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ポスト少女カリプスの少年

少女由来エネルギーで高度発展を遂げた少女文明は、一瞬で世界の8割近くの少女がお砂糖とスパイスの塊になる「少女カリプス」により滅亡した。

「もう備蓄用人工少女が足りないよ、フロッグ」泣き虫スネイルが大量の砂に埋もれ動かないオンボロAI付きジープを叩く。遠くから血と少年(少女が希少のため価値が高い)に飢えたモヒカン共のバイク音が聞こえてくる。子供2人相手にずりぃぞ!そう毒づく俺の首筋は汗と、砂漠めいて広がる砂糖やスパイスが引っ付きベトベトだ。
背後では投げ捨てられた人工少女達の殻が空虚に笑う。彼らは天然物とは違い、使い切っても砂糖の塊にはならない。気味が悪いが余所見をしている場合でもない、俺達は世界の何処かにいるという伝説のエネルギー源「永遠の少女」を探しだし村を救うのだ。ここで死ぬわけにはいかない。
生き残る方法は?俺は最近また膨らみつつある自らの胸に手を当て考えた。

その時だった。
【続く】

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