考察はみんなしてくれてるから、僕は素直な感想を載せるね‼︎※ネタバレは自衛してね

 シン・エヴァンゲリオン、控えめに言ってよかったですね。考察は僕なんて中途半端知識人間がやるよりかは、Youtubeに素晴らしい考察が上がっているので、私は諦めます。だって、私の考察なんかより優秀だもの‼︎
 だから今回は素直に、見てきた思いの丈を、問答無用で書き殴ります。

すべてにさようなら

 観賞後真っ先に思ったのがコレ。この作品、ガンダムでいうところの∀じゃね?旧劇世界からのループ説が公開前からかなり言われてきましたが、これってループじゃなくて、「エヴァンゲリオン」という作品群全てを包括して終わらせに来てますよね。富野=ガンダムが定着してしまったように、庵野=エヴァの構図はどうしても逃れられない。庵野以外がエヴァンゲリオンを描くことはないし、できないし、ここで打ち止め。タイトルの最後の記号、音楽記号で繰り返し終わりなんで。庵野もエヴァの呪縛から逃れたいんでしょうね。
 
 エヴァはアニメシリーズ以外にもゲームやら漫画やら色んな作品群が展開され、その度に媒体ごとの「世界」が生まれ、その世界では必ず「エヴァンゲリオン」が存在し、「碇シンジ」が生まれ、エヴァに関わりなんやかんやする。ぷちえゔぁとか、育成計画とか血みどろとは無縁なお話もありますが、基本アニメ準拠、14歳の多感な頃の少年がわりと酷い目にあう話。碇シンジが存在する世界には必ずエヴァがあり、碇シンジはエヴァと関わる。なぜなら、我々がそれを望んで、そういう風に作ったから。
 本作クライマックス、初号機と13号機は特撮のセットで戦ったり、綾波は撮影スタジオから出て行ったり、色も塗られていない線画状態が写されたり、明らかにエヴァの世界が作りものである描写が現れます。繰り返し、というより度々作られるエヴァ作品のメタ表現では、と。そんな世界に、マリが現れ、世界に色がつき、二人は「現実」の世界に現れます。エヴァンゲリオンのない、我々が望んだ虚構の世界ではなく、彼らが望んだ現実の世界に。
 
 碇シンジ、ロボットアニメにしては明らかに不遇な彼には同情の念を送りますが、彼をそういうように世界に産み落としたのは我々です。だってエヴァですよ。そういう碇シンジの姿を少なからず期待したでしょう?だから、彼らはもう我々の創作の範疇にはない、彼らだけの物語を歩み始めています。だから、誰もが期待した綾波、アスカ、或いはミサトさんを差し置いて、彼の隣にはマリが居るのでしょう。誰も知らない、彼らだけの物語がそこにあるのだから。

親というものの描き方

 碇シンジの親ポジといえば、実父の碇ゲンドウか、上司のミサトさんか。でもこの二人、おそらく碌に自分の親の背中を見てないんでしょうね。ゲンドウはそもそもユイさん以外と碌にコミュニケーション取れてないし、葛木父も仕事人間で、あまり人には見えてなさそうでした。そんな親を知らない二人が、碇シンジとどう接しているのか。ミサトさんはファザコン拗らせて梶さんなんかに惹かれるわけですが、今作では「子供と距離をとる」と、同じ対応見せてるんですよね。この人ら、身内にも不器用なんだなって感じ。
 さらに、今回対照的に現れたのが「第3村」。同級生が真面目に父親してるの見せられたら、そりゃ内の親父はどうだったか、自分は親視点からどうだったか、なんて考えますよ。でも鈴原、立派になってたなぁ。妹さんも医官やってるし、すげぇよ。成人式で地元の同級生同士が結婚して子供できてんのを、当時の私は指差して笑ってたけど、すげぇよ……ケンスケも男前になっちゃってさ……シンジくんの周りには導いてくれる大人が少ないとは思ってたけど、まさか同級生が立派な大人になってんだもん。上からの言葉なんかより、そういう奴からの言葉の方が刺さるよな。
 まともに家族というものに触れてこなかったシンジくんが触れた、家族のあるべきすがた。それを同級生たちが自分たちの力で作り上げてんだもの。僕だった耐えられないね。

で、マイナス宇宙ってなにさ

 旧劇と補完計画の内容が違うなぁ、とは思ってましたが、まさか肉体側と精神側で二種類あったとはね。旧劇のが「個を溶かして全に回帰する」のが精神側の補完。新劇のが「各々すべてに神に等しい肉体を与える」肉体側の補完。新劇のインパクトはどちらかといえばテラフォーミングっぽい印象があって、それって種を強制的に進化させるトリガーであって、個をステップアップさせるのは旧劇の補完計画と反するなぁと。そこにアナザーインパクト(?)として、認識を書き換えて、「すべての個をユイにする」という。まじでゲンドウくんユイさんガチ恋すぎない。本当に彼女以外眼中にないね。だからシンジくんに気づけなかったんだよ。一生one more time してるところだったね。

