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10分カウンセリングのすすめ

ツイッターで10分無料カウンセリングというのを3回ほど募集しました。来てくださったかた、ありがとうございました。

応募は多くはなかったです。いくつか理由は考えられますが、「もしかしたらこれも理由?」と思うのは、10分という時間が短く感じられたのではないかということです。

ボーっとしていたらすぐ経ってしまう時間なので10分は短いです。でも、カウンセリングというフレームで、話す気になって話し、聞く気になって聞くと、10分は十分まとまりのある時間だと思います。

聞き手としては、話の内容だけでなく、どういう場面に話し手がいて、登場人物がいて、話し手がどういうふうに動き、登場人物がどんな思いを抱き、これからはこうなるのではないか、というのが話を集中して聞いていると見えてくるし感じられるのです。それをコメントや質問の形で返していくと、どこへ導かずともクライアントの知見は進むのです。

コメントや指摘は、相手がその通りですと思わなくてもよいのです。まったく違っていたとしても、他者の視点を知ることで、相手の世界が広がったりします。同じであったら、それを他者の口から聞くことがとても大事です。質問は自分の好奇心でもよいですし、コメントしたいことを質問の形に変えたらこれはとてもよいです。

(余談ですが、オンラインセッションで「これは!」と感じたことがあります。相手を見ようとしなくても顔色がすぐわかる!私はリアルでは距離を近くとり、クライアントと正対せず斜めに座ることが多いので、正面から直接顔を見ることがなかったのです。いつもと違う見え方がとても新鮮です。)

というように、人の話を短い時間でもじっくり聞くことはとてもおもしろいのです。「さあ話して」といっても話さないかなと思いますが、相手が話しだしたら聞くといいのです。相手の世界に入って見ていてあげて、気づいたことを返してあげるのです。

すぐアドバイスしたくなったらそれはちょっと聞き方が違うのです。相手の話に対して自分の感情が刺激されて、それを持っていたくないから解消のためにアドバイスしているのです。相手が本当に求めている場合は別で、相手と自分のニーズが合えばそれはそれでよかった、ってことになるでしょうけれど。

家族や同僚、友達に対してよい聞き手であった経験がみなさんあるでしょう。今もきっとそうだと思います。私も一日が終わって同僚と話すのがどんなに慰めだったか、気づきがあったか、救われたか、よく思い出します。今触れ合う人は以前より少ない数だけれど、いずれは一人きりになるときがくるかもしれません。そのときはきっと今の状況を懐かしく思い、ああもっと聞いておけばよかったと思うかもしれません。

そんなわけで、毎日触れ合う人たちを大切にしようと思う今日このごろです。


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