時代錯誤以前に

森会長の発言が波紋を呼んでいる。流石にあれはまずかったと私も思う。

こういうことを書くのは少し勇気が要るのだが、目まぐるしく変わっていく世間の潮流に合わせて自分の価値観をアップデートし続ける作業は、特に年齢を重ねてきた人にとっては若者が想像する以上に大変な作業なのだろうと思う。
以前まで通用していた考えに頼ろうとする姿勢自体はそんなに悪いものではないように思うのだ。もちろん、指導者のような立場にある者ならば、過ちがあった時には早急に自覚して修正すべきではあるのだが。

しかし今回の場合は、「あんまりいうと、新聞に書かれますけど、悪口言った、とかなりますけど、」という発言が前置きとしてあって、明らかに発言者が価値観をアップデートすることへの怠慢を持っていることがわかってしまった。
時代の潮流について理解していなかったわけではなく、理解した上でそれを軽視する姿勢が見えてしまったのだ。
こうあってしまっては、自分の時代錯誤に気付くことはもうどうしても不可能だろう。世間の要請をこの人が拾っていく未来はどうやら期待できそうにないということが、この発言によって目に見えてわかってしまった。

そもそも83歳という高齢の人があれほどのポストについていることにも違和感があって、これに関してはご本人も被害者なのかもしれないが、この社会は何か構造的な問題を抱えている気がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?