実験文章ラボ

実験文章『トニングリッシュ×商品紹介』

 どうもMr_noiseです。
変った文章表現で書こうのコーナーです。
最近、noteも含め、ネット上でいろんな文を読んでいるのですが、文体と構成が似ているものが多い気がしています。
 たぶんSEO対策で検索用語句入れ込んだ文章と、スマホでのスワイプ操作で読みやすい文章構成のハイブリッドなんでしょうね。
 あとNEVERまとめのような辞書的文体をエッセンスとして入れてるみたいな。
 気が付いたら自分もその文体になってそうで怖いです。
 大学提出のレポートやないんだから、もっとゆるゆるで変な表現しようやと思う今日この頃に、だらだら文章を書いてたら終わらなさそうなので、さっそく始めます。

今回の表現方法

 今回はトニングリッシュで書こうと思います。
 芸人のトニー・谷さんが使ってた片言英語の口調ですね。
 トニー・イングリッシュやパングリッシュと呼ばれたりもしています。
 主な特徴としては以下の三つ。
 ①言葉の端々に英語をカタカナで入れる
 ②都都逸のような七五調で書く
 ③「~コン」みたいな擬音を入れる。例:チョロリンコン、ガチャランコン

他にも中国語や東北弁を混ぜることもあるそうな。

実際の文章を下記に引用します。

マイ・モットウの信条は、一つの望みがポシャっても、ペシャリンコンになるなかれ、人生はこれネバリなり。一押し、二押し、三に押し、しつこさは成功の基(尤もテイドもありつれど)。

トニー谷「サイザンス人生観」『オール讀物』四月号 1954年 

ルー大柴さんのルー語に小気味いいリズム感を足したみたいな感じ。
本来は会話芸ですが、文として読んでも楽しかったので真似しようと思います。
 そもそもトニー・谷って誰やという声が聞こえますが、『おそ松くん』のイヤミの元ネタになった芸人さんです。彼の人生については村松友視の『トニー谷、ざんす』が詳しいです。僕もこれを読んで知りました。

 今回はよくある商品レビューをトニングリッシュで書きます。
 さて、前置きが大分長くなりましたが実験文章を始めましょうか。

◆トニングリッシュ×商品紹介

 レディース・アンド・ジェントルメン・アンド・おとっつあん・おっかさん・ゴキゲンヨウ。
ディスタイムの今回に、紹介する商品は、ネックの首をヒヤシンス。
今夏爆売れ、ソールドアウト、売り切れちゃって、ペシャリンコン。
オウタムフォールの秋になり、ようやくやっと、再入荷、ネッククーラーminiザンス。 

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今夏流行った、扇風機、ハンドサイズは、お手々持ち、フェイスにウィンドは、もう古い。
ネッククーラーminiちゃんは、頸動脈を、冷却し、マイブラッドの、血液を、コールド供給、全身に、体を涼しくするマシン。

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お首にあてる、金属部、ヒヤリンコンと、冷えまして、イッツ涼くなる仕組み。
超絶技巧で、テクニカル、こいつのメリット・デメリット、詳しく説明するザンス。
こいつのメリット、単純に、シンプリーに、涼しいね。
デメリットは、悪いとこ、ひとつのワンは、まずソウノイジー、排気口が耳元で、風をウーウー、うるさいね。
もうひとつの悪いとこ、トゥー番目は、電源部。
電源内蔵されてない。ユーエス―ビーの配線で、持ち運び、電源の、モバイルバッテのリーさんにコネクトしなくちゃ使えない。

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総括すると、べリグッド、商品グッズなわけだけど、何でアイの、ぼくちゃんは、こいつを秋に、北米企業の、アマゾンで、買ったんだろう、フシギダネ。
それでは、エビバディ、この辺で、オチがつかない、鳩は飛ぶ、豆鉄砲は、さやえんどう。
マイの話はthe end。
おあとがよろしいようで。

所感

 実験結果としてはなんかわりと新鮮味がない文になりました。
なんというか5・7の音節区切りが新鮮というより、むしろ耳馴染みがある気さえします。
これって端的に言うと、この区切った言い回しがジャパネット高田感がありませんか。
人の思考を操る方法のひとつに相手の思考スピードに合わせて話すってのがありますが、通信販売系の話術はそれプラスで、聞く人の印象付けのために、七五調で区切るという技術をわりと使っているんような気がします。
この文章表現の良いところとしては、思ったよりも簡単に書けるところでしょうか。
5音もしくは7音で読点区切りすればいいだけなので考える必要がありません。文章全体の雰囲気としてはなんか昔のテキストサイトで無理やり個性を出そうとした文みたいな感じになりました。
総括としてはトニングリッシュは使い勝手はいいが個性としては微妙みたいなポジションの表現です。

実験文章ラボは変な文章表現を試す企画として、今後も不定期で続けていきます。
第一回の実験文章ラボも下記に貼っておきますが、今回よりも大分取扱注意な内容になっているので、それでもかまわないという人だけお読みください。

ではでは文章うまくなりたい+変な表現を身につけたい男、
Mr_noiseでした。

参考文書
村松友視『トニー谷ざんす』株式会社幻冬舎,1999年

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