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ケチつけられるみかん|#祖父母宅にて

この時期は親戚伝てでいただく、身のしまったリンゴをよく夕食後に食べる。ただ、こたつで食べるといえばみかんも捨てがたい。そんなみかんにまつわるお話です。

仕事終わり、今夜の夕ご飯の食材を買うためにスーパへ向かう。その日は、たまたま前日気まぐれで作っていたもやしのナムル、コンビニでつい手に取ってしまったキムチ、そして冷蔵庫にはほうれん草があったのを思い出した。むむ、今夜はビビンバじゃね?

すぐにばあちゃんに電話し、ほうれん草を茹でておくよう伝える。あとは挽肉とコチュジャン、豆板醤を買えば良い。そんなことを考えながらスーパーの入り口を通過した。すると、みかんコーナーが目に入った。そして、ふとこんなことを思い出した。

先月頃の話。ばあちゃんがみかん食べたいって言ってたからと、いとこが仕事帰りに彼女行きつけの八百屋に寄ってわざわざ買って来たのに、いざ食べさせたら「甘くない」だとなんだの文句ばかり言われた、と本人から愚痴を言われたのだ。せっかく疲れてるところ親切心で買ってってくれたのに。甘くないのは事実だったとしても、まずは感謝だろう!まぁ、ばあちゃんはこういう人なのだ。

さて、話を戻す。最近みかんを食べていなかったのもあって、今度は甘いみかん買ってってやるか、と。あんまりたくさん入っていると食べきれないから、程よい個数のやつを買う。糖度は12度らしい。それがどれほど甘いのか分からないが、カゴに入れた。

帰宅。ビビンバは思いのほか好評だった。少食の祖母がモリモリ食べている。ちなみに、お正月に叔母さんが作ってくれた大根の“おなます”がいいアクセントになった。ありもシリーズ*を使いつつ、大成功。

ありもシリーズ:冷蔵庫にあるものだけで適当に作って食べるという造語

さぁ、食後。2人ともお腹いっぱいだったが、みかんは別腹だ。皮を剥く。ドキドキしながら祖母の様子を観察していると、ただただ無表情でテレビを見ながら食べている。何も言わない。これはつまり、美味しくなくはない、ということだ。わかる、そういう反応だ。

俺「甘い?」
ば「うん、そうだね。」
俺「こないだT子が買ってきてくれたみかん、覚えてる?ばあちゃん、甘くないって文句言ってたんだよ?T子かわいそうに。。笑」
ば「そうだった?私覚えてない、悪いことしたねぇ笑」

全然悪気がない。こうなるのも想定内。年寄りに過剰に求めるのも違う。ただ、毎度のことながら、そう決心した翌日には、また別のことで「(あー、もうっ!)」ってなるのだ。その繰り返し。寛容でありたい笑

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