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ぽぽら春日部モヤモヤカフェ(2020年12月)

12月19日(土)に、ぽぽら春日部でモヤモヤカフェを開催しました!

2020年最後のモヤモヤカフェを開催しました。今年は誰もが経験したことがない大変な一年でしたが、一年の終わりに春日部で活動している3人の女性がステキな物語を届けてくれました。どんなことでも長く続けていると、そこには人のつながりが生まれ、人のつながりはさらにたくさんのストーリーを生んでいきます。最初は一人きりで始めた活動がどのように展開していくのか…? 三者三様の物語をお楽しみください。メリークリスマス!!

『いつも正直に。子どもたちに向き合い続ける見守り活動』

1.子ども見守りモヤモヤ
 【モヤとも】野口 泰子さん(三本木自治会 見守り隊)

野口さん

 藤塚の三本木で見守り活動をしております野口と申します。65歳で児童養護施設の保育士を退職しまして、同じ時期に見守り隊を始めました。まずはじめに危ないところがないか通学路を(自分で)歩いてみたのですが、犬の糞やたばこの吸殻の多さにびっくりしました。それから、バケツとほうきとちりとりを持って(吸い殻を拾いながら)学校まで行こうとしたのですが、(拾う量が多くて)全然進みませんでした。でも、毎日続けていくことによって距離が伸びてきたんですね。「今日は1年分の365本拾えればいいかな」とか目標を持ちながら拾ったりしていました。
 何年か見守り活動を続けているうちに、子どもたちがうちに遊びに来てくれるようになりました。子どもたちがうちに来るときは、必ず「挨拶をする」「脱いだ靴をちゃんと揃える」という2、3個のお約束をして、宿題をやったり、おやつを作って食べたりしていたのですが、今はコロナで子どもたちが来れなくなり、子どもの声が聞こえなくなってしまいました
 (見守り活動で)毎日子どもたちと触れ合っているなかで、相談というか、色んな話をしてくれるようになった子どもたちもけっこういまして、両親には言えないことや、いじめのことも話してくれるようになりました。10年もやっていると、お子さんのその日その日の顔色というのが分かってきまして、ちょっと声をかけると「あの子と喧嘩している」とか「いじめがあった」ということがありました。
 朝晩の見守りの帰りの時間にたまたま話をするようになったお子さんで、小学校はスムーズに通えていたのに、中学校に入ってから不登校になった子がいました。電話をいただいて話をすると、いじめがあったみたいなのですが、それはそれでもう本人には聞かなくて、普通に公園にお弁当を持っていって(一緒に)食べたり、サイクリングに行ったりしました。ご両親のご理解もあり、今は学校を変更して、毎日元気にフリースクールに通っています。
 それから、お母様が再婚した当時小学3年生の男の子がいまして、下のお嬢さんはまだ小さいので新しいお父様を「パパ」と呼べるそうなのですが、「僕は(今のお父様を)パパと呼べない」と言うんです。呼べなくてもいいんだよという話をしたらフッと(顔が)明るくなったというようなこともありました。
 見守り活動はもう12、13年ぐらいやっています。(長く続けてこられた理由は)「私もあんな風に子供の頃は素直だったのかな?」と思ってしまうほど、お子さんはとても素直で、天使ですよね。正直に話してくれるから、こちらも正直に経験したことを話してあげると遊びに来てくれるんです。今年のハロウィンの時にキャンディを1個持ってきてくれたお子さんがいまして、それはもう嬉しかったです。社会人になった卒業生が挨拶してくれたり、進学の報告に来てくれたりすることもあり、本当に嬉しいかぎりです

※写真には写っていませんが、当日野口さんは見守り活動のときに持ち歩いてる救急袋やいろいろな手作りグッズを見せてくれました。子どもたちからもよく「何が入っているの?」と聞かれる救急袋の中には、バンドエイドや笛、マスクなどが入っていました。その他にも子どもたちのために手作りで準備した紙の時計や標識(「とまる」「すすむ」などが描かれている)、あやとり、新聞の切り抜き等、自然と会話が生まれるように工夫されている思いの込もった品々をご紹介いただきました。


