「蘇生」の歌詞は、アメリカの俳優・リチャード・ギアがテレビで話していたことをヒントにして生まれたそうです。

【桜井】
「(リチャード・ギアは)『僕は、毎日朝起きると、新しい自分に生まれ変わるんだ』っていう主義をやっているらしく・・・ちょっと都合のいい話だなぁと聞こえるかもしれないけど、なんかネガティブな要素を抱えているときに、また発想を転換してポジティブになれるってことは、素晴らしいことだなぁと」

そのヒントがどう実体験と絡んで具体的な歌詞になったかというと・・・


【桜井】
「Mr.Childrenでこれ以上やれることってあるのかないのかすごく迷ってた時期があって。で、迷っててもらちがあかないのでセッション使用と。で、セッションした時にすごい手応えがあって、『あっまだまだMr.Childrenとしてやっていけることって、もっと可能性がいっぱいある』と、それがひとつの自信になり、そっから出来た曲でもありますね」

「ワンダ」の前のアルバム「Q」は、桜井さんにとって、バンド万として、ソングライターとして、ボーカリストとして、うまくバランスのとれたベストな作品に作り上げることができたようで、アルバム完成後ミスチルとしてもうやれることはないかもしれないと悩んでたようなんですよね。
そんな気持ちの中で、とりあえず曲を作って、メンバーとセッションしたとき、桜井さんは新しいMr.Childrenの方向性が見えてきたようです。
確かに、アルバムを辿っていくとワンダのところで何か変わってますよね。ワンダは、
シフクノオトやHOMEに向けて、ダークさが薄まり優しい感じになる起点になったような気がします。
「HERO」や「もっと」もワンダの曲とともにできたんですよね、確か。
このように新しいMr.Childrenの方向性が見えたことで通称「肉」「骨」のベストアルバムのリリースにもつながったようです。
だから、「蘇生」は、ミスチルの生まれ変わりを象徴する曲でもあるんですね。

「蘇生」は
リチャード・ギアさんの朝生まれ変わるという主義から着想を得たということですが、私がその話を知る前から、私は「ワンダ」を浅野目覚ましにしていたんですよねー。コンポのタイマーで自動的に再生されるようにして。
「overture」から「蘇生」のイントロへの盛り上がってくる感じが徐々に力がみなぎるイメージがして目覚ましにちょうどよかったのです。
桜井さんの曲解説を聞く前に直感的に朝生まれ変わるイメージを受け取れていたのはなんか嬉しいです。

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