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宇宙刑事ギャバンと時代劇とファミコンとちょっとした問題

とりあえず焼プリンの画像で。もう画像のネタがなくなってきたよ。

『宇宙刑事ギャバン』が、とうとうYouTubeで東映が公式に配信し始めましたね。
当方、アマプラで途中まで見ていたのですが。また改めて最初から見直しましょうかね。
『ギャバン』が40年前の特撮ヒーロードラマとして斬新だった点をいくつか挙げると、
・主演にジャパン・アクション・クラブ(現・ジャパンアクションエンタープライズ)の大葉健二氏を起用。変身前からバリバリ(この言い方、古い?)のアクション。
・いや、変身とは言わないんだ。コンバットスーツをわずか0.05秒で「蒸着」する。しかも左右非対称のメタリックなスーツになる独特のデザイン。
・魔空空間という不思議な空間での戦闘。
・レーザーブレードという武器と必殺技ギャバン・ダイナミック、さらにそのときの音楽もビジュアルとの相乗効果によるかっこよさ。
……まだまだあると思いますが、とりあえずこんなところで。

ただ、これを非オタの人に言っても通じないんですよね。
「でも、結局は変身(変身っていうのもよくわからんけど)して着ぐるみのヒーローになって、着ぐるみの化け物と戦うんだろう? ほかの特撮と同じじゃん。何が違うの? 細かい違いなんか言われてもわかんねえよ。オタクはめんどくせえな」
これに準ずる言葉を、オタクなら言われたことがあるはずだ。
ギャバンとか特撮とかに限らず。
サスペンスドラマが好きなら、「どうせ旅先で殺人事件に遭遇して、崖で事件を解決するんだろう? 全部同じじゃん」
刑事ドラマ好きなら、「どうせ主人公の刑事が放送時間内に事件を解決するんだろう? 全部同じじゃん」
医療ドラマ好きなら「どうせ主人公の医者が困難な手術を成功させて患者を救うんだろう? 全部同じじゃん」

各ジャンルには、お約束というものがあり、このお約束を保ちつつ、中身の部分でオリジナリティーを出していくわけです。
お約束は基本的に変えません。これは、そのジャンルが好きな人たちが期待する部分だからです。
しかしそのジャンルを好きじゃない人、よく知らない人は、お約束部分しか目に入らなかったりします。
だから同じようなものとしか思えないし、中身がいくら違っても、細かい違いにしか見えないんでしょうな。
いろんな種類の駅弁を見て「箱に入った食べ物だから全部同じだ」と言っているようなものですな。

ほかにも、こんな話題がネットに上がりました。「今の朝ドラの主人公は時代劇好きなのに、なぜ大河ドラマを見ないのか」と。
大河ドラマは時代劇とは限らないのですが、それは置いておくとして。
わたしも少年時代、時代劇は見ていましたが大河ドラマはほとんど見ていませんでしたよ。
時代劇は多くが勧善懲悪もので、特撮ヒーローみたいに様式美を守りつつ悪者をやっつけるというパターンです。もちろん、勧善懲悪だけではなく人情ものとかダークヒーローやアンチヒーローものもありますが。
それに対して大河ドラマは、歴史や事実をもとにしたものが多いです。様式美とか勧善懲悪とかが入り込む感じではありません。
全然違うじゃねえかってわたしは思うんですけどね。
でも時代ものをよく知らない人からすると、チョンマゲ結って着物を着て刀を持った人がうろうろしていると、全部同じに見えるんでしょうね。
まあ、チョンマゲは基本的に江戸時代であり、大河ドラマで戦国時代が舞台だったりするとチョンマゲではないし、刀は武士しか持っていないはずなんですけどね。興味ない人からすると、区別がつかないだろうし、それ以前に、どうでもいいんだろうな。

知らない人からすると混同するものとして、ファミコンっていうのがあります。
今はそんなことなくなったけど、わたしが子どものころは、大人からすると「テレビにつないでピコピコするもの」は、どんな機種でもファミコンでした。
当時の大人たちからすると、ゲーム機なんて全部同じようなもの。区別をつける価値もない。そんな感じだったのでしょうね。
ファミコンじゃなくて別の機種だと言おうものなら、「そういうのをファミコンというんだ」などと勝手な定義づけをされたり。
「ファミコンじゃなくて、これはスーパーファミコンだ」などと答えようものなら、「ほうら、やっぱりファミコンじゃないか」なんて言われるんですよね。
当時の大人にとって、ファミコンというのは大きなインパクトがあり、「そのジャンルを代表するもの」が「そのジャンルそのもの」に変化してしまったのでしょう。
特撮ヒーローを全部「戦隊もの」と呼んでしまうのと似てますな。

さて、いろいろ書きましたが、ギャバンの続編の『宇宙刑事シャリバン』もいずれYouTubeで配信されるのかな。それも楽しみです。

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