『始めてみて、できなかったらそれでもいい。人がつながる朝のカフェ』

2.何か始めたいけど不安モヤモヤ 
 【モヤとも】いいくぼ なおみさん
      (お金教育家、春日部 朝カフェの会 主宰)

いいくぼさん2

 2017年の2月から「春日部朝カフェの会」という朝活を、毎月第一月曜日に春日部駅西口のデニーズさんで開催していました。(デニーズさんは先日閉店してしまって本当に残念です。。)今は新型コロナウイルスの関係で少しお休みをしていますが、これまでに約40回近く開催していて、この朝カフェの会というものを通じて、春日部市を含め埼玉県の東側のエリアでたくさんのお友達をつくることができました。
 私が住んでいるのはお隣の杉戸町なのですが、以前は春日部市にも数年住んでいたことがあって、ずっと学習塾の仕事をしていました。ただ、お子さんの個人事情を知ることになってしまいますので、どうしても近隣の方と仲良くなれないんです。長くご縁が作れないまま住んでいて、2014年に一年発起してお金の専門家に転身しました。その時にも地元で仕事がしたいと思ったのですが、勤めた先が不動産投資家さんが集まる投資クラブを運営する会社で、お客様が全国にいて、ほぼ月の3分の1は遠く(の地域)にいるような仕事でした。だんだん辛くなってきて、やっぱり近所で仕事ができたらいいなと思い、ご縁の全く無い状態から「何を始めよう?」と思った時に、“朝活”をやろうと思いました。
 この時に全国で100以上のネットワークを持っている「朝カフェの会」を活用させてもらいました。朝カフェの会は本当にたくさんの方が利用されていて、初めて春日部で開催したときも、新規で立ち上がったところをコレクションのように行っている方がいきなり川崎から来てくれたり、友人が友達を連れて江戸川区から来てくれました。集客を全くしていなかったにもかかわらず、第一回目から入れ代わり立ち代わり12人も参加してくれて、お店のほうがびっくりしていました。
 朝カフェの会は“予約なし”、“参加費はご自身の飲食代だけ”ということで、気軽に来れるハードルの低さがあり、なかには「お店開店前の10分間だけコーヒー飲みに来ました」なんていう参加者の方もいました。(サイトで)全国の開催情報が出ているため、春日部にお住まいの方だけではなく、いろいろなところから来る方とも交流を深めることもできました。このご縁のおかげで仕事につながったりすることもあり、「何か人が集う場所をつくる、または提供する」ということだけで、たくさんのご縁ができ、友達も増え、仕事の発展もあるし、豊かになってくるということを実感しています。
 朝カフェの会をやっていると、「どんな話が出てくるんですか?」とよく聞かれるのですが、本当にフリートークなんですよね。テーマとかは全然なく、例えば「最近カード占いの勉強をしたの。練習させてください」という方がいたり、最近流行っている詐欺のお話しとか、SNSの発信のときに見栄えのいい自撮り写真を練習会をやっていたりとか(笑)本当にいろんな話で盛り上がっています。
 何かこういったイベントするというと、多くの方が悩むとは思いますし、私も朝カフェの会を春日部でやるというときは悩みました。人が集まりそうな場所として、最終的に春日部か久喜かで悩んだんですけど、クレヨンしんちゃんだったらみんな知っているかなと思い、春日部で始めました。それがすごい当たって、時々イトーヨーカドーさんがサトーココノカドーさんになっているときは、けっこう他県の方も来てくれて、春日部をお知らせする機会にもなったのかなと思っています。
 (何か始めたいけど不安なときは)「始める」ということと「終わる」ということをセットで考えない、ということをおすすめしています。ずっと教育の分野にいたのでわかるんですけど、日本の教育は「始めたら最後までやり通す」のが良いと教えるんですよね。でも、やりきれるかどうかは、やってみてからじゃないと分からないことが多い。多くの方は続けられるか、やりきれるかということに不安を感じるのですが、「始めてできなかったらそれでいいんだよ」という気持ちに切り替えることが最初かなと思います。三日坊主=良くないこと、ってみられますが、3日で諦めがついたら次のチャレンジができますから「三日坊主サイコー!」なんですよ。なので、私も続かない習慣とかがあると全部イベントにしちゃいます。今も目標達成の取り組みをやっているのですが、それも一人でやると心が折れるので、毎月1回全国で30人ぐらいの方とオンラインでつながるイベントにしちゃっています。
 朝カフェの一番の魅力は、全国に知り合いができるということです。全国に100以上の拠点があって、毎日どこで(朝カフェが)開催されているかサイトに情報が出ます。出張で遠方に行ったときにフラッと行っても嫌な顔されないですし、共通の知り合いもできたりします。日本はけっこう距離で移動していくと大変なんですけど、心のつながりは近くいられるというのが朝カフェの魅力じゃないかなと思います。春日部の朝カフェの魅力というところでいうと、意外と地元の方が気にしてくれるというところ。告知をしていると、参加はしなくても知らない方がコメントを入れてくれたりすることがあり、他のエリアではなかなかそういうことはありません。春日部の方はなんとなく「まちのつながり」を大切にされている方が多いようなそういう気がしています



