見出し画像

言葉巧みに遠回せ!直接的じゃない作詞法

今回は作詞の話です!

歌詞の文字数は大体300字~500字くらいなもんですが、
たった数百文字の歌詞になるべく深みを持たせたいと思う作詞家の方も多いでしょう。

常人には理解が及びそうで及ばない代表としてスピッツの草野マサムネさんの書く詩はとても深みがありますよね!

しかしこのレベルの歌詞を書くにはちょっと特殊な才能が必要なので、
今記事にて私なりに論理的手法で深みのある作詞法というものを解説していきますので、どうぞ最後までお付き合いお願いします!

後述する作詞法をうまく応用すれば才能あふれる歌詞が書けるかも!?

それではいきましょう!

1.直接的な表現をあえて回りくどくする

直接的な言葉って分かりやすくて端的で通じやすいですよね。

しかし日常会話や仕事の現場では直接的な言葉で伝わりやすい方がいいに決まっていますが、歌詞においてはあまりに表現がストレート過ぎると面白みのある内容にすることは大変困難です。

歌詞というのは一見「どういう意味?」と受け手を一回疑問状態にさせておいて、よくよく見ると「そういうことか!」と解決させるという工夫をするというのも面白みのひとつです!

例えば恋愛系の詩で「抱き合う」という表現を使うとするならば、
この4文字を直接歌詞に加えるのではなくより回りくどく表現してみるとよいでしょう。

抱き合わせるキャラクターは男×女でなくても女×女、男×男、もしくはおっさん×おっさん、猫×犬、とかお好きなカップリングを想定していただいて結構です(笑)

一例を作ってみますと、

お互いの体を包み込む」とか、

もっと遠回しに表現するのであれば、

体温を寄せつけ合う」でもいいでしょう。

これ特に解説がなければ一見「抱き合う」という画は想像しにくいのではないでしょうか。

歌詞は文字だけで表現するものなので、
このようにどのような状況なのか受け手にいろいろと考えを巡らせる技も使えますので、あえて言葉の表現を遠回しにして歌詞に深みを与えるとオリジナリティも出やすく、一作品として質の高いものになります。

2.センシティブな言葉は比喩表現でカバーせよ!

YouTubeにオリジナル曲(PV付など)をアップしたい!

とか

自分の曲を配信したい!

と思ったとき、

果たして自分の歌詞のこの言葉は倫理的にどうなんだ?

と思うこともあるでしょう。

特にYouTubeなんかは言葉の表現に問題があった場合最悪削除される危険性もあります。
せっかく曲を作ったのに歌詞の表現が過激すぎて消された!とならないように使いたいけど問題のある言葉(反社会的なものや性的なもの)は比喩表現を取り入れてオブラートに包み込みまくりましょう!

前述した遠回しの表現方法を応用すれば簡単です!

またまた一例ですが、

「人間」を何か別の動物に喩えて「豚」「馬」「魚」などに置き換えて表現すれば、多少過激な内容になっていても人間に対する差別的な表現ではない!と言い逃れできることもあります。

社会に対する反骨的な言葉も性的な行いを作中に表現したい場合も全て遠回しに表現してみることを意識してください!

3.タイトルを歌詞の内容に含めない

曲のサビでタイトルを連呼する歌詞、
というのは割とセオリーではありますが、

歌詞の内容にタイトルの言葉が使われていない曲というのもありますよね。

個人的にパッと思いつくのでaikoさんの「キラキラ」という曲があります。
内容としては大切な人を待ちわびるひたむきな女性目線で歌われた曲です。
彼女の書く歌詞もとても言葉の表現が巧みで深い内容のものが多いですね。

実際この「キラキラ」という曲も歌詞中にある「明日」という言葉に対する未来への希望なのか、とか内容全体を俯瞰としてみた結果いい思い出だったなという解釈なのか、とかいろいろ考察することが可能です。

歌詞中にタイトルコールをしないことで受け手にいろいろ解釈させて深みを出すというのもこれまたひとつの作詞法ですね。

以前歌詞を書くにはタイトルから作るという記事を上げました。

ちょっと難しくはなりますが、
これとは逆に先に内容を考えてから全体をみた印象をタイトルにするというやり方もあります。

そうするとタイトルに深みを持たせることも可能なので、
いろいろ試してみると面白い作品に仕上がるのではないでしょうか。

4.季節の歌に “春夏秋冬” を使わない

季節の歌ってのもこれまた定番ですよね!

しかし季節感は表現しつつ “春夏秋冬” をタイトルや本文中に使わない歌詞作りというのも深みが出て面白いですよ!

もっともいいのが “季語” を使う方法です。

例えば春がテーマならば「桜」「暖か」「雪解け」など季語自体に「春」という単語が含まれていないものを選んで使ってください。

これやってみると分かりますが、かなり面白いです!

俳句でもよくあるんですが、
一例として松尾芭蕉の作品で「山路来て 何やらゆかし すみれ草」という句があります。

季語は「すみれ草」ですが、
この句の中に「春」という単語は使われておらず、
俳句は割と “春夏秋冬” を作中に使わないものも割合多く存在します。

でも句をよむ限り春の詩であることは分かりますよね!
「すみれ草」という言葉で季節を表現していますので「春」という単語を入れてしまうと表現的に重複して無駄が多くなってしまいます。

より短い作品であるからこそすっきりした文脈として構成しなければならないので季語は重要なワケです。

これを応用して作詞するときに直接的でない表現の季語を作中に取り入れることを意識すると面白いですよ!

5.まとめ

今回は回りくどい文章構成や遠回しな表現、直接的でない表現などを解説した作詞法を記事にしてみました。

実際でも京都の人って「ぶぶ漬けでもどうです?」=「そろそろお帰りください」の意味だったりとこのようなステレオタイプな話も存在します。

これは奥ゆかしさを演出するための常套句ですが、
裏付けは別の意味が含まれている表現もまたひとつ深みを与える方法でもあります。

直接的な表現を使わないことで受け手を不快にさせにくい内容やより考えさせる歌詞を作ることが可能ですので、今回記述した内容を参考に作詞活動を行っていただければ幸いです!

では今回はこの辺で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?