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【一流シェフのファミリーレストラン(The Bear)】 キャラレビュー。 シーズン1~3をみて思ったこと。

注意: 本レビューでは、あらすじ等の説明は省略していますのでご了承ください。また、ネタバレも含まれますので、ご注意ください!

【一流シェフのファミリーレストラン(The Bear)】は私のお気に入りのドラマのひとつ。エミー賞で10冠を達成したから、海外映画・ドラマ好きの方々はすでにご存知かと。
よくも悪くも、最近のドラマではあまり見かけなかったスタイルで、そこがまた面白い。書きたいことが多すぎので、まずは「登場人物」について、感じたことをざっくりと書いてみます。

*****

カーミー:一人芝居の天才?

まずは、カーミー。
彼が冷蔵庫に閉じ込められるシーズン2の最終話、あれは一人芝居の真骨頂。彼の感情が渦巻く様子を見て、正直笑ってしまった部分もあった。
カーミーは天才だけれど、同時にその天才性が彼の人格に影を落としているのが見え隠れする。彼の物事の思い詰め方はすごい。
スティーブ・ジョブスみたいに、天才肌の人って、どうしてもどこかにクセがあるものなのかしら。

ドナ:存在感が放つ緊張感

続いて、ドナ。
マイケル、カーミー、シュガーの母親であり、ジェイミー・リー・カーティスが演じる彼女は、まさに圧巻の存在感。
彼女が登場するだけで、周りがピリピリする緊張感が伝わってくる。
特に印象的だったのは、レストランのソフトオープンの夜、ドナが外でピートと話すシーン。
泣きそうな笑顔で「愛情を示せない」「謝り方もわからない」って話すシーンは、BGMと相まって胸が締め付けられた。
このシーンでドナが、「大切な夜を台無しにしたくない」って言っていたのも切なかった。英語だと、"I don't want to hurt it" って言っていたと思う。
これは、字幕の「台無し」とは少し違うニュアンスだと個人的には感じる。
hurt it は直訳だと「傷つけたくない」だけれど、「壊したくない」みたいなニュアンスで私は受け止めた。
(この指摘は、字幕を批判したいわけではない。字幕はかなり制約がある中で練られているので、この字幕はこれで良いと思う)
ドナは、自分がいると、周りを hurt (傷つける、壊す)してしまうことを痛感しているけれど、ソフトオープンに来てしまったこと、
でもレストランに入らずに踏みとどまったこと。
彼女の存在が周囲に与える影響と、その内に秘めた苦悩が際立つ名シーン。

ピート:意外なMVP?

シーズン1ではピートが鬱陶しいと感じてたけど、シーズン2ではその真逆。
ドナと話した後に泣いちゃうシーンとか、あれはもう、本当に優しい人なんだなって。シュガーに「ドナを責めない」「今回はね」って泣きながら言ってるの、優しさが滲み出てた。
冴えない脇役かと思ってたけど、この人、実はすごくいい味出してる。
シュガーとの出会いとか、今後もっと深掘りしてほしいキャラ。

マイケル: 演じ続けた男

そしてマイケル。彼は私が特に苦手なタイプ。
面白い一面はあるけど、みんなが彼の機嫌を取らなきゃいけない、まさに厄介者。
それでも、家族や周りの人たちは「マイケルはいい奴」「マイケルは、本当はちゃんとした奴なんだ」「マイケルは特別」という設定に従って行動している。その設定が本当は嘘だとわかっていながらも、みんながその設定に縛られている。
どんな家族や友人関係にも、マイケルみたいな人っている気がする。
みんなが暗黙の了解で信じ込んでいる設定があって、心の中でその設定は嘘だとわかっていながらも、結局みんなその設定に従ってしまう。
でも、マイケル自身もその設定に気づいていて、それに従って生きていたけど、最終的にはその役割を演じ続けることに疲れてたんじゃないか。
でも演じる以外の存在の仕方がわからなくて、いなくなることにしたのかも。

*****

まだまだ他の登場人物についても書きたいけど、今回はここでストップ。続きはまた今度!

余談だけど、【一流シェフのファミリーレストラン(The Bear)】をストリーミングしてるDisney+、使い勝手が悪すぎ では?
パスコード入れてもなかなか入れないことがあるし、作品の並びも見にくいし…。
いつかいろんなストリーミングサービスのレビューも書いてみたいと思います。


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