【映画の余韻】スターウォーズ 最後のジェダイ

WARじゃない。これはコメディー。
※ネタバレしています

どんな内容でもスターウォーズが大好きだから楽しめるのだが、予想を超えるコメディ化で、ものすごく楽しめた!
タイトルでは一応ウォーと付いているが、ウォー部分はオマケもいいとこ。どっちもツッコミどころ満載で、組織もトップのカリスマ性も作戦も弱い弱い。弱体化しすぎていて見てて心配になるレベル。殉職者も成仏しきれないんじゃ?
そのかわり、登場人物それぞれのキャラがしっかり立っていた。

①ワイルドルーク
自らバンサからブシャーと搾ったフレッシュな青いミルクを髭を汚しながら飲むルーク(相変わらずの好物なのねと微笑ましいが画はキモい、レイも引いてた)。巨大な銛を一寸法師かのように操作し崖と崖の間の岩肌を渡り歩いたり、その銛で獲ったど〜!したであろう巨大魚を担いで、引きこもり小屋まで運ぶルーク。。レイの故郷を聞いておきながら、ジャクーと知るとないようなもんだなとバッサリ切るルーク。偏屈な割にレイにイマイチ劇的な指導をせず葉っぱでおちょくるルーク。若い者同士が遠距離フォースチャットで育んでいる交流に水を差し割って入るルーク。
この人、パドメが命と引き換えに産んだあのルーク、凄腕飛行士のルーク、ヨーダとオビワンから修行を積んで、ダークサイドに堕ちた父アナキンを命懸けで改心させた正義感溢れるあのルークでしょ?人は誰しも歳を取るのね、そして笑いをわかりすぎでしょ、こんな老後を過ごしていらっしゃるとは笑
クワイガンジンって最後までビジュアルも本当にカッコよかったなと思った。
それでも、とてつもない自己犠牲の精神で最後はちゃんとレジスタンスのために命を捧げたルーク。立派な人生でした。R.I.P.

②しょんぼりレイア
気丈に将軍を続けていてすごい。
グレた息子が夫を殺し、息子に今度は自分が狙われ。。こ、こわいよシミスカイウォーカーの血。呪われてるよこの血筋。
フォースで息子とせめぎ合い、爆弾直撃は避けたものの、まさかの宇宙遊泳、掌で入り口に吸い付く!すごすぎるフォース、この実力で戦いももう少し有利になんとかならんのか?
レイが懐かしのファルコンで反乱軍を倒す援護をしているのは見えたはずだから、待ってればレイが迎えに来る予想はできたはずなのに、救援信号を受けた外縁部や共和国からなにも応答がなく、救援は来ないんだと哀愁に浸っているのがなんだかなぁ。殉職者が価値のある死となる作戦を是非立ててほしい。
犠牲を出したポーをバチーン!と平手打ちしてたけど、これくらい強くベンソロを育てて欲しかった。

③チューイ
チューバッカにとってはおそらく僅かなエネルギーの足しにしかならないだろうけど貴重な栄養になるであろう鳥。食べといた方が良いのに〜笑。栄養失調だろうに、ちゃんと今回もレイの手下としてファルコンを操り大活躍でした。まるでモンサンミッシェルのシスターのコスプレかのようなケアテイカーがいたり、ルークの隠居先の島はいちいち面白い。

③ホルド提督
いきなり紫のローラダーン出てきてびっくり。いやいやちょっとポーを馬鹿にしすぎでは?作戦をもったいぶらずに伝えていれば、ポーとフィンとローズの暴走も止められたのでは?最後の殉職は、自動操縦とかでクルーザーを動かせばなんとかなったのではないかという疑問。。技術が進んでるんだか進んでないんだかよくわからない。

④フィンとローズ
今作でこの2人はほぼ一緒に行動。ポーは途中で阻止され、2人でレジスタンスチームから逸脱し暴走を完徹。活躍しているように見えて、実際は無駄足というか、成果も出ないし余計な事に思える。2人とも有色人種。やっぱり白人主義のディズニーの影響なのかな?ディズニーでよくある、生い立ちに負けずに気が強い有色系の女の子の恋愛が突然割り込んできた印象。
でも、フィンとローズの暴走、コード破りの登場により、もう何十年と続く宇宙戦争での、武力による正義と悪の決着って意味があるのかという大きな疑問を投げかけたのは良かった。この映画で集まる資金すら結局はディズニー経由でロスチャイルドを通して戦争に流れるわけだが、正義と思われる集団でも武器を買っている。豊かになるには武器を売るビジネスに携わること。そういう武器ビジネスの影で貧しくこき使われる人も大勢いる。組織や家族に目が向いていたep4-6から徐々に個に目を向けるようになってきて、更にこういった新たな視点を、スターウォーズという多くの人の目に触れる作品で投げかけるのは重要な意味を持つと思う。ローズは正直、次回は遠慮してほしい。