 で、マイナス宇宙ってなに?表現的に高次元宇宙でもなさそうだし、虚数空間ならTV版第十二使徒レリエルさんの領域だし(自力で帰ってくる初号機、マジで好き)、集合無意識かと考えたけどもゴルゴダオブジェクトの存在が意味わからんし。Youtubeの「おまけの夜」というチャンネルの動画で知ったんですけど、ウルトラマンネタらしいですね。でもわからん。宇宙を書き換える理屈がわからん。マイナスの宇宙ってどういうこと?どういう理屈なん?虚数空間ではないんでしょ?
 世界をどうこうする系の作品はこれだから。イデオンとかコードギアスは集合無意識が正体だったり、ゼノギアスだと高次元生命体だったりしますが。じゃぁエヴァってなんなのさ?って話は、これまたナディアのアトランティスあたりの設定が絡むそうですが。この辺全く理解が追いついてないんですよね。そもそもゴルゴダオブジェクトにユイさんが居たってなに?エヴァへのエントリーってそういうことなん?イマジナリーエヴァ側によってくんか?ってかイマジナリーエヴァってなに?

 小一時間くらい葛城パッパを問い詰めて色々と聞きたいですが。マジでマイナス宇宙ってなんだよ、知らんけど瞬間移動とかし始めるしさ。エヴァはリアル寄りのちゃんとした原理でトンデモ技はしないと思ったのに。でも00Qとかもワープするし、もうそういうもんとしか考えるしかないじゃない。

キャラの心情、わかる部分とわからない部分と

 マジでゲンドウがよかった……シンジをその手で抱いてあげるシーン、めっちゃ泣いた。貞本エヴァも同じ様に、ゲンドウにとってのユイという存在がどれだけ大切だったかと、彼女が守ったシンジにこそ、彼女の想いは彼にあったこととか気付かされるわけなんですけど。一点だけ、飢えを満たすように知識を集めた、みたいな台詞あったと思おうんですけど。お前さん、コミュ不足で心寂しがってんの自覚したうえで、孤独の道を選んでるんですね。
 アスカについても、彼女の自我の強さと、エヴァに固執する理由がわかってスッキリですね。エヴァに乗って戦うために生み出された式波型。一番でなければ、戦わなければ存在意義がない。生き残るために、オリジナルの性格もあるんでしょうけど、綾波とは異なり立派な自我が育ったわけです。だから綾波みたいに、プラグスーツでLCLの形状を保持する必要がない。それに、元から親なんていないから、その存在を求めてします。あ〜幸せになれビーム‼︎

 で、キャラ心情の話をすると冬月センセとマリの動機が読めない。二人ともユイの学生時代の関係者ということで、ユイさんからなんか託されてんだろうな。でないと、冬月がゲンドウにあそこまで付き合うか?ゲンドウの何を信じてあそこまで付き合ったのか。わからん。マリもマリだ。彼女がシンジやアスカのことをえらく大切にしているのはわかる。が、なぜ?あまりにもわからん。読書好きなことくらいしかわからん。ヒトガタじゃないツールを扱えるのも、個人的にはなんか引っかかる。仮設4号機とか、冒頭の8号機とか終盤のドラゴンアーム?なる装備とか、人間に元々ない機能を扱うことをしている。エヴァの武装は基本手持ち武器。だって人間だもの、人間がシンクロしている以上、人間にない動きは不得意のはずでは?と思ってるんです。朝起きて急に腕長くなってたら扱いに絶対困るのに、それをやってのける。不思議だ。ラストの描写的にマリ√なんて言われてますが、そんな様子1ミリでもあったか?マジでわからん。貞本版でゲンドウを気にしてるような描写とか、本編でも写真ではゲンドウに絡んでたんで、まぁ似てるシンジ君ならまぁご縁ナッシングではないのだろうけども、わからん。

槍って結局何?

 黒い月から生成したり、ヴンダーの脊椎から生成したり、マジでなんなの?ATフィールド撃ち破ったり。なんですか?絶望のロンギヌスと希望のカシウス?で、なんかよくわからんガイウス?何かしらの生体部品なんだろうけど、脊椎から生成したのは、螺旋構造も相まってDNA的な暗示だったり、雌雄同一のメタファーだったりするのかなと。地獄の門を開いたり、インパクとのキーになったり。ただ単に神の子に関わるアーティファクト以外に、どんな意味を持っているのか、わからん。

小ネタ

 あのレーション、2400kcalってエグくね?どんな技術よ?

おわりに

 一番言いたかったことは冒頭ぶちまけたんで、満足です。夏にはウルトラマンが公開なので楽しみですね。監督が今後どんな作品を作っていくのか。レコンギスタしてしまうのも、それはそれでいいんじゃないですか。
 ともかく、シン・エヴァンゲリオン、素晴らしい作品でした。2回、3回と繰り返してみたいですね。しばらくは考察動画を見漁って生きていけます。
 それでは、ぶちまけるだけぶちまけたのでこの辺で。次は閃光のハサウェイが楽しみでならない。

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