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「アホ」の代役を探してる|ほたての育児日記

移住した時に付きまとうのが方言問題
幸い私の住む地域はそこまで方言が強いわけではなく、日常的に会話をしていて違和感を感じたり、分からない単語がポンポン出てくるということはない。
「なまら」とか「〜だべ」とか、北海道らしいな〜と思う方言を聞くことは良くある。
中でも「めんこい」という言葉は息子に対してよくかけていただくので馴染みがあり、「めんこいねぇ〜」と言っていただくと安心感を覚えるようにもなった。

今回お話したいのは、私の方言問題である。

生まれも育ちも大阪の私は、もちろん普段使う言葉も関西弁。
ただ、関西圏以外の人と話す時は、関西弁が出ないように気をつけている。
理由は、関西弁ってなんだかキツく聞こえる気がするから(私の偏見)。

社会人になってからは色々な県を転々としていたので、それなりに標準語っぽく話す術は身についた。
夫と話す時も半分以上は標準語で話している。
問題は、息子に話しかける時だ。

初めは特に困ることはなかったのだが、息子が成長するにつれて声かけや話しかけをする機会が増えた。
その結果、関西弁がめちゃくちゃ出てしまう
多分素の自分で息子と接しているからだと思う。
例えば息子が充電器のコードを噛もうとした時、
咄嗟に出るのは「アカンで!」
次に出るのは「これは食べたらアカンねん」

今まで生きてきて染み付いたものは、そう簡単に落とすことが出来ない。
これを瞬時に「食べちゃダメだよ」と言い換えることは私にはできない...

百歩譲って北の大地に関西弁バリバリボーイが育ったとしよう。
それは別にいいとして、この前知り合いのママにこんなことを言われた。
その方は他府県から大阪に引っ越してきたのだが、自分の息子に対して「アホ」という言葉を使われるのが相当ショックだったそうだ。
あまりのショックに、息子の同級生に直接「アホって言わないで」と注意したらしい。
だから貴方も気をつけてね、と。

それを聞いて、複雑な気持ちになった。
関西では「アホ」という言葉はよく使われるが、それは一概に他人を馬鹿にする時にのみ使うものではない。
なんというか、表現するのが難しいのだが、使い方によっては愛情みたいなものが込められていたりするのだ。
例えばちょっとしたミスをした時、「アホやなぁ」と笑ってもらえるだけで少し心が軽くなったりする。
私も親に様々な局面で「アホやなぁ」と言われ育ったし、そのアホはきっと本当に馬鹿にする意味ではなく、呆れるような、笑いに変えるような、そんな意味合いがあるのだ。
もちろん人に対して傷つける意味で「アホ」と言うのは決してよくない。

ここまでのことを踏まえて心配なのは、
私はきっと息子に「アホやなぁ」を使ってしまう。
意識していても口をついて出てしまう瞬間がきっとある。
だから、息子が将来「アホ」という言葉を覚え、他人に対して使ってしまった時、この場所で受け入れられるのか?ということだ。
言葉は親からも学ぶものだし、息子はおそらく私の関西弁を受け継ぐだろう。
その言葉が、人を傷つけるかもしれない。
そう思うと私は、どうするべきかとすごく考えさせられる。

だったら標準語にしたらいい!
直せばいい!
息子の前で使わないように気をつけたらいい!と思った方、
そう簡単な話ではないんです...
今まで30年以上使い続けてきたものを、そう簡単に矯正することは難しく、そして子育てという余裕のない時にこそ咄嗟に出てしまうんです。

関西からの移住者は私以外にも沢山いるし、そこまで考えすぎなくてもいいことなのかもしれない。
だけど人に言われた話が引っかかって、なかなか前に進めない自分がいる...
この話にはまだ解決法も正解も見いだせてないけれど、いつか「アホ」に変わるチャーミングな文句を見つけられたらいいなと思う所存です。
もしご存知の方、素敵なアイデアをお持ちの方が居ればこっそり教えてください。

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