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6. 自分に嘘をつかないこと

現実から逃れるため、浴びるようにお酒を飲むようになりました。全く楽になることはなく、苦しみは増していきました。そこで、もう一度自分の気持ちに向き合うことに。

心療内科やメンタルクリニックを調べる

このままではいけないとは思ってはいた。ただどうしたらいいのかわからなかった。気軽に誰かに相談できるような内容ではなかった。

お酒飲んでは自己嫌悪、記憶をなくす、夜になると涙が溢れる、お酒なしでは朝まで眠れない。普段何もないときでも涙が溢れるようになった。そしてまた飲みに行く。抜け出せなかった。

こんな日々が何ヶ月続いただろう。

うつ病やアルコール依存症について、調べ始めた。いくつかの心療内科やメンタルクリニック等も調べた。

結果、自分のこの状態に名前があるとしたらうつ病やアルコール依存症なのだけれども、どこの心療内科に通ったとしても私の問題は解決されないだろうと思った。例えば心療内科で、話を聞いてもらい、薬をもらったとして、それが一体何になるのか。お酒が薬に代わっただけで、全く同じではないか。

時には薬で楽になれるならそれはそれでいい、そう思ったこともあった。しかしそれでは一時的に良くなったように感じるだけで、本当の意味では楽になれない。それくらいはおかしくなった私にもわかった。

子供が欲しいという気持ちに蓋をし、お酒で忘れることができたというのは、結局アルコールで脳に麻酔をかけていただけである。麻酔から覚めた時の痛みは日に日にひどくなっていったし、麻酔なしでは生きられなくなっていた。きっとアルコールが薬に置き換わったところでこの苦しみからは逃れられないだろう。

私にはもっと根本的な解決が必要だった。

※当時の私の心境であり、心療内科やメンタルクリニックを否定するものではありません。

方法は何でもいい。苦しみから抜け出したい

生きていること自体が辛かった。かといって人生を終わらせる気力もない。 とにかく苦しみから抜け出したくて、いろいろな選択肢を考えた。

全てを捨てて、今までの自分を誰も知らない海外で生活したらどうだろう。新しい場所で新しい仕事をし、新しい恋に生きる。当然苦労もするだろう。しかし生まれ変わった私はきっと全てを受け入れ、コツコツ1から頑張れるのではないか。

大学に入り直して、死に物狂いで勉強し、世の中の役に立つ職に就きそれに人生を捧げる、なんてどうだろう。直接的に世の中の役に立っていると実感できる職業、例えば医師になれば、高尚な使命感の元、日々のことに忙殺され、自分の苦しみなどにかまっている暇はないのではないか。

苦しみから逃れられるのであれば、本当に何だっていいと思っていた。

一通り思いつく限りの生き方を全部洗いだしてみた上で、結局どれも、自分が本当に望んでいるものから目を逸らし、誤魔化しているだけだった。現実に向き合うことに恐れ、逃げ回っていた。

自分の気持ちにもう一度向き合う

私がここまで思いつめたのは、全ては「子供が欲しい」という一点からだ。どんなに誤魔化しても目を逸らしても逃げても、その気持ちに向き合わない限りは一生苦しむだろう。ないものねだりはやめよう、今ある幸せに感謝しよう、その通りだとは思う。そう思うように努力してきた。ないものねだりという言葉は非常にネガティブで、卑しく聞こえるが、本当にそうなのか。純粋に何かを得たい、こうありたいという気持ちを認めること、まずはそこから始めようと思った。

もうここまで堕ちたんだから、ここで一度、自分が本当に望むことにちゃんと向き合おうと決意した。もしそれでダメだったらその時はまた考えよう。できることを全て全力でやってから、依存症になりたければなるし、海外逃亡でもなんでもすればいい。

私が本当に望んでいることは何か。少なくとも、飲みすぎて会社を休んで、一日中ベッドの中で私が日本の不幸代表です、みたいな顔していることではない。ましてや突拍子もない考えに従って、夫や家族、友人、仕事を捨てて旅立つのも本意ではなかった。

続く

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