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M.R.LABO業務紹介:ライティング・ワーク[3]


シナリオ制作ー1.プロモーション・ビデオ

 企業や製品などを映像で紹介する、いわゆるプロモーション・ビデオ(以下、PVと略します)の企画・制作にあたって最初に作るのは「構成案」で、「シノプシス」とも呼ばれる「あらすじ」を組み立てることです。どんな内容の映像にしたいのか、クライアントの意向をお聞きし、それに応えるべく企画するわけですが、ここで重要なのは「起承転結」をキチンと考えることです。また通常、その構成案とともに提出するのが「絵コンテ」で、これは構成案をよりわかりやすくビジュアル化したものになります。それなりのクオリティが求められる(そしてそれなりの予算が組まれている)PVの場合は、絵コンテ専門のデザイナーに頼んで作ってもらうのですが、近年はパワーポイントで私が作るというケースが増えています。…と、ここまでお話してきたことは、映像プランナーの仕事であり、本題のライティング・ワークは、この後、構成案が決まってからの作業となります。
 決定した構成案に基づき、より細かな演出を加えた流れがわかるように作るのが「シナリオ(台本)」になります。PVの場合、映像と音(音楽や効果音)、それにナレーションという3つの要素を組み合わせて作られるわけですので、各シーンごとにそれらをすべて盛り込んであるのがシナリオというわけです。つまり、シナリオ・ライターとは、細かな部分の演出を考えながら、クライアントと制作現場の両方に理解してもらうためのモノ(=台本)を作る人であり、TVや映画などの世界では「脚本家」と呼ばれる人たちとイコールの立場にあります。
 映像制作の場合は、「ディレクター」と呼ばれる、いわば「制作監督」を立てる場合も多く、ディレクターが映像や音楽などの演出を考える場合もありますので、その場合はライターとの2人3脚での作業となります。
 私の場合、例えば展示会などのイベント現場だけで流すようなPVの場合、大抵はプランナー兼ディレクター兼ライターという立場で動くことも多い(その方がスピーディかつ低予算ですむため、そういった需要も多い)のですが、構成台本に沿ってナレーション原稿だけを書くというケースもあります。
 また、役者を起用して動きのある撮影をするといった内容のPVの場合、さすがに私でもそういった現場の監督は出来ませんので、撮影現場では監督と話をしながら進めていくというカタチになりますが…

シナリオ制作ー2.イベントの進行台本

 イベントとひと口にいっても、様々なものがありますが、進行台本が必要になるビジネスイベントといえば、新製品の発表イベントを皮切りに、シンポジウムやフォーラムなどのプロモーションやCSR系イベントの他に、周年記念式典や各種のパーティなどがあります。
 企画にあたっては、PV同様、まず全体構成を固め、進行にしたがってどこで何をするかを考えていくという流れになりますが、映像を使ったプレゼンがあったり、パフォーマンスがあったり、はたまた来場者を楽しませるアトラクションがあったりと、盛りだくさんの内容をこなしていくことが多い傾向にあります。
 こういったイベントは通常、司会(MCとも言う)を立て、その人による進行が成否のカギを握るものですが、司会者の語りの元を作るのが、シナリオ・ライターの大きな役目となります。
 来賓の中には、政財界の大物と言われるような方が参列される場合もありますので、そういった場にふさわしい言葉使いが必要になります。当たり前のことですが、司会は主催者側の立場になりますので、社長であろうが会長であろうが呼び捨てにし、どのような方であろうと来賓の方には「〇〇様」と呼ぶようにするなど、常識的なビジネスマナーを踏まえていなければなりません。
 ただし、そういったイベントでも、型にはまってさえいればよいというものではありません。社葬やお別れ会イベントなどでない限り、普通、ハレの儀式ともいえる意味合いもあるのですから、来賓や参加者だけでなく、会社側のスタッフもある意味”楽しめる”ものにする必要があると私は思っています。通常業務ではないことをしてもらうわけですから、相応の”報酬”はあってもよいはずで、メインのイベント終了後は、社員だけで気軽に楽しめるような2次イベントがあってしかるべきだと考えています。

シナリオ制作ー3.セミナーなどの台本

 M.R.LABO業務のひとつに、マーケティングなどのセミナー講師をつとめることがあります。質疑応答も含めて、通常1時間半から2時間くらいのセミナーが多いのですが、そういうケースでも私は台本を作成します。参加者の属性にもよるのですが、基本的な理論に加えて、実際の事例などを盛り込み、よりリアルに感じてもらいたいためです。
 大まかな「あらすじ」のみを用意するときもありますが、多くの場合は、自分が話すべき内容を一字一句そのまま書き出していきます。もちろん実際のセミナーでは、その台本を読み上げるわけではなく、途中で脱線したり、飛ばしたりするのですが、話す内容を一度考えておくと、現場での安心感が違うためです。それともうひとつ、時間が読めるという利点もあります。出来あがった台本を時間を計りながら一度読んでみて、短ければ内容を追加し、長ければ削るという作業をしておくのです。
 さすがに他の人の講演台本まで依頼されたことはないのですが、録音された講演(音声データ)から文字起こしをし、ある程度まとめたり、文章的に整えたりする―そういった業務を依頼されるケースはたまにあります。どちらかと言えば、あまり得意な方ではないのですが…(苦笑)

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