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完成した絵を一晩寝かせるのは一粒で二度おいしいかも?という話

はじめに

※ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリーより、可愛いすやすやわんちゃんをお借りしました!

こちらの絵を描いたときの体験が自分にとっては面白くて書き残しておきたかったので筆をとっています。少しの間一緒に頭の中でお散歩しましょう!

昨夜の体験のはなし

2022年9月7日の23時半頃、絵を描く手を止めて、あれ、思ったよりも早く寝られるぞ?という嬉しい誤算とともに作品完成のジャッジをしました。いつも描いた絵は一晩寝かせるようにしているので、明日の朝に、いつもと同じように起きた後のスッキリした頭で最終確認をしようと未来の自分にパスを出すことにしました。

自分で良いと思えなければ完成のジャッジはしないので、少なくとも僕にとっては思い入れのある大事な絵で、良い絵になったなと思いながら幸運にも見つけたヤクルト1000を飲んでから布団に入りました。

いつもと違うのは、夜中の4時頃に目を覚ましてしまったことでした。なんとなーくお水を飲みながら、そういえば朝起きたら絵の最終確認するんだった、まだ夜中だから今絵を見るのは違うよな、寝直そうかな、とぼんやり考えていたとき、「明日の朝起きてから今回の絵を見るのが楽しみだな〜」って、ものすごくワクワクしている自分に気づいたんです。

ふしぎなきもちのはなし

このワクワクは一体なんなんだろう、なんて名前なんだろう、ということを考えながら眠りに落ちて、起きたときに正体がわかった気がしました。それは、【創作をする自分】ではなくて【鑑賞者としての自分】の気持ちなんだな、と。

ほんの少し寄り道ですが、ここ一年くらい、自分の絵を投稿するときにはもちろん緊張したり吐きそうになったりといつもドキドキではあるんですが、それでいてどこか遠い世界のできごとのような不思議な感覚があったんです。寝る前に感じたワクワクは、投稿するときのこの不思議な感覚と繋がるものなんじゃないかとも思いました。

実はこの投稿前の不思議な感覚も、【創作をする自分】のどきどきの中に【鑑賞者としての自分】が混ざっていたことで生まれた感覚なんじゃないか、というのが現時点での仮説です。投稿する自分と同時に、「良い絵を見つけちゃったんだよね、見て見て〜!」ってシェアする鑑賞者の自分が少し混ざっているような気持ちが、投稿するときの不思議な感覚の正体なんじゃないか、というわけです。

おやすみした子に、きっと素晴らしいプレゼントを持って

創作物というのはどうがんばっても、自分を構成する大事で分かち難いパーツのひとつであるという性質があると思うのですが、一晩作品を寝かせることは、ダイブしていた自分を引き上げて少しだけ引いた距離感を作ってくれて、寝た後のスッキリした頭で小さな違和感や見ないようにしていたことをちゃんと受け止められるようにしてくれるという効用があることは既に多くの先人たちが語っていることと思います。

今回の話はそうした先人たちの言説を語る角度がほんの少し変わっただけなのだとは思いますが、自分の身体感覚と紐づいた情報であったため思考の足跡を残したくて文章にまとめてみました。

作る人と見る人が重なり合ったようなふしぎなきもちは、さまざまな効用だけじゃなく、ひとつの作品を投稿する体験の中に創作者と鑑賞者のふたり分の楽しみをプレゼントしてくれるのかもしれません。ということで、完成した絵を一晩寝かせるの、楽しいのでおすすめです、という話でした。

きっとこれは絵に限った話ではなくて、文章などの創作物や、もしかしたら創作物を飛び越えてお仕事なんかにも見出せる話なのかもしれません。これを読んでくださった優しいあなたの枕元にも素敵なプレゼントが届きますように、という祈りを謝辞に代えて結びの言葉といたします。

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