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【メリデメ比較】NFTアートの記録先としてのEthereumチェーンとPolygonチェーン

昨今NFTアートの売買で、一般の人も関与するシーンが増加しています。NFTアートの記録先としてのEthereumチェーンとPolygonチェーンが比較されますが、それぞれのメリットデメリットを理解するには、NFTやブロックチェーン、仮想通貨の基礎知識が必要です。

本記事では、NFTとブロックチェーンと仮想通貨等の関係性について説明し、最後にNFTアートの記録先としてのEthereumチェーンとPolygonチェーンのメリットデメリットを解説します。

NFTとブロックチェーンと仮想通貨ウォレットの関係性

NFTはブロックチェーンという技術基盤の上に成り立っています。ブロックチェーンは、取引情報が蓄積されているデータベースのようなものです。例えば、「AさんがBさんにこのNFTを送った」や「CさんがDさんに〇〇ETHの仮想通貨を送った」といった情報が格納されています。

一方で、仮想通貨のウォレットは、そのウォレットに何かが入っているのではありません。ウォレットはブロックチェーンにアクセスして、自分に関する情報を確認し、今自分はいくらの仮想通貨を持っているか、どのNFTを持っているかを表示するアプリケーションです。

ウォレットは、固有のアドレスを保持しており、このアドレスが送り手や受け手の識別子として機能しています。近年では、ウォレットの情報で、NFTマーケットプレイスをはじめとするWEB3系サービスにログインする方式が増えています。ウォレットのアドレス情報等が、従来のWEBサービスのIDとパスワードのような働きをします。

ウォレットの情報でログインし、NFTマーケットプレイス上でNFTを売買すると、そのウォレット情報を利用して、NFTマーケットプレイス経由で、ブロックチェーンに自分が関与するNFTや仮想通貨の取引情報が記録されるという仕組みになっています。

ブロックチェーンと仮想通貨の関係

仮想通貨やNFTなどの取引情報がブロックチェーンに記録されていることを前述しましたが、ブロックチェーンにはいくつかの種類があります。Ethereum(イーサリウム)や、Polygon(ポリゴン)、LINEブロックチェーンなどです。有名ではないものも含めると数えきれないほど無数にあります。つまり、Ethereumチェーン上に記録されているNFTもあれば、Polygonチェーン上に記録されているNFTもあることを意味します。

取引に利用される通貨も、ブロックチェーンによって異なります。Ethereumの場合はETH(イーサ)やwETH(ラップドイーサ)、BAT、DGなどです。他にも存在します。Polygonの場合は、MATICとETH、LINEブロックチェーンだとLINKです。なお、ビットコインはBTCという通貨で、Bitcoin Core(ビットコインコア)というブロックチェーンの上で取引記録されています。

ETHというキーワードが複数出現していますが、Ethereum上のETHと、Ethereum上のwETH、Polygon上のETH、これらはすべて別の通貨です。Ethereum上のNFTはEthereum上のETHで売買され、Polygon上のNFTはPolygon上のETHやMATICでやり取りされます。つまり、Ethereum上のETHを大量に持っていても、Polygon上のNFTは購入できません。仮想通貨取引所で、事前に各通貨を交換、あるいは取得しておく必要があります。

名前は同じですが、基盤となるブロックチェーンが異なると、異なる通貨と認識される点を理解してください。ただし、Ethereum上のETHとEthereum上のwETH、Polygon上のETHの価値(ドルや円への交換レート)は同じです。システム上では別通貨とみなされますが、現実世界の市場価値が同じです。

仮想通貨ウォレットを操作する際は、必ずどのブロックチェーン上のやり取りであるか指定する必要があります。ブロックチェーンや仮想通貨が乱立していますが、取引の際は、どのチェーンのどの通貨で取引を行おうとしているのかは非常に重要なポイントです。

NFTアート記録先としてのEthereumチェーンとPolygonチェーンのメリデメ

2022年現在、双方非常にメジャーなブロックチェーンですが、ブランド力はEthereumに軍配があがります。NFTコレクターにとって、Ethereum上に記録されているNFTのほうが、ブランド価値が高いと考えられています。

また、Ethereum上での売買に利用されることが多いETHは、Polygonチェーンの通貨であるMATICとかETHより流通量が多いため、この点でもEthereum上にNFTを発行するメリットがあります。

一方、Polygonチェーンの最大のメリットは手数料の安さです。Ethereumにせよ、Polygonにせよ、チェーンに取引情報を記録するには手数料が必要になります。ブロックチェーンは、コミュニティーによって管理されており、取引記録を行う人に手数料をインセンティブとして与えることで運営を実現しています。つまり、無料で取引を記録できません。手数料が必要です。

Ethereumの手数料が近年かなり高騰しており、リーズナブルなNFTを購入したくても、手数料自体がNFTそのものの価格より高くなるケースがあります。Polygonチェーン上での取引記録の手数料は、2022年現在でも非常に安い状況です。つまり、Polygon上のNFTは、手数料観点で買い手が買いやすく、売り手も売りやすいというメリットがあります。

※例えば、OpenSeaでNFT1品購入する際の手数料は、Ethereum上のNFTの場合は数千円、Polygon上のNFTの場合は数円程度です。ただし、為替や各ブロックチェーン上の取引状況の混雑具合で変動するため、あくまでも目安としてとらえてください。

日本の場合に限ってですが、Polygonチェーンのメジャー通貨であるMATICは、国内仮想通貨関連サービスだけでは入手しづらく、追加のデメリットとして挙げられます。

まとめ

近年、NFTアートの売買を行う人が増えています。NFTアートの記録先として、EthereumチェーンとPolygonチェーンは、それぞれ異なった強みを持ちます。NFT売買の際は、本記事で解説したメリットデメリットや、ブロックチェーン・仮想通貨等の前提知識をぜひ参考にしてください。

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