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司法試験本番に向けた調整

 令和6年度司法試験まで残り僅かとなりました。
 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
 今回、司法試験直前での勉強面とそれ以外の面について少し述べたいと思います。

1.勉強以外について

 正直、司法試験直前では、勉強以外のことの方が重要だと思います(勉強は今まで十分してきたと思うので)。

⑴ 生活リズム

 司法試験当日の着席時刻は9時又は9時半であり、9時半又は10時から試験が開始します。そのため、夜型の人は、試験に備えて朝方に戻しましょう。朝は眠くて頭が回らず、思うように書けなかったとなっては残念ですので。

⑵ 体調

 上記の生活リズムとも関係しますが、体調を崩してしまっては、全力を出すことはできず、悔いの残る試験となってしまいます。万全の状態で試験を受けるためにも、今から体調を整えておきましょう。例えば、早寝早起き、三食の食事、手洗いうがいなどを心がけるとよいと思います。

⑶ 精神面

 手が回りきっていなかったり、理解できていない部分があったりなどで、不安も多々あると思います。しかし、多くの受験生も、みなさんと同様の悩みを抱えていますので、あまり思い詰める必要はありません。残りの期間でやることを決めてしまい、あとは淡々とやれば大丈夫です。
 また、気持ちが沈むことがあるようなら、カフェに行ったり、漫画を読んだりとリフレッシュすることが大切です。こういうと元も子もありませんが、残り数日の勉強で合否が変わるということは少ないため、辛いときはしっかりと休んでも大丈夫です。精神的にも万全な状態で試験を受けられるようにしましょう。

2.勉強について

 大判の人は、試験直前まで計画を立てていると思うので、不要と思いますが、何をしていいのか分からなくなってしまった人に向けて、参考にとの趣旨で書きました。

⑴ 総論(戦術)

 別の記事(こちら)でも書きましたが、司法試験の合格戦術としては、❶短答試験でそこそこ点を取ること(平均以上を目指す)、並びに、❷論文試験で、基本論点を落とさないこと、及び、途中答案にしないこと、です。
 したがって、司法試験直前においても、この点を意識して勉強するのが得策です。

⑵ 短答試験

 平均以上を目指すのであれば、①条文素読(民法・憲法・刑法の全条文)、②判旨の確認(憲法)及び③問題集の中で間違った箇所の復習、④短答プロパーの確認(数字とか。試験前日でもよいのでは。)、をするのがよいです(時間があれば芦部憲法を軽く読むのもいいと思います。)。
 特に、①条文素読、②判旨(憲法)は点に結び付きやすいです。さらっとでよいので読むことをお勧めします。

⑶ 論文試験

ア.基本論点対策
 基本論点を落とさないという点からすれば、①論証集(今使っているもの)の確認、②苦手な基本論点を演習書(今使っている基本論点の演習書)で確認、③分からない論点があれば一応判例集(今使っているもの)でも確認、といったところでしょうか。基本的に、別のものに手を出さず、自分が今使っているものを使用するのがいいと思います。
 この際、難しい問題集や応用論点への対策が気になるかもしれませんが、範囲も不明確ですし、少しかじったところで付け焼刃にもなりません。そのため、自分は基本論点だけは極めるんだと割り切って勉強に臨むのがいいと思います。その方が精神的にも楽です。

イ.途中答案対策
 途中答案対策は、これまでの起案で実践していると思うので、直前で対策する必要はないと思います。当日も絶対に書ききるという強い気持ちを持ち続ければ十分でしょう。
 なお、現時点で途中答案となってしまうという人は、時間配分なども再検討したうえで、一度、書ききることを主たる目標として書いてみるといいと思います。どの程度で見切りをつけないといけないか、どの程度コンパクトにできるかなどの感覚が分かると思います。

3.補足~試験当日の心構え~

⑴ 気持ちの切替え 

 何よりも大事なことは、気持ちを切り替えることです。試験ですから、できた、できなかったというのは当然あると思います。しかし、今回の科目の難易度がどうであったとか、自分がどれくらいできたのかなんてものは蓋を開けてみないと分からないものです。そのため、終わった試験のことはきっぱりと忘れて、次の試験に挑みましょう。

⑵ 期待しない

 また、次の試験では頑張ろう、挽回しようと思わないことです。たとえ自分の得意科目であったとしても、できない可能性はあります。そのような場合、心が折れます。そのため、完全に別の試験と思って、前の科目を一切引きずらないで挑むのがよいです(それが難しいと言われればそうなのですが、それでも他の科目に期待しすぎないというスタンスは大事かと思います。)。

⑶ 諦めない

 最後に、諦めずに書ききることです。8科目もあればよく分からない問題や難しい問題が出題されるものです。そのような問題であっても、何かしら書けば点は入りますし、途中答案になる人は一定数出ます。諦めなければ何とかなる、最期まで書ければ満点だという気持ちで挑みましょう。

⑷ その他(過ごし方)

 試験前日に各科目詰めるのではなく、それまでに詰め切っておきましょう。というのも、試験後は疲れていて勉強できないですし、多少元気でも勉強するモチベーションが湧きませんので、次の日に備えて早く寝た方がいいからです。
 そして、軽く勉強するだけなら、論証集だけ持っていくとか、まとめノートだけ持っていくとか、あまり手広く持っていく必要はないと思います。結局、全部見ませんし、見れていないとなるとそれはそれで不安になると思いますので。最低限だけやったら早く寝て、次の日に備えましょう。

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