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レイマルどこも行かないで運動を考える

 ファイターズの今年の外国人野手は、マルティネス、レイエス、スティーブンソンの3選手でした。スティーブンソン選手は、残念ながらその実力を発揮できず、8月末での退団となってしまいましたが、マルティネス、レイエス両選手は、チームの主軸打者としてCS進出の立役者となりました。

 そんな両選手に対して、最終戦セレモニーで新庄監督が「この2人は他チームのユニホームは似合わない。どこも行かないで運動をしましょう」と異例の呼びかけを行い、ファンのみならず、メディアでも話題となっています。

 両選手の今シーズンの活躍ぶりは、ここでは省かせてもらいますが、ともに単年度契約で年俸も1億円程度と「優良助っ人」と言っていいでしょう。最近はNPB投手のレベルが向上していますので、かつてのように新加入「助っ人外国人」が簡単に活躍できなくなっています。外国人選手は宝クジとも言われており、金満球団は新しい助っ人を発掘するより、他球団で活躍した選手を引き抜くといったケースも目立ちます。


これまでの契約事情とは

 この2選手の契約事情は異なります。マルティネス選手は、キューバ出身で、中日の育成選手として入団。支配下契約となりましたが、キャッチャーが本職ということもあり、出場機会が限られ中日を退団。昨年よりファイターズに入団しました。

 ただ、亡命選手ではないので契約主はキューバ政府となります。どうやら彼の身分は、キューバ国家体育省の職員とのことで、国家公務員に相当するようです。そのような背景から、契約は彼自身というより、政府の意向が大きく影響し、よりよい条件で、外貨稼ぎの契約をしようという意向が垣間みられます。年俸も全てがマルティネスに入るわけではなく、半分以上は政府にピンハネされるなどのウワサもございます。

 また、キューバ球界的には、彼がキャッチャーとして契約できる先を探しているなどとも言われています(実際昨年のWBCでは正捕手)。本人はチームに愛着もあり、守備位置など関係なく残留意向が強いとされますが…

 レイエス選手は言わずもがな、バリバリの元メジャーリーガーです。シーズン 38本塁打を記録したこともありますし、メジャー通算10 8本の実績が物語っています。今年の春季キャンプでも、MLB 評論家が注目の選手としてレイエスを上げていました。これだけ実績があって、よく日本に来たなという印象でしょう。ここ数年は結果が振るわなかったものの、昨年のウインターリーグでHR を量産し存在をアピール。日米数球団争奪戦の上で、ファイターズとの契約となりました。とはいえ、推定年俸1億円(出来高契約はもちろんたくさんついているでしょうが)というのはお安い買い物ですよね。

 チームにもすっかり溶け込み、今やファンからも大人気選手です。グッズ販売も即完売と、バッティングのみならず絶好調です。新庄監督の絶妙な選手マネジメントもあり、彼自身もやりがいを感じてプレーしていると思います。ただ、外国人選手は年俸を稼ぎに日本へ来ていることも事実。年俸=自分の評価であることは否めないですし、チーム愛だけで残留するとは思えません。

 また、今やリアルタイムで情報が全世界に配信される時代。おそらく彼の活躍は、アメリカでも注目されているでしょうし、メジャー球団が接触することは必須でしょう。そうなると必然的にマネーゲームの香りがプンプンしてきますね。

常勝球団へ欠かせない二つのピースに

 この二人に共通して言えることは、とにかくまじめで一生懸命。かつ、チームのためなら自身を犠牲にできる「超優良助っ人」であることです。レイエスは春季キャンプの時から、全力疾走で走塁練習をこなし、あのカワイイ走塁も見せつけてくれました。やることはないであろうバント練習まで取り組んでいた姿も見られました。5月に2軍降格を命じられても、腐らず自身と向き合い、2軍選手を先生として、コミュニケーションも密にとっていました。

 マルティネスも春先から守ってきた4番の座を、8月にはレイエスに奪われ、出場機会を減らします。それでも代打や下位打順で、フォアザチームを牽引してくれました。ヒーローインタビューでの、「どんな役割でもチームに貢献すること」や「チーム残留を熱望発言」はファンの心を胸熱にしましたね。

 これらは、ただ陽気な外国人選手のリップサービスやプレースタイルとは思えません。今、若い選手ばかりのファイターズが、現在進行形でレベルアップしている中で、彼ら自身も野球を愉しみ、チームに貢献している姿ではないでしょうか。新庄監督はファイターズが進むべき道を、「勝つチームではなく、勝ち続けるチームになる」ことを目指しています。そのためにはこの二人の存在は必要不可欠ですし、年俸は弾んでも長く投資する価値は十二分にあると思います。個人投資家のハシクレとしても、絶対勝負すべき案件と考えます。

発言の本当の趣旨とウラガワ

 話は戻って、最初の「どこも行かないで運動」発言について。新庄監督は、これまでもサプライズ行動で注目を浴びています。ただ、突拍子もなく思い付きでやることはないとの証言がチーム関係者からは聞かれます。サプライズの時こそ、用意周到に根回しをするのだとか。今回の発言も、チーム編成権のない監督が、希望的観測から発したものではないと思います。

 先日、地元メディアが残留決定的との記事を配信したのですが、そこにも全く裏がない(いわゆる飛ばし記事)とは思いません。吉村氏と栗山氏によると思われる、交渉は上手くいっているとワタクシは推測します。ただ、前途した通り、契約ごとは最後までわかりませんし、特にマネーゲームはどんでん返しがあるかもしれません。最後のひと押しを、ファンの皆さんの声にお願いしたいとの趣旨と理解します。ですが、くれぐれも選手本人への DMはご遠慮願いたいです。誹謗中傷ではないとしても、友達ではないのでね。

ファンが一番望んでいるのはあの人の継続

 ここまでレイマル残留希望のお話をしてきましたが、もっとも肝心な方の残留発言を聞いていません。新庄監督に対しては、アンチが多数存在していることは承知します。しかし、ここまでブレずにチームを強くした実績は絶対否定できません。もちろん技術的な指導や戦術面でも評価できることも多いですし(アンチはここは評価しないと思いますが)、1番はチームのプロデューサー的立場で、選手のモチベーションを上げていること、それが結果的に選手の飛躍的なレベルアップに繋げている事だと思います。

 監督の性格的に、長期政権になるとは思っていません。しかし、目に見える成長を遂げている中で、もう一年、「勝ち続けるチーム」を完成させませんか?3年という期間にこだわっているとの過去発言もありました。来年はエスコン3年目。パリーグを制覇するお姿を絶対見たいです!

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