⑤クリスタルなキツネ
クライマックス近いここでポケモン出てきたか!と衝撃。着いていけば外に出られるというのも、結局ルークはどこかの穴から入ってきたのではないわけで、もしもうまくいっていなければポーのとんだ見当違い。とはいえ運任せなレジスタンスにヒントをくれてありがとう。

⑥レイ
EP7より少しお太りになった?ルーク潜伏中の無人島生活でおそらく過酷な生活をしているであろうに、全然げっそりしてこない。
どこかに両親がいるという希望をエネルギーにしていたが、それさえ絶たれた今回。最後にファルコンでレジスタンスのみんなと合流した時の、仲間ができた、居所ができた笑顔がとても印象的だった。
フィンの次に人生2人目の友達的な感じでカイロレンとどっぷり交流していたが、堕ちなかった!でも、スノークを殺したのは本当にカイロレンなの?

⑦まだこじらせてるカイロレン
レイとフォースを通して心を通わせて、打ち解けたというか、理解し合える関係性になれそうだったのに。。結局ダークサイドなカイロレンにがっかり。それなのに母親のレイアを迷いが生じて仕留めきれず、、堕ちるならとことん堕ちてくれ!
カイロレンはアナキンより良心というか共感能力の高さがあってそれが弱みでもあるのだが、人間らしい揺らぎやどこかヌケてる可愛げが魅力的。
はっきり言う!あなたにアナキン超えは無理!多分全世界が思ってる!あなたの武器はフォースでもライトセーバーでもなく、母性をくすぐる事です!
衝動的で荒削りと思わせておきながら、時々垣間見える迷い憂い優しさを帯びた目。パダワン何人も殺して、父親も師匠も殺して、かなりの凶悪人物なのだが。あそこまで強大な殺傷能力を持っていなければ(とはいえスノークの部下に手こずる程度の半端な強さ)、ただの反抗期こじらせ系なんだけど。武器を持たせちゃいけない未熟さ。スノークにも無意味なマスクを外せと言われたり、裸でボケっとしててなにか着るものはないわけ?!とレイに突っ込まれたり、服装のわきまえも覚えていただきたいところ。でも、マスクを取り、スノークを殺し、ダークサイドでは地味に成り上がった感。次回どこまで強くなっているか怖い。それにしてもスノークのショボさには呆れる、脅かすだけで部下の心は読めたフリで全然違うし、あっさり亡くなってしまった。

⑧若返りヨーダ
「まだ地平線を眺めているのかい?ジェダイの本などどうせ大して面白くもないじゃろ燃やしてしまえ」で、本だけ燃やせば良いのに雷落として山火事レベルの放火。今回は悪い予感はしなかった模様。良かった。作品ごとに若返っていて、今回は思考も若者化していた。

⑨マズカナタ
相変わらずあんぽ柿。教えてくれたプロムの花のコード破り、チャラすぎ!あそこで生きてると、信頼できる人脈はなかなか作れないんだろうなぁ。

EP4-6のメインキャラがチューバッカ以外今回で全て亡くなってしまった(レイアはキャリーフィッシャーが天に召されたし)。カイロレンの言うように、世代交代。作品そのものも、製作陣が変化していく中で守るもの変えるものの仕分けが着々と行われつつ作風が変わってきていて、作品の内容と重なる。そういう中での、ヨーダの、失敗を伝えつつ、先代を超えて貰わねばという意図。何事においてもそうだなと思う。

もともと血液検査で素養のある子を教育していたジェダイの原点回帰も重要なポイントだった。パドメとアナキン(ダースベイダー)→ルーク&レイア→レイアとハンソロ→ベンソロ(カイロレン)というところまで家族の話が進んできて、結局レイはあれほど強いフォースを持ちながら、両親は何者でもないというオチ。本当にこの血筋とは関係がないのかがとても気になる。フォースはもともと宇宙のどこにでもあるバランスであり、血筋とは関係ない。これを証明するかのように、カイロレンやルークを脅かすほど強いフォースを持つレイや、孤児風の少年、ポーダメロンがフォースに気付くようなシーンもあった。先が本当に楽しみ。

#映画の余韻 #映画レビュー #スターウォーズ最後のジェダイ

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