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どうぶつの森とわたし

時はさかのぼって今年の初め、Switchのソフト「あつまれどうぶつの森」が発売になってから私はSwitchを購入するかを迷っていた。

以前からSwitchにはそれなりに興味があったが左程ゲーマーでもないので買うほどでもないな~と思っていた。
私のゲーム遍歴は大学時代の3DSで時が止まっていて、さらに社会人になってからは全くゲームをしなくなったので、買ったとして全然しないだろうなと思っていたのである。

しかしどうぶつの森である。

どうぶつの森は結構世代直撃のゲームであった。
私にはゲームキューブのどうぶつの森+をやりこんでいた過去があり、本当に大好きなゲームだったので、やや欲しいなと思っていたSwitchで出るなら久しぶりにあの世界に行きたい!と思ってしまった。

しかしである、新型コロナウイルスの影響でSwitchの需要がめちゃくちゃ高まってしまい、全然買えなかった。転売ヤーにより値段が高騰したものばかりがネットに出回り、定価のものは常に在庫が0だった。

2月末~4月にかけて、コロナの影響で仕事へのストレスがものすごくて、せめてSwitchで癒しを…!と強く思っていたが色んな抽選に応募しても全く当たらず、仕事のストレスと、Switchが手に入らないことのストレスの二重のストレスに苦しめられることになった。
TwitterでもともとSwitchを持っていてすでにあつ森を楽しんでいる友人のツイートなどを目にすると悔しかった。気分はまるで被害者である。

定価以上では絶対に買わないという鋼の意志で抽選にいそしんではや数ヶ月、全く当選の気配はなく、金で解決した方が精神的にはハッピーになれるのではないかと何度も思ったがひたすらに我慢していた。忍耐の女。ここまでくるとあつ森がしたいというよりは、Switchを手に入れたいという感情に支配されていた。家族もその執念にすこし引いていた。

転機が訪れたのは7月中旬だった。

恋人とたまたま訪れた電機屋さんでSwitchの抽選販売を行っていた。
今までは私は1人で躍起になって抽選にぶつかっていたのだが、今日は恋人が隣にいて彼もその電機屋のカードを持っていたので一緒に申込みをさせてみた。

結果は電話連絡とのことだったが、例のごとく待てども待てども私のところには着信は無く、傷心の私は次の日が休みだったので仕事帰りに一人でミニシアターに向かい、ジム・ジャームッシュの「デッド・ドント・ダイ」を見ることにした。(https://eiga.com/movie/91128/
へんてこな映画だったなとエンドロールを横目に携帯を確認すると恋人からメッセージが入っている。
「映画終わったら家に寄ってね」
私は胸がどきどきして、これはまさか…とはやる気持ちで車を飛ばした。

夢にまで見たSwitchを持って出てきた恋人の姿を私は当分忘れないだろう。

仏様の様に輝く彼に手を合わせながら、心の中では初めて抽選に挑戦した奴が一発で当てたことに言い知れぬ悔しさを感じてしまっていた。あんなに私は応募しても駄目だったのに...無欲の勝利とでもいうのか…。
代金は後日、耳を揃えてきっちり彼に支払いました。

こうして私は無事7月から無人島をかけずり回る生活を送っています。



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