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moyami
2024年7月19日 23:31
左に体が傾いていく、左手が力強く動いていく、鍵盤を弾き、低い音が私の中心を射抜く。私の体の中で波紋が広がって、どんどん上へと上がってきて、涙腺を刺激する。眼の中の粘膜に、透明の水が混じっていく。私の目の前でピアノを弾いている人は、究極の自己表現をしていた。此処に居るんだという叫びが聞こえてくる。ピアノの音ってこんなにも、響き渡るものだったのだと感じずにはいられなくて、こ