【映画の余韻】ライオン・キング 2019年実写版

リアルCGの良さが存分!後半は良曲ラッシュ!
※ネタバレしています。

英語版を見てきた。話の内容は知っているから、字幕なしの英語音声でもわかるかな?と軽い気持ちで。
見逃さずに済んで良かった!動物好きは必見!

アニメでもドキュメンタリーでもないからできる映像表現に満ちていて、美しい自然界のリアルな動物達がイキイキと動く姿を、鳥瞰のザズーの視点と幼いシンバの低い視点が交互に入れ替わりながら躍動感満載で見られてとても綺麗。この美しい自然に危機をもたらしている人間は本当に罪だと思わせるほどに。
でも、リアルだがフィクションだからこそ、共存する異種の動物達が集う様子や、音楽に合わせた動きが見られる。カメラワークやアングルがとても良かった。
シンバはアニメのやんちゃ顔とは違う本物の赤ちゃんライオンの顔だが、そんなのはどうでも良くなる。

そして音楽。3Dでリアルな動物達の動きと相まって流れるからこそ、引き込まれるHakunaMatata、the lion sleeps tonight、Beyoncéのspiritは勿論のこと、個人的にはBeyoncéのCan you feel the love tonightとEltonJohnのNever too lateに聞き惚れた。

ライオンキングは、シンバが、百獣の王の子として産まれた使命を真の意味で自覚し、身体が大きくなるにつれ、父を慕う仰瞰から、プライドロックの頂点に君臨する俯瞰に成長していく過程の話だと思う。
子供だからこそ軽々しく口にできた王になるという言葉の意味がわかるにつれ、前向きに王位継承を望まない。でも、最後には、できるものは自分しかいないという立場を受け入れ、責任を持つ事を決める。

とはいえシンバはラッキーボーイ。スカーのように愛情に飢えひねくれた弟もいるのに、父親から愛されて育ったムファサからも、母サラビからも愛情深く育てられている。3度もハイエナやヌーに襲われ死にかけても生き残り、群れから離れても運良く面倒見の良いプンバやティモンに愛情深く育てて貰えて、久々に群れに戻れば皆が待ち望んでいたと歓迎してくれて。

王位継承位が低いというだけで真逆をいくスカーが、寂しい気持ち故ひねくれて、王になれば慕われるのかと邪悪な想いを抱くようになっても無理はない。頭も良く喧嘩も強いが、王になってもなお、慕われず寂しい人生。
ハイエナを従えるがメスライオン達からは総スカン。
サラビに妃になれと言うも相手にされず、見兼ねたナラが群れから逃げ出しシンバを探し出してシンバが帰還。

でも、本作は因果応報を示す作品でもある。
ムファサとシンバにしたことが全て自分に返ってくるスカー。加えて、仕えて貰っていたにも関わらず本当の敵はハイエナといったことで、崖から落ちても生きていたのにハイエナに襲われてさようなら。途中から草食で育ったシンバは見ていてもけっして大して強くなっていたとは思えないし、自滅。

愛される愛されないの違いはなんなのだろう。
それはやはり、愛されて育ち良い意味で周りに助けを求められる事と、与えて貰った役割を活かして、自分の力を誰かのために使う事なんだな、と確認させてくれる作品。

何かしなければと声をあげ、危険をおかして群れから離れ、メスライオンを統率し、ハイエナを退治していくナラ、かっこよかった!歌ではわぁビヨンセと思うのだが、ナラの声としては主張しすぎていないビヨンセも良かった。

メスが狩をするライオン界で、統率者本人は狩をせずとも、ライオンが王なら国民とも言うべき動物達に含まれている、草食動物達は生態系を乱さない程度には食べられているはず。描写はないが、それってどうなの?と疑問もある。シンバも虫だけであんなに大きくなれたのか?一方、スカーは肉を食べる描写がある。

一見悪に見えるが、現実の汚さや不公平を表現しているスカー。その声を、それでも夜はあけるのキウェテルイジョホーが演じているのが、納得だった。

#映画の余韻 #映画レビュー #ライオンキング

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