『そっと背中を押してくれる、夢の秘密基地』

3.KIKI BASEモヤモヤ 
 【モヤとも】福島 貴代さん(KIKI BASE 小屋主)

福島さん2

 春日部市の小渕というところで「KIKI BASE」という小屋を営んでいる福島です。KIKI BASEがある敷地は、明治の時代まではお寺でした。そこの敷地に(私は長女なんですけど)主人を連れてきて家を建ててしまったんですね。そこでパン教室を始めて、今年で10年になります。おかげさまで口コミで広がって、自宅リビングを開放するのが難しくなってきたので、知人の協力を得て敷地内に小屋を建てました。建てるときには、地域の方やお友達、お子様にワークショップで漆喰を塗ってもらったりして、みんなで仕上げた小屋というのが「KIKI BASE」になります。
 KIKI BASEでパン教室を始めたんですが、午前中だけ使って午後は空いてしまっていました。一方で「ここを使いたい」と言ってくれる方が増えてきて、当時ハンドメイドが流行り始めていたときでもあり、クリエイターさんが多かったので、「ワークショップができる場所」として、この小屋を使ってもらえるようになりました。今、60人ぐらいの講師(クリエイター)さんがKIKI BASEに登録してくれていて、こだわったハンドメイドだったり、グリーンだったり、さまざまなジャンルのワークショップができる方が集まり、一緒に活動しています
 KIKI BASEでは1ヶ月に1回、「DIY部」という活動をしています。うちには木工の先生が3人いて、薪や廃材をもらえる知人もいますので、簡単なアドバイスをしてもらいながら廃材を使っていろいろなものを作り、みんなで楽しんでいます。
 あと、畑もありまして、「ファーム部」という部活もやっています。パーマカルチャー※1という言葉があるのですが、サステナブルというところにつながる活動をしていきたいと思っています。この畑でも仲間たちとともに敷地にある竹でティピを作ったり、コンパニオンプランツ※2を栽培しています。「トマトとバジル」とか「里芋と生姜」とか相性のいいものを一緒に植えることを中心にやっています。すごく広いのでなかなか手に負えていないのですが、ここの畑はこれからの私の活動にとって一番大事な場所になってくるので、ファーム部は大事にしていきたいと思っているところです。
 「Nextage shop(ネクステージショップ)」というのはこの間終わったばかりのイベントで、この小屋を「お店」として開放し、作家さんやクリエイターさんのお店としてオープンする取り組みです。作家さんと話をすると、自分のお店やアトリエを持ちたいけれど、経費が足りなかったり、仲間がいなかったりする(悩みがある)ことに気がつきました。そんなことで、私が60人のなかから希望する方をマッチングし、みんなで話し合いながら『雑貨屋さん』を小屋につくってもらいました。コロナ禍とはいえ、一人ひとりの作家さんがたくさんのファンを持っていることに気づき、ファンのつくり方というところで私もたくさん学ばせてもらいました。
 また、「CUBIC(キュービック)」というバーチャルイベントも開催したのですが、これはインスタグラムを使って開催する仮想マーケットなので、密にならずにコロナ時代にぴったりな作家とファンをつなぐイベントです。キュービックの「キュー」に引っ掛けて、毎月「9」人の作家さんがインスタグラムで出店し、そこでお買い物が楽しめます。インスタグラムは写真が命なので、写真を使って自分の作っている物やワークショップのチケットを売ってもらうという感じで開催しました。キュービックは全国展開も考えていまして、今は春日部近辺の作家さんたちに出店してもらっているのですが、先々は北海道の物産展の方や沖縄の作家さんに出店してもらうかたちでもいいのかなと考えています。仲間と一緒に立ち上げたサイトですけど、それをこの春日部から発信するというのは私にしかできないことなのかなと思っていて、ワクワクする企画のひとつになっています。
 「SHIPPING(シッピング)」というのは幻のイベントと言われてしまっているのですが、コロナでちょっと元気がなくなった飲食店などに、作家さんたち(クルー)をたくさん引き連れて、お店をジャックし(出店し)、(集客効果から)売上につなげてもらうという作戦でした。でも、人がたくさん集まって(密が避けられなくなって)しまったため、ちょっと今はお休みしています。
 最新情報としては、敷地内に家作が何棟か建っていたのですが、空き家になってしまいまして、ここを使って何かやりたいと考えています。今やっとプロジェクトチームができて、何かやりたい人や何かができる人、もしくはみんなが集まれる拠点として、新たに動かしていきたい場所です。今「モバイルハウス」というものを考えていて、ちっちゃい小屋を5、6棟建てて、作家さんに1ヶ月の間、お店として出店してもらい、「お店を持てる」というそれぞれの皆さんの夢を叶えられる場所になったらいいなと仲間と動いています。何かやりたいことがある人の背中を押すのが私の仕事なので、そういうことをしていきたいと思っています。
 KIKI BASEは実はあまり春日部の人に知られていなくて、秘密基地と言われています(苦笑)。来てくださるのは、野田とか越谷、草加、蓮田、久喜と春日部以外のお客様が多いです。
理由は分からないのですが、春日部の人なら来るにも近いし、地域密着でつながっていけると面白いのかなと思ったりもします。ある時、友達に「こういう(KIKI BASEのような)活動が春日部のみんなを元気にしているんだよ」と言われたときに、「そうなんだ!」と気がついて、春日部が元気になるなら私ももっと頑張ろうかなと思っています。KIKI BASEは私だけじゃなく、みんなの夢の塊なんです。 

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※1:パーマネント(永続性)とアグリカルチャー(農業)、カルチャー(文化)を組み合わせた造語で、永続可能な農業をもとに人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくための手法、考え方
※2:一緒に植えると互いの生育を助け、良い影響を与え合う植物・作物同士のこと。主に病害虫の防除や生育促進に利用される

Instagramはこちらから


モヤモヤカフェは、暮らしのなかで感じるちょっとした疑問や悩み、ワクワクするアイデアを、コーヒーやお茶を片手におしゃべりをする場所です。これからも春日部で活動する個人個人の思いを紡いでいきたいと思います。

 次回2021年最初のモヤモヤカフェは1月30日(土)を予定しています。次回もモヤ友の皆さんからお友達を紹介してもらう予定です。次回のゲストは後日ご案内しますので、ぜひ楽しみにしていてください